「確信犯」の本来の意味は、道徳的・宗教的または政治的信念に基づき、正しいという確信のもとおこなわれる犯罪のことです。ただし、一般的には本来とは違う意味で使われています。ビジネスシーンではどちらの意図にも対応できるよう、2つの意味への理解が求められます。
目次
「確信犯」には2つの意味があります。1つは悪いことではないと確信しておこなう犯罪、もう1つは、悪いことだと知りつつおこなう犯罪や行為のことです。本来の意味は前者ですが、一般的には後者が広く認知されています。本記事では、「確信犯」の意味について詳しく解説します。
「確信犯」の本来の意味

「確信犯」とは、道徳的または宗教的な信念に基づき、悪いことではないという確信のもとにおこなわれる犯罪や人のことです。
たとえば、国家体制に反する思想をもつ思想犯、政治的な考えのもと犯罪行為をなす政治犯などが「確信犯」にあたります。
ただし、近年は本来の意味が転じた「悪いことだと知りながらおこなう行為」という意味で広く使われています。
辞書にはどちらも記載されていますが、「確信犯」には、言葉のもととなる本来の意味があることを理解しておきましょう。
約7割が勘違いしている「確信犯」の意味

文化庁による平成27年度「国語に関する世論調査」では、69.4%の人が「確信犯」を「悪いことであるとわかっていながらなされる行為・犯罪又はその行為をおこなう人」だと捉えています。
本来の意味である「政治的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪又はその行為をおこなう人」と回答したのは、17.0%でした。
過去の調査結果を見ると、勘違いしている人の割合は増加傾向にあります。実際に「確信犯」は、「悪いとわかっていながらなされる行為」という意味で使うのが一般的です。
参考:文化庁「平成27年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」
「確信犯」の本来の使い方

ここでは、「確信犯」の本来の意味に基づく使い方をみていきましょう。道徳的・宗教的または政治的信念などの思想による犯罪行為に対し、以下のように使用してください。
・世間を騒がせた一連の犯罪は、国家体制に反する思想をもつ確信犯によるものだった。
・若手俳優が、猟奇的な確信犯を演じた映画が話題を集めている。
・夕方のニュースでは、確信犯による事件の一報を告げた。
「確信犯」の一般的な使い方と注意点

文化庁の調査からわかるように、「確信犯」は、悪いとわかっていながらおこなわれる行為や、おこなう人を指すのが一般的です。辞書にも同様の記載があり、決して誤用とはいえません。
気を付けたいのは、本来の意味と一般的に認知されている意味とでは、ニュアンスがまったく異なる点です。
一般的には、犯罪に限らずさまざまな行為に対して使用できます。本来の意味のように「正しいと信じておこなう」のではなく、「悪いと知っていながらわざとした」という意味が強まる点に注意しましょう。
・彼はまた遅刻か。どうせこちらが待ってくれると思っているのだろう。確信犯もいいところだ。
・自分からランチに誘っておきながら財布を忘れただなんて。給料日前だし、さては確信犯だな。
「確信犯」の類義語や言い換え表現

「確信犯」には、次のような類語や言い換え表現があります。
・意図的
・わざと
どちらも何らかの影響があることを知りながら、「あえておこなう」というニュアンスを含む言葉です。それぞれの意味と使い方を参考に、会話の幅を広げていきましょう。
■「意図的」
「意図的(いとてき)」とは、ある目的をもって物事を成すことです。自分の意志を強く反映させ、何かをおこなうさまを表します。
「確信犯」と違うのは、意図的な行動が、必ずしも悪いおこないに限らない点です。
ただし、「意図をもってあえておこなう」という意味をもつことから、一般的にはネガティブなイメージで使われます。
・不祥事に関係するデータのみが消えている点に、意図的なものを感じる。
・今回の事件は、ある組織によって意図的に仕組まれたものだった。
■「わざと」
「わざと」も「意図的」と同様に、何かを意識しておこなう様子を表します。また、悪いと知っていながら実行する「故意に」という意味も含む言葉です。漢字では「態と」と書きます。
また、「わざと」は「わざわざ」のかたちでも使用できます。「わざわざありがとう」のように、感謝を述べる際にも使える表現です。
ただし、「わざと」のみの場合は「意図的」のニュアンスが強まります。感謝を表すことはなく、「よくないことをあえておこなった」という意味で使うケースが多いでしょう。
・顔を合わせたくなかったのだろう。彼女は彼に、わざと打ち合わせについて連絡しなかった。
「確信犯」には2つの意味があることを理解しよう

「確信犯」の本来の意味は、一定の信念に基づき、正しいという確信をもっておこなう犯罪のことです。また、本来の意味が転じた、「悪いと知っていながらおこなう行為や人」という意味もあります。
日常会話では、後者の意味で使うのが一般的です。多くの人と関わるビジネスシーンでは、2つの意味があることを理解したうえで、コミュニケーションを図る必要があります。
ときには本来の意味で使う場面もあるかもしれません。その際にスムーズなやり取りができるよう、言葉への知見を深めておきましょう。







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