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いよいよ2025年が終わり、2026年の新年を迎える。年末年始には帰省、旅行などでレンタカーを借りる人も多いはずだが、初めてレンタカーを借りる、久しぶりにレンタカーを借りるという場面を含め、いくつかの注意点がある。

借りやすい場所にあるレンタカー店を利用する

レンタカー会社の大手は、駅や空港の近くなど、旅先で借りるケースでは便利でも、家からの出発時に便利な場所にあるとは限らない。予約する際は、家から歩いて行ける、バスなどで行けてそこから至近の場所にあるレンタカー会社の営業所を選びたい。家から荷物を持ってレンタカーを借り、そのまま出発するケースでは、帰り(レンタカーの返却時)の便も考えて、アクセスのいいレンタカー会社の営業所をお薦めする。出発前日に借りて、帰って来た翌日に返却するような場合は別だが・・・。ちなみに、レンタカー会社には大手と格安の2つが存在するが、格安レンタカー会社のほうが、住宅地の至近に営業所を構えているケースもあったりする。

カーシェアとレンタカーはどう違う?

最近はタイムスのカーシェアなど、レンタカーとは違う形態のクルマのレンタルがある。カーシェアは15分単位で利用でき、ガソリン代も不要。つまり、短時間の利用(来るのを所有していない人がホームセンターで大きな荷物を買うときなど)には適していて効率的なのだが、時間だけでなく走った距離も加算される料金体系のため、ロングドライブの利用には不向きと言っていい。とはいえ、カーシェアはいつも利用するショッピングセンターなどでも借りられるから、借りる、返す・・・便利さでは優位かも知れない。

タイムスカーシェアの場合、ミドルで時間料金は330円/15分、72時間まで18700円(以後1日毎6600円)。距離料金は20kmを超えてからの走行距離に対して20円/kmなどの料金が加算される。安心保障サービスとして事故時のNOC(ノン・オペレーション・チャージ=故や盗難、汚損などによってレンタカーの修理やメンテナンスが必要になった場合に生じる営業補償のことで、休業休車補償料とも言い変えられる)、加入料金550円/利用があり、事故時のNOC、タイヤの実費に加え、バッテリーあがり、キーのインロック、ガス欠、それに関わる搬送(レッカー等)の費用が免除になる。これはレンタカーでも、免責保証とともにぜひ、加入しておきたい。

格安レンタカーは大丈夫?

今、あちこちにある格安レンタカー会社は、大手レンタカー会社より安い料金で同クラスのレンタカーを利用できることもある。ただし、古めのクルマ、距離の伸びたクルマ、グレードの低いクルマも含まれているため、新たしい車種に乗りたい、新車を検討しているので試乗を兼ねて借りたい・・・というケースには不向きかもしれない。筆者の家から歩いて行ける格安レンタカー会社では、ボディサイドに大きくレンタカー会社のロゴが入っている、借りるのはちょっと恥ずかしいコンパトカーばかりであった。また、基本料金が安さではなく、総支払額をチェックしたい。格安レンタカーではナビの貸し出しが別料金だったり、免責補償料金が大手レンタカー会社と異なるケースもあるのでしっかりと確認を。ナビ、ETCなどの装備、保険内容を含めた総支払額で、大手レンタカー会社と料金比較するべきだろう。※格安レンタカー会社でも最新のクルマを用意しているところもある。

駅、空港でレンタカーを借りるときのチェックポイント

目的地近くまで電車、新幹線、飛行機で行き、駅、空港からレンタカーを借りて目的地までドライブする、という旅先でレンタカーを借りるケースでは、借りだし時、駅、空港まで迎えに来てくれる、返却時、駅、空港まで送ってくれるレンタカー会社を選びたい。最近の駅、空港最寄りのレンタカー会社の営業所は、どんどん駅、空港から離れている傾向にあり、自分たちでレンタカー会社の営業所まで歩いていくのは、荷物もあり、けっこうやっかいだからだ。もっとも、駅近、空港の目の前にあるようなレンタカー会社の営業所であれば、送迎なしで問題ないだろう。羽田空港でニッポンレンタカーを借りる場合、到着ロビーにカウンターがあり、そこで手続きし、店舗まで送迎してくれる(送迎車の状況により、空港~店舗間はタクシーまたは電車にてご移動をお願いする場合もあり)。返却時には店舗に返却後、空港まで送ってくれるサービスがある。

年末年始のレンタカー利用では返却時に余裕を持ちたい

年末年始はどこも渋滞がつきもの。レンタカーを借りて実家に行く、ホテルに行く・・・という往路は、マイカーと同様、渋滞に巻き込まれても、到着時間が遅くなるだけで済む。しかし返却時に、渋滞に巻き込まれて返却時間に間に合わないと、追加料金が発生するなど、出費がかさむ。返却時はかなり余裕を持ったスケジュールが不可欠だ。

車載装備の確認は不可欠

レンタカーを借り、見知らぬ土地を走るのであれば、ナビはあったほうがいい(スマホのナビ機能を利用するのであればそれでもOK)。また、高速道路を利用するならETCの搭載も欠かせない。利用料金が30%ぐらい安くなるからだ。ただし、格安レンタカー会社ではどちらもオプションのケースがほとんどだ。そして積雪、凍結路が予想される場合は、予約時にスタッドレスタイヤ装着の予約も忘れずに。営業所に着いて、積雪、凍結路の心配からスタッドレスタイヤを要望しても、まず、叶わない。

希望車種があるならその自動車メーカーのレンタカー会社を利用したい

例えば、トヨタのミニバンを借りたい、日産の軽自動車を借りたい・・・といった希望があるなら、トヨタ、日産系のレンタカー会社をあたるのがベスト。当然、自社の新しい車種がレンタカーとして揃っていて、グレードはともかく、目当ての車種が借りられる可能性はもっとも高い。自動車メーカー系のレンタカー会社は試乗→新車購入の目論見、意味もあって、新型車の用意も早いというわけだ。例えば、トヨタレンタカーでは、料金はともかく、トヨタ86、GR86、GRヤリスといったスポーツカー、スポーティカーのSP1クラスもあり、憧れのアルファード、ヴェルファイアの最新モデル(旧型もあり)もW3クラスとして揃えているのである(すべての営業所にあるわけではない)。

コンパクトで低料金でも荷物がたっぷり入るレンタカー車種とは?

レンタカー料金を節約したいから、料金的にコンパクトカーや軽自動車を借りたいのだが、大きな荷物があるから心配・・・というケースでも心配なし。軽自動車でもスーパーハイトワゴンと呼ばれるホンダN BOX、日産ルークス、ダイハツ・タントといった、後席がスライドでき、荷室の奥行きを自在に変えられる(伸ばせる)車種を選べば、後席の驚くほどの広さとともに、荷物もしっかりと積むことが可能だ。ニッポンレンタカーではK-BクラスにN BOXなどが用意されている。スズキ・ソリオやトヨタ・ルーミー、ホンダ・フリード、トヨタ・フリードといった大容量コンパクトカー、コンパクトミニバンも5名乗車までなら(コンパクトミニバンは3列目席格納)かなりの荷物を積み込むことができる車種と言っていい。自動車メーカー系レンタカー会社で取り扱い豊富なハイブリッドモデルなら燃費性能や快適性にも優れている。

ホンダN BOX
ホンダN BOXの荷室(後席格納時)
スズキ・ソリオ
スズキ・ソリオの荷室

ペットを乗せて利用する際はペット同乗可のレンタカーで事前予約(申告)を忘れずに

レンタカーにペットを同乗させる場合は、事前の予約が必要になる。ニッポンレンタカーでは同乗できるペットは70cm × 90cm × 75cmのケージ、キャリーケースに入る、体重10kg程度までの犬と猫が対象と定められていて(車種による)、ペットを乗せられるのは車両のラゲッジスペースおよび後部の床。営業所で渡されるシートの上に、ケージ、キャリーケースごと乗せて利用。車内でのペットの開放はご遠慮ください・・・となっている。ペット同乗サービス料金は1貸渡しにつき550円。ただし、著しい汚損・残臭が認められ修理・消臭等が必要な場合は、修理・消臭等実費と期間中の営業補償の一部(NOC)として、別途20,000円が請求される。なお、カーシェアではペット同乗NG。レンタカーのペット同乗予約では、必ずペットを同乗させることを申告し、予約したい。

免責保証とNOC(ノン・オペレーション・チャージ)はぜひ加入を!!

慣れないクルマ、慣れない道を走ると、普段から運転していないドライバーはもちろん、運転慣れしているドライバーでも、不測の事態が起こる可能性は捨てきれない。そこで免責保証とNOCの加入(支払い)は不可欠だと考える。料金はセットで1日1600~2000円ほどだが、何かあった場合、その100倍以上の請求もありうるからだ。ただし、NOCは警察へ事故報告しなかった場合、酒気帯び運転、出発時に運転者として申請していない人の事故、車内にキーを置き忘れたなどの不注意による盗難などでは補償の対象外になるので要注意である。

それでは、この年末年始、快適で安全・安心なレンタカーライフを!!

文/青山尚暉

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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