クラフトビールはじっくり、特別な日や一際くつろぎたい日に味わいたいものだ。そんな優雅な時間の質とビールの味わいをより高めてくれるのが、クラフトビール専門グラス「Geek Grass Tokyo(ギークグラストーキョー)」だ。
日本ではもちろんのこと、海外ユーザーからも人気という。ブランド担当者にインタビューを行った。
クラフトビール専門グラス「Geek Grass Tokyo」とは
クラフトビールをより楽しむために生まれた同ブランドは、2025年11月13日から、日本の硝子職人がひとつひとつ手作業で仕上げる新シリーズ「The Nigori Glass」の販売をスタートした。
独特の形状は、一目見ただけで思わず惹かれてしまう。丸みを帯びたボウルに、絞られた飲み口は計算し尽くされた厚みと形とカーブを有する。これらが従来のクラフトビールの「香り、味、姿(見た目)」を変えるという。
Geek Grass Tokyoの担当、Mr. Geek(ミスターギーク)氏は、次のように解説する。
「ホップの豊かな香りをグラスの中に閉じ込め、グラスを傾けた瞬間に香りがしっかりと立ち上がるような形状にしています。飲み口の角度と厚みは、ビールの口当たりをまろやかにしてくれ、手吹きガラスの高い透明度がビールの色や濁り、泡の美しさを際立たせます」
製造するのは、江戸硝子の伝統を守り続けるブランド、田島硝子。機械による大量生産とは異なり、1,400℃ほどの高温で溶かしたガラスを鉄製の棹(さお)で巻き取り、吹き・押し・延ばしなどの技術により器を成形する。手作りだからこそできるオリジナル性が魅力だ。
グラスでビールを飲んだユーザーからは、これまでにない”衝撃”の出会いを彷彿とさせる感想があがっている。
<ユーザーの声>
「すごっ!なんだこれ!!」
「(なんだか)おいしい気がする」
「じっくり味わえる」
「(乾杯して)割るのがこわい」
「どうやって洗うんだ」
形状で「香り・味・姿」が変わるビアグラスが生まれた背景
独特のグラス形状は、注いだクラフトビールの「香り・味・姿」を変える。このコンセプトはどのような背景から生まれたのか。
「様々な国のたくさんのビールを飲み歩く中で、『クラフトビールを最高に美味しく飲めるグラスを開発したい』と思ったことがきっかけです。グラスの作り手やクラフトビールの有識者にも話を聞きながら、日夜ビールを飲みながら研究していました。
世界には変わった形状のビールグラスがありますが、日本には少なく、”クラフトビール専門”となると見当たらなかったため、日本初、唯一無二の形状を追求し、ビールの香り・味わい・注いだ際の見た目を最大限に楽しむため、こだわり抜きました」
グラスに合わせてクラフトビールを醸造
公式サイトではグラスとともに「Genuine Geeks」というクラフトビールも販売されている(※)。実はグラスに合わせて作られたという。
「世界的にクラフトビールブームを牽引し、ビアギークたちを熱狂させた『Hazy IPA』というブランドがあります。『Genuine Geek』はこのグラスに合わせて醸造したHazy IPAの一種です。開発当初、このような濁りのあるビアスタイルにフォーカスして設計していました。プロデュースや監修をしているGRANDLINE BREWINGの人気商品Hazy IPAで、グラスに合います」
本グラスはクラフトビール以外の市販のビールでも同様に楽しめるのだろうか。
「もちろん楽しめます。グラスが変われば味わいは変わりますし、日常のシーンにおいても少し贅沢に感じられると思います。“ちびだら飲み”にも最適です」
海外からの人気はインスタ経由
海外からも注文が殺到しているという。すでに、アメリカをはじめ、イギリス、スウェーデン、デンマークなどヨーロッパ諸国から注文があり、近々アジア諸国からの発注も見込まれているそうだ。どのような経緯で販売に至ったのか。
「主戦場はInstagramです。これまで、グラスの独自形状やビールの美しさを日々発信してきたことで、国内外のクラフトビールファンの目に留まり、現在では海外からの注文も継続的に入るようになりました。過去には、海外のクラフトビール系WEBメディア『HOP CULTURE』にも取り上げていただいております。
その後も、国内外を問わずWEBメディアを中心に継続的な掲載が生まれており、これらの露出が認知拡大と販路拡張につながっていると考えています」
今後の展望に掲げる“インターナショナル乾杯”
最後に、今後の展望を聞いた。
「全世界の人に使ってほしいです。世界各国にGeek Glassが届き、みんなで“インターナショナル乾杯”ができたら嬉しいですね。また、別の形状のビールグラスづくりにも挑戦したいです。例えば、ビアスタイルごとに最適な形を追求するのもありかと考えています。クラフトビールの有識者や、GeekGlassを使用してくれた方々の意見も集めながら、イメージを膨らませていこうと考えています」
このグラスはただの“器”ではなく、クラフトビールをより美味しくする“ギア”として位置付けることもできそうだ。
新たな形状のグラスは果たしてどんな時間を届けてくれるのか、楽しみだ。
※提供ビールは仕込み状況や提供期間により変更となる場合があります。来店時の提供内容は店舗にて確認ください。
取材・文/石原亜香利
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