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実は相性抜群!?ヨガや瞑想と着物を纏うことが重なる理由

2025.12.25

ヨガ瞑想講師の原川めぐみさん、そして着物家の伊藤仁美さん。一見まったく別の領域にあるように感じられる二人のレッスン。なぜ、自然に繋がりが生まれたのだろう。

前半でお届けしたコラボレーションレッスン終了後、お二人に話を伺った。

「ヨガ」と「着物」が出会うとどうなる?心と体を整える新感覚レッスン体験記

心と体の軸を纏い直す1日——。そんな言葉がぴったりの時間だった。 窓向こうに日本庭園を思わせる庭が広がるピラティススタジオ「I_PILATES」で、ヨガと瞑想、…

二人を繋いだ“内側への探求”

――ヨガと着付け。意外な組み合わせにも感じますが、お二人がコラボレーションしようと思ったきっかけは?

原川めぐみさん(以下、めぐみ) 私はピラティスやヨガ、瞑想を通して、心と体を整えることを15年間伝えてきました。その中で感じていたのは、やはり自分の内側が整っていないと、外側ともうまく繋がれないということ。 “内側への探求”という視点で、仁美さんと共鳴しあえる部分がとても大きかったんです。

伊藤仁美さん(以下、仁美) ツールは違っても、私たちが伝えたいゴールは一緒だと思っています。体感した人が“明日からどういう日々を送ってほしいか”を考えて、伝えるということをしていますから。

めぐみ 着付け教室は、着物を着る手順を教えることを目的だと思います。でも仁美さんが伝えているのは、身体性を伴う着物の着方。纏う行為のなかで、自分の内側への意識がより深まっていくのを感じました。

仁美 着物は内と外を繋ぐ潤滑油なんですよね。ていねいに心地良く纏うほど、内と外がうまく繋がるし、おざなりにしてしまえば逆に乖離が起きてしまいます。そういう点でもヨガと共通点があると感じています。

鏡を見ないから心身の状態に気づける

――今回のレッスンでは、「鏡を使わない」という共通のルールが印象的でした。その理由を教えてください。

仁美 鏡を前にした瞬間、“うまく纏わなきゃ”という意識が生まれますよね。世の中の正解に近づけようと、自分の外側に意識が向いてしまう。鏡がないことで内側にベクトルが向き、自分だけの正解、心地良さや美しさを探せるようになります。

めぐみ 鏡を見ないことによって、みなさん感覚を研ぎ澄ますようになります。ヨガも本来は外のために心身を整えるものではなく、自分の内側に向かうもの。ポーズができているかどうかが重要ではありません。そういう意味で、私もスタジオには鏡を置いていないんです。

――お話しを伺っていると、ヨガも着付けも技術よりも心の向かう方向が大切なように感じます。

仁美 「着る」ではなく、「纏う」という言葉を、私が使っている所以もそこにあります。ただ着るのではなく、身体感覚に意識を向けて五感を開き、体にも心にも心地良さを纏っていく。

洋服にはいろいろな形があり、着るだけでそれなりの形になりますよね。でも着物は紐や伊達締めを使いながら、自分の体に合わせて調節をしていくものです。毎回、同じ位置に紐を結ぶから、心身の調子がとてもリアルに感じられます。

めぐみ 纏う時間が自分を知るチャンスなんですね。それってヨガにもとても近いです。「今日は体のどこが硬く感じるているかな」と体と対話していくこと。瞑想に入りやすい日もあれば、入りにくい日もあります。自分を知ることが、自分を整える近道になりますよね。

ヨガの気づきが、纏うことで日常に

――お二人でレッスンをされるのは、今回で3回目とのことですが、参加者のみなさんにはどんな変化や反応が見られましたか?

仁美 めぐみさんのレッスンを経てから着物を纏い始めると、みなさん、はじめから自分の中心を意識できていました。だから感覚を掴みやすかったと思います。私はただ、言葉を乗せていくだけで十分。ヨガや瞑想で行ったことを、着物を纏いながらもう一度行うような感じだったと思います。

めぐみ ヨガや瞑想で起きることは、“気づき”。スタジオを出て日常に帰ると、意識もまた外の世界へと戻ってしまいがちです。でも着物の身体性には、一日の中で何度も自分の感覚に戻れるタイミングがあると、仁美さんのレッスンを通して気づきました。

ヨガ、瞑想で自分の軸を取り戻し、着物を纏うことでその状態にいつでも戻れる自分になる。そのことをみなさんも感じられたのではないかと思います。

忙しい人ほど手に入れたい、自分に戻るための方法

――まったく違うように見えるお二人のレッスンが、こうして重なり合う理由がよくわかりました。

仁美 忙しい日常のなかにいると、自分がどういう状態なのかに目を向ける余裕もなくなってしまいますよね。でも着物は纏った後も、自分の感覚に戻れるタイミングが自然に生まれます。それが心と体をつなぐ時間になります。ていねいに纏うことで、ていねいに一日を過ごせる。そんな感覚があると思います。

めぐみ 1日の中に何度も自分を見つめてあげる時間を持てたら、とても素晴らしいですよね。ヨガと瞑想に、着物を纏うことが加わることで、よりていねいにその時間が持てる。今回のコラボレーションで、それがよりクリアに見えました。

仁美 もちろん方法はいろいろあると思います。それを私は着物を通して、めぐみさんはヨガや瞑想を通して、これからも伝えていきたいですね。

原川めぐみ
I PILATES代表。2011年にピラティス スタジオを、東京・駒沢に設立。クライアントに真摯に向き合い、その人らしい輝きを引き出すI_PILATES Method®を実践。コンディショニングピラティス独自のメソッドを体系立て、インストラクターの指導育成も行っている。身体を整え、さらにその先にある思考と心を整える瞑想にシンパシーを感じ、資格を取得。瞑想家として、新たなる活動もスタートしている。

伊藤仁美
着物家。京都の禅寺である両足院に生まれ、日本古来の美しさに囲まれて育つ。長年肌で感じてきた美を、着物を通して未来へ繋ぐことをテーマに活動。20年に渡り各界の著名人への指導やメディア連載、広告撮影などに携わる。主宰する「纏う会」では、古来より受け継がれる技術を軸に、鏡を使わない独自の着付けメソッドを通して、感性を開く唯一無二の着物の世界を提案。オリジナルブランド「ensowabi」を発表するなど、着物の可能性を追求し続けている。

取材・文/福田真木子 撮影/杉原賢紀(小学館)

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