2025年12月に発表されたバドミントンの新ルール「15点3ゲーム制」について、変更内容や導入時期、背景を整理し、過去の改正や競技・日本への影響、基本ルールとあわせて解説する。
目次
2025年12月2日、日本バドミントン協会は、世界バドミントン連盟(BWF)の理事会において「15点3ゲーム制」への移行案が承認されたことを発表した。これは長年親しまれてきた21点制からの大きな転換であり、2026年の正式決定に向けて大きな注目を集めている。
今回の変更は、単なるルールの微調整ではなく、試合展開や選手の戦い方、観戦体験にまで影響を及ぼす可能性を持つものだ。
本記事では、どのようなルール変更が予定されているのかを起点に、その背景や適用時期、今後のバドミントンがどのように変わっていくのかを読み解いていく。
バドミントンの最新ルール変更内容
2025年12月、日本のバドミントン界にとって大きなルール変更導入が発表された。ここでは、今回どのような変更が行われる予定か、背景や適用時期についてもあわせて解説する。
■今回のルール変更で何が変わるのか
今回決定した最大の変更点は、試合の得点制度。従来の「1ゲーム21点・3ゲーム制」から、「1ゲーム15点・3ゲーム制」へと、ゲーム数はそのままに、1ゲームあたりの得点数を引き下げる仕組みが採用される予定だ。
これにより、1試合あたりの展開はよりコンパクトになり、序盤から緊張感の高い試合が増えると見られている。バドミントンでは過去にも得点制度の見直しが検討されてきたが、複数年にわたる試験大会や関係者の意見集約を経て、今回BWF(世界バドミントン連盟)の理事会で変更案が承認を得るに至った。
■バドミントンのルール変更の背景
バドミントンのルール変更は、競技そのものを選手側が続けやすく、観客にとっても観やすくするために行われてきた。近年は国際大会の増加により選手の試合数が増え、身体への負担やケガのリスクが課題となっている。
また、試合時間が長くなりやすい点は、観戦する側にとっても分かりづらさにつながる。テンポの良い試合展開を実現し、テレビや配信での視聴性を高めることも重要な背景だ。今回も、こうした競技環境やメディア環境の変化を踏まえ、得点制度の見直しが再び本格的に検討されることになったと見られている。
■新ルール適用時期
新しい得点制度は、すぐにすべての大会で一斉導入されるわけではない。今後、2026年のBWFの年次総会で正式に採用が承認されれば、2026年後半以降、段階的に世界の大会へ広がる見通しだ。
すでに一部の国際大会では試験的な導入が行われており、2028年ロサンゼルス五輪を見据えた期間にも試行される可能性がある。大会の格やカテゴリーによって適用時期が異なるため、選手や関係者は大会ごとのルール確認が欠かせなくなるだろう。
バドミントンのルール変更の歴史
今回のようなバドミントンのルール変更は、決して突発的なものではない。バドミントンではこれまでも、競技性や観戦性を高めるために段階的な見直しが行われてきた。代表的な改正を振り返り、その流れを整理する。
■2006年の大きなルール変更(ラリーポイント制)
2006年に行われたラリーポイント制の導入は、バドミントンの歴史の中でも特に大きな転換点だ。それ以前は、サーブ権を持つ側だけが得点できる仕組みで、ダブルスではサーブ権が複雑になり、試合が長時間に及ぶことも少なくなかった。この制度では、粘り強くラリーを続ける展開が中心となり、試合の緩急がつきにくい側面も。ラリーポイント制への移行によって、サーブ権に関係なくラリーごとに得点が入るようになり、試合時間の短縮とともに、攻撃的でスピード感のあるプレーが増えていった。
■その後の主な改正
ラリーポイント制以降も、公平性と競技性を高めるための改正が続いている。
特に大きな変更が、2019年から国内でも本格導入された「サービスルールの見直し」だ。従来はサーバーの「肋骨の一番下の骨より下」から打つとされていたが、身長による有利・不利を是正するため、現在は「シャトル全体がコート面から115センチ以下」といった固定の高さ基準が設けられている。
また、試合展開の高速化に伴い、用具にも変化が見られる。ラケットは軽量化が進み、素材も進化したことで、コンパクトな動きから素早く返球するプレーも見られるようになった。
ルール変更による影響は?
15点3ゲーム制の導入は、単に試合時間が短くなるだけでなく、プレーの考え方や勝敗の分かれ方にも影響を与える。ここでは、選手の戦い方や種目ごとの特徴、日本全体への影響などの観点から解説する。
■プレースタイルと試合展開への影響
15点制では、1ゲームあたりのポイント数が少なくなる分、1点の重みがこれまで以上に大きくなる。その結果、序盤から流れをつかむことが重要になり、ミスの少ない短期決戦型の試合展開が増えると見られている。
21点制では終盤勝負を見据えてラリーを組み立てる戦い方も可能だったが、15点制では立ち上がりから積極的に攻める姿勢がより求められる。試合全体のスピード感が増し、波乱が起きやすくなる点も特徴といえる。
■種目別・選手タイプ別に異なる影響
ルール変更の影響は、シングルスやダブルスといった種目や、選手の特性によって異なる。精神力と粘り強さを生かした長いラリーを得意とするスタイルは、15点制では必ずしも有利とは限らない。
一方で、フィジカル面で長時間のラリーが負担となりやすい選手にとっては、試合時間が短くなることがプラスに働く可能性もある。種目や戦い方によって有利・不利が分かれる点が、今回の変更の大きな特徴だ。
■日本全体への影響は一概に語れない
15点制が日本にとって有利か不利かについては、単純に結論づけることは難しい。日本の強みとされてきた粘り強いラリー戦が生きにくくなる場面も想定される一方、スピードや序盤の勢いを武器にできる選手には新たな可能性も生まれる。1ポイントの価値が高まることで、戦術や準備の重要性が増し、選手層や戦略次第で結果が左右されやすくなる。今回のルール変更は、日本全体の競技スタイルを見直すきっかけにもなりそうだ。
バドミントンの基本ルールを簡単に解説

今回のルール変更で得点数は変わるが、バドミントン競技の根幹が変わるわけではない。最後に、新ルールをより深く理解するための助けとして、現行の基本ルールをおさらいしておく。
■得点の仕組み
バドミントンの得点は、ラリーに勝った側に1点が入る方式で進行する。サーブを打った側かどうかに関係なく、ポイントが加算されるのが特徴だ。
試合は最大3ゲームで構成され、先に2ゲームを取った側が勝者となる。現行ルールでは、1ゲーム21点を先に取った方が勝ちだが、20対20の同点になった場合は2点差がつくまで続く。ただし、延々と続くわけではなく、29対29になった際は、次の30点目を取った側がそのゲームを制する仕組みだ。この仕組みを理解しておけば、試合の流れを追うことは難しくない。
■サーブとラリーの基本ルール
サーブは、試合開始時や得点が入った後に必ず行われる。現在の競技規則では、公平性を期すために、サーブを打つ瞬間のシャトルの高さは「コート面から115cm以下」と厳密に定められている。また、得点が偶数のときは右側、奇数のときは左側のサービスコートからサーブを行うのが原則で、シングルス・ダブルス共通となる。
ラリー中は、シャトルが相手コート内に落ちる、あるいは相手がミスや反則をした場合にポイントが入る。ラインに少しでも触れていればインと判断される点も押さえておきたい。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/Ema







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