『類は友を呼ぶ』は、似た性質や共通点がある人同士はおのずと集まるという意味のことわざです。古代中国の書物『易経』に由来し、類語には『類を以て集まる』『蛇の道は蛇』などがあります。
目次
「類は友を呼ぶ」の基本的な意味
まずは、『類は友を呼ぶ』ということわざの基本的な意味・由来から、正しい使い方まで解説します。意味を正しく理解し、日々のコミュニケーションに役立てましょう。
■「類は友を呼ぶ」の意味と由来
『類は友を呼ぶ』は、性格や考え方・趣味などが似た人同士は、自然と引き寄せ合うように集まりやすいという意味のことわざです。近年では『類友(るいとも)』と呼ばれることもあり、主に若者言葉やネットスラングとして広まりました。
『類は友を呼ぶ』の由来は古代中国の『易経(えききょう)』とされ、『方は類を以て集まり、物は群を以て分かたる』という一節が元になっているといわれます。
このような易経の考え方が日本にも伝わり、似た者同士が集まる現象を表す言い回しとして、『類は友を呼ぶ』ということわざが広く定着したと考えられています。
特徴は、良い意味でも悪い意味でも使われることです。例えば、明るく前向きな人の周りには同じくポジティブな人が集まりやすく、逆に不平不満ばかり口にする人の周りには、似たタイプの人が集まりやすい傾向があります。
■「類は類を呼ぶ」との違い
『類は類を呼ぶ』という言い方もよく聞かれますが、本来のことわざの形は『類は友を呼ぶ』です。前者はそこから派生した表現と推測されますが、この言い回しが広まった背景にはいくつかの要因があると考えられます。
まず、『類』という漢字自体が『似た者』『同種の者』を表しており、『類は類を呼ぶ』という形の方が直感的に分かりやすいと感じる人が多いのかもしれません。
また、同じ音が続くことで語呂が良くなり、耳に残りやすいという点も、この表現が広く使われる理由の一つと推察されます。
さらに、『類は類を呼び、友は友を呼ぶ』といった類似の言い回しが一部で使われていることも、表現の混同を招く一因になっている可能性があるでしょう。
■「類は友を呼ぶ」の使い方と例文
『類は類を呼ぶ』は、日常会話やビジネスシーンなど、さまざまな場面で活用できます。例えば、職場で趣味の話題になり「私も映画鑑賞が好きなんです」と言われたら、「類は友を呼ぶですね」と返すことで会話がはずむでしょう。
子どもの学校行事などで「うちの子も本が好きで」と共通点が見つかった際にも、「類は友を呼ぶですね」と使うことで親しみが生まれます。
また、「問題児ばかり集まってるけど、あれこそ類は友を呼ぶの典型だね」といったネガティブな使い方も可能です。
「類は友を呼ぶ」の類語

次に、似た意味を持つ代表的な類語を紹介します。微妙にニュアンスが異なるので、正しい使い方を把握して表現の幅を広げましょう。
■「類を以て集まる」「同類相求む」
『類を以て集まる』も中国の古典『易経』を由来としており、似た性質を持つ者が自然と寄り集まる現象を表現しています。
一方、『同類相求む(どうるいあいもとむ)』は、同じような性質・特徴を持つ者同士が、互いに求め合って集まるという意味です。『史記』など中国の古典文献に見られる言い回しで、『同気相求む』とも表現されます。
これらの類語は、微妙にニュアンスが異なります。『類を以て集まる』は、似た性質の者が結果として自然に集まる現象を捉えた表現です。対する『同類相求む』は、同じような者同士が互いを求め合うイメージが、より強い表現と解釈されることが多いでしょう。
■「蛇の道は蛇」「同じ穴の狢」
『蛇の道は蛇』とは、同じ世界に属する者ほど、その道の事情や裏側に詳しいという意味のことわざです。
例えば、特定の業界に長くいる人だけが知っている商習慣や不正の手口など、同じ分野の人間だからこそ理解できる内情がある場面で、『蛇の道は蛇』と表現されます。
『同じ穴の狢(むじな)』は、一見異なるように見える人々が、実は同じような悪事を働いている仲間であるという意味です。狢は『アナグマ』『タヌキ』などを指す古い呼び名で、表面上は違う立場でも実は裏でつながっている同類の関係を例えています。
表向きは別々の会社に所属していながら、裏では不正行為で結託しているような関係を『同じ穴の狢』と表現することがあります。
「類は友を呼ぶ」に関連した四字熟語

似た意味を持つ四字熟語や、似た者同士の関係性を表す関連表現をいくつか紹介します。これらの言葉を知ることで語彙が豊かになり、日常会話やビジネスシーンでのコミュニケーションがより深みを増すでしょう。
■同類相求
『同類相求(どうるいそうきゅう)』は、同じ境遇や性質を持つ仲間という意味の『同類』と、互いに求め合うことを意味する『相求』を組み合わせた四字熟語です。同じ性質や趣味を持つ者同士が、自然と惹かれ合って集まる現象を表します。
必ずしもポジティブな場面だけでなく、悪い仲間同士が集まってしまうようなネガティブな状況にも使われます。類似表現には『同声相応(どうせいそうおう)』があり、似た性質・気質を持つ者同士が響き合うという点で、近い意味で使うことが可能です。
■以心伝心
関連する四字熟語として、『以心伝心(いしんでんしん)』もよく挙げられます。言葉を交わさなくても心と心が通じ合うという意味で、長年の関係性で培われた深い理解・共感を表す四字熟語です。
もともとは禅宗において、師が文字や言葉に頼らず、悟りの心を直接弟子に伝えることを意味していました。『心を以て心に伝える』と読み下し、禅宗の経典『六祖壇経(ろくそだんきょう)』などに見られる表現が由来とされています。
日常生活で使われることも多く、「幼なじみである彼とは、以心伝心といえるほどの間柄だ」といった使い方ができます。ビジネスシーンでも、「チームメンバーは以心伝心のコンビネーションで活躍している」などと表現できるでしょう。
「類は友を呼ぶ」の英語表現

『類は友を呼ぶ』という普遍的な人間関係の法則は、さまざまな言語で表現されています。ここでは、代表的な英語表現と使い方について見ていきましょう。
■「Birds of a feather flock together.」
英語表現としてよく知られているのが、『Birds of a feather flock together.』というイディオムです。直訳すると『同じ羽毛を持つ鳥は一緒に群れる』という意味で、同種の鳥が自然と群れをなす習性から生まれた表現です。
例えば、以下のように使えます。
- She started a hiking group, and soon every outdoor enthusiast in town showed up – birds of a feather flock together.(彼女がハイキンググループを作ると、町中のアウトドア好きが次々と集まってきた。まさに類は友を呼ぶだ)
状況別に見る「類は友を呼ぶ」

『類は友を呼ぶ』という現象は、私たちの日常生活のさまざまな場面で見られる、人間関係の特徴の一つです。なぜ似た者同士が引き寄せられるのか、その理由や影響を具体的な状況ごとに見ていきましょう。
■恋愛
恋愛では、『似た者同士が惹かれ合う』と感じる女性も少なくないといわれます。例えば、高収入や容姿の良い相手に憧れていても、結果的には育ち・学歴・職業・趣味などが近い相手と、カップルになるケースも珍しくありません。
価値観を共有しやすく、お互いの考えや生活スタイルを理解しやすいことが、その一因と考えられます。特に育った環境や地域が大きく異なる場合、食の好みなど日々の生活習慣に違いが出やすくなるでしょう。
恋愛の段階では気にならなくても、結婚後は日常生活の質に直結するため、嗜好・生活習慣が大きく異なるカップルほど、より多くの努力・歩み寄りが必要になるといわれています。
■心理・行動学
心理・行動学の分野では、この現象は『類似性の法則』として説明されることがあります。類似性の法則とは、人は自分と似た性格や価値観、経験を持つ相手に、自然と好意・魅力を感じやすくなる傾向のことです。
この現象が起きる理由の一つは、自分と似た相手とは考えや感情が共感・理解されやすく、その結果として安心感・心地よさを得やすいからだと考えられています。
例えば、同じ趣味を持つ人同士では会話がはずみやすく、価値観が近い人とは摩擦が少なく安定した関係を築きやすいなどです。
心理学的な視点から見ると、身の回りの人間関係は、自分自身の価値観・行動パターンを映し出す『鏡』のような役割を果たしているともいわれます。自分と似た性質を持つ人ほど好意・親近感を抱きやすく、結果的に周囲に集まりやすい傾向があるとされています。
『類は友を呼ぶ』は、さまざまな場面で使えることわざ

『類は友を呼ぶ』は、似た者同士はおのずと集まるという意味のことわざで、『類は類を呼ぶ』と混同されることもあります。恋愛や心理学でも、『類似性の法則』として知られています。
類語は『類を以て集まる』『同類相求む』などで、関連する四字熟語は『同類相求』『以心伝心』です。それぞれの言葉のニュアンスの違いや使い方を正しく理解し、日常会話やビジネスシーンで使ってみましょう。
構成/編集部







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