『実利』と『実効』は、それぞれ『実際に得られる利益』『実際の効果や効力』という意味を持ち、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。『実利』と『実効』の使い方や類似表現を解説します。
目次
「実利」とは?
『実利』は、報告書やビジネス文書でもよく目にする言葉です。似た言葉に『実益』もあり、どちらを使うべきか迷う場面も少なくありません。まずは、『実利』の基本的な意味と、混同しやすい『実益』との違いについて解説します。
■実際に得られる利益
『実利』とは、理論上や名目だけでなく、現実に手に入る具体的な利益を意味する言葉です。例えば、ビジネスで新規事業を検討する際、「この事業に実利はあるのか」と問われたら、『実際にどれだけの金銭的な利益が見込めるのか』を確かめるニュアンスになります。
また、名詞として使うほか、『実利的』という形容動詞としても用いられます。『実利的な判断』『実利を重んじる』などの使い方を、耳にしたことがある人も多いでしょう。
実際の成果・利益が問題となる場面で用いることで、『実利』という語が持つニュアンスがより明確に伝わります。
■「実利」と「実益」の違い
『実利』と『実益』は、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。どちらも『現実に得られる利益』を表しており、理論上の利益ではなく具体的な成果を指します。
例えば、『この投資には実利がある』と『この投資には実益がある』は、どちらも実際の利益が見込めることを示す表現です。
ただし、一般的には『実利』の方が日常的に使われる傾向があります。ビジネスの場でも、『実利を追求する』『実利的な判断』といった言い回しがよく用いられます。
どちらを使っても意味は通じますが、より自然に伝わりやすいのは『実利』だといえるでしょう。
「実効」とは?

『実効』は、効果や効力に焦点を当てた言葉です。施策・対策が実際に機能しているかを評価する場面でよく使われますが、読み方が同じ『実行』と混同しやすいため注意が必要です。
ここでは、『実効』の正確な意味と、混同されやすい『実行』との明確な違いについて解説します。
■実際の効力や効果
『実効』とは、実際に現れる効力や効果を指す言葉で、何かを実行した結果として生じる具体的な成果を表します。ポイントは、単に行動したかどうかではなく、その行動が実際に効果を生んだかどうかという点です。
また、『実効』は『実効性』という形で使われることも多く、政策・制度・システムなどが実際に機能しているかを評価する際に用いられます。
例えば、『実効性のある対策』『実効を上げる施策』といった表現があり、具体的な成果につながる取り組みを示す際に用いられることが多いでしょう。
■「実効」と「実行」の違い
『実効』と『実行』は、読み方が同じため混同されがちですが、意味は明確に異なります。『実行』は、計画や決定を実際に行動に移すこと、つまり『実際に行う』という行為そのものを指す言葉です。
例えば、新しい営業施策を始めるのが『実行』であり、その施策によって売り上げが伸びたかどうかが『実効』に当たります。
行動面を示すときは『実行に移す』『実行力がある』、成果面を示す場合は『実効が上がる』『実効性を検証する』と使い分けることで、両者を明確に区別できるでしょう。
「実利」「実効」の使い方と例文

意味や違いを理解していても、実際の場面でどのように使うべきか迷うことは少なくありません。特にビジネス文書では、状況に合った自然な表現を選ぶために、具体的な用例を知っておくことが大切です。
以下、『実利』と『実効』の使い方を例文とともに見ていきましょう。
■「実利」の使い方と例文
『実利』の使い方は、判断や行動の結果としてどれだけ利益が見込めるかを示したいときに用いられます。複数の選択肢を比較し、費用対効果を踏まえて最適な決定を下す場面で使われることもあるでしょう。
また、目先の話題性よりも、組織や事業にとってどれだけ具体的なメリットがあるかを重視する姿勢を表すときにも適しています。
<例文>
- 実利を踏まえて優先順位を決定した
- 複数案を比較したところ、A案が最も実利が大きい
- 実利的に見て、この投資は早期の回収が期待できる
■「実効」の使い方と例文
『実効』は、取り組みが実際にどのくらいの成果を上げているかを示す場面で用いられます。特に、施策・制度・プロジェクトなどの効果を検証し、成果の度合いを客観的に示す言葉として使われることが多いでしょう。
取り組み内容の妥当性や、実際の効果を示す文脈で使うと自然です。
<例文>
- セキュリティー対策の実効性を検証した結果、侵入を防げた
- レジ袋削減策が実効を上げ、使用量が3割減少した
- 被害者救済を実効的なものとするため法改正を検討する
「実効」の類似表現

『実効』と似た意味を持つ言葉には、『効用』『効能』といった表現があります。一見すると『実効』と同じように使えそうですが、実際にはそれぞれ異なる意味を持つため、状況に応じた使い分けが必要です。
最後に、『実効』と混同しやすい類似表現について、意味や使い分けのポイントを確認していきましょう。
■有用性を示す「効用」
『効用』は、ある物・事柄が持つ有用性を示す言葉です。経済学では、消費者が財やサービスから得る満足度を指します。
実際に得られた効果を示す『実効』と異なり、潜在的な効果や主観的な価値を表す点が特徴です。例えば「この薬の効用を調べる」は、その薬の作用・利点を検討することを指します。
ビジネスでは、製品の将来的な価値を語る場面では『効用』を、施策の効果を示す場面では『実効』を使い分けると分かりやすいでしょう。
■作用・働きを表す「効能」
『効能』は、ある物質が持つ作用や働きを表す言葉で、主に医薬品・健康食品・温泉などに対して使われます。『実効』との大きな違いは、物質そのものに備わっている働きに焦点を当てている点です。
例えば、医薬品のパッケージに記載される『効能・効果』は、その薬が持つ作用と期待される結果を併せて示したものです。また『温泉の効能』は、泉質が持つ働きを説明する表現になります。
『効能』は製品の持つ特性を説明する際に用い、実証された成果を示したい場合には『実効』を使うとよいでしょう。
「実利」「実効」の意味を知り正しく使おう

『実利』や『実効』は、ビジネスの場でも使われることが多い言葉です。それぞれが示す利益や効果のニュアンスを正しく理解しておくことで、文書作成・報告の場面でも適切な表現を選べるようになります。
また、『実益』『実行』『効用』『効能』といった類似表現との違いを押さえておくことで、より精度の高いコミュニケーションが可能になるでしょう。日常の業務でもぜひ活用し、状況に応じた言葉選びに役立ててください。
構成/編集部







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