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関西で大ブレーク!新食感で不思議な美味さの京都スイーツ「ふわふわおたべ」

2025.12.23

2025年、京都を中心に密かにブレイクした話題のスイーツがある。その名は「ふわふわおたべ」。「おたべ」と聞くとピンと来る方も多いだろう。

2025年京都でブレイクの新食感スイーツ

京都出身の私は、幼少の頃、「つぶあん入り生八ッ橋~おたべ~」というCMのフレーズが毎朝ラジオから聞こえてきて刷り込まれたように記憶している。

「おたべをおたべ~」なんてオヤジギャグをいう昭和のオヤジも多かったなあ。

私は大学時代、京都に帰省して東京に戻るとき、お土産はいつも「おたべ」。京都土産の定番だ。

そもそも八ッ橋は、米粉・砂糖・ニッキ(シナモン)を主原料にして、煎餅のように焼いた菓子。生八ッ橋はその名の通り、焼く前の生の状態で、何も挟んでいない生地。

「おたべ」は、その生八ッ橋でつぶあんを包んで三角の形にしたものだ。

「おたべ」の発売は1966年。当時画期的な大発明で、京都らしいネーミングもあって大ヒット商品となった。

約半世紀を経て、新たに「ふわふわおたべ」が誕生したわけだが、いままでの「おたべ」とどう違うの? さっそく、京都市の西九条にある「おたべ本館」を訪ねた。

左が「ふわふわおたべ」、右は定番の「おたべにっき抹茶」。

着想から発売まで12年の歳月

「『おたべ』は弊社の登録商標です。メーカーによって異なりますが、弊社での生八ッ橋の定義は、米粉を使用していることとしています。そして三角の形をしているものを『おたべ』と称しています」

と、解説してくれたのは、「おたべ」を製造・販売する株式会社美十・マーケティング部広報課の山盛雅美さん。

美十は人気の「京ばあむ」のメーカーでもある。

「八ッ橋のメーカーの中では弊社が最後発でしたので、長年挑戦をして様々な商品を生み出してきました」

――たしかに記憶をたどると、京都に帰省する度に新しい「おたべ」を見かけたような。真っ黒な黒胡麻やチョコレートのもあったかも。

「京都では『おたべ』を含む生八つ橋関連商品の人気は高いのですが、味や色などを主体とした商品はすでに出つくしており、市場としての飽和も感じていました。

また、若い人の“あんこ”離れやニッキの風味が苦手という方もいらしたり。そこで製品開発担当に加え、デザイン、マーケティング、営業などの若手も一丸となって新商品の開発に取り組みました」

――着想されてから発売まで12年もかかったとか?

「新しい技術と製法を取り入れた新しいお菓子をつくろうとしました。ところがメレンゲを生地に加える製法は当時、アレルゲンへの対応や量産面での課題が多かったのです。

それが月日を重ねて徐々に解消され、さらに12年前にはできなかった『おたべ』の特徴である三角の成形も実現できるようになったのです」

――「プロジェクトX」のようなお話ですね。

「『おたべ』で長年培ったノウハウを生かすため、やはり小豆にこだわり、北海道の契約農家から仕入れて弊社の若狭工場で製造したあんこを使っています。

このあんこと国産バターを掛け合わせた、若い世代にも人気の“あんバター”の採⽤を決めました。あんこは、⽣地との相性を考えて、こしあんにしています」

――和菓子のイメージの「おたべ」に“あんバター”とは驚きです。

「ふわふわした食感の実現のために、餅粉を使用していますが、真っ白な色にもこだわりました。これは、生地はもちろん、パッケージにも白をいかに印象的にデザインするか腐心しました。

売り場で直感的にふわふわを感じて欲しいと考え、生地のやわらかさをパッケージでも表現しています。『ふわふわおたべ』の箱はエンボス加工も施しています」

――徹底的なブランディングですね。これはファンが付きます。

「お土産でいただいた方が食べておいしかったと購入されるケースもあり、おかげさまで売れ行きも好調です。この『ふわふわおたべ』をきっかけに、他の『おたべ』も改めて手に取っていただけるようになると嬉しいです」

「ふわふわおたべ」は生八ッ橋ではない。生地の厚みは、従来の「おたべ」の約2倍!
商品パッケージの中には小豆の生産者からのメッセージカードが。

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