Reno Aシリーズといった、コストパフォーマンスの高いミドルクラスのスマホが人気のOPPO(オッポ)が、ハイエンドモデル「OPPO Find X9」を発表。
最新のチップセットに加え、ハッセルブラッド監修カメラや7025mAhの超大容量バッテリーを搭載し、おサイフケータイ機能も利用できるなど、全部乗せのフルスペックモデルとなる。
公式ストアでの販売価格は14万9800円。MNOとしてはauで取り扱われるのに加え、ソフトバンクがSIMフリー端末をオンラインショップで販売する「SoftBank Free Style」でも展開される。
最新ハイエンドチップ採用で便利なAI機能「AIマインドスペース」を搭載
ハイエンドモデルらしく、搭載チップセットは「MediaTek Dimensity 9500」。日本で発売されるスマホとしては、初搭載のチップセットとなる。
前世代のDimensity 9400と比較すると、CPUが32%、GPUが33%、NPUが2倍に高速化しており、フラッグシップモデルに恥じない高性能が売りとなる。
新たなAI機能として注目なのが「AIマインドスペース」。本体左側面に搭載されるSnap Keyを押す、もしくは3本指で上方向にスワイプすることで、画面上の情報を記録し、AIがまとめて管理してくれる。
メールに届いた仕事の内容、友人と行く予定のお店の情報など、さまざまなデータを一箇所にまとめられ、要約してくれるため、後から見返したいデータは、とりあえずSnap Keyを押しておけばいい。
「この前見た飲食店、どのアプリから見つけたんだっけ」と、アプリをまたがって情報を探しに行く手間が省け、まさにスマホをAIエージェント的に活用できる機能となる。
Snap Keyを長押しすれば、音声データとして情報をAIマインドスペースに保存しておくことも可能。画面上のデータだけでなく、ふと思いついた内容をAIに丸投げしておけるというわけだ。
7025mAhの超大容量バッテリーを搭載
OPPO Find X9の大きな魅力がバッテリー性能だ。近年のスマホにおいて、大容量バッテリー搭載と謳われるモデルは、5000mAhから6000mAh程度のバッテリー容量を搭載することが多いが、本機には7025mAhのバッテリーが搭載されている。バッテリー持続時間は非常に長く、4K 60fps Dolby Vision動画撮影でも、5時間以上持続するという。
また、80Wの急速充電、50Wの急速ワイヤレス充電にも対応する。前モデルにはなかったが、今回は80W充電対応の急速充電器が同梱されるのもありがたい。ソフトウエアでの制御も行っており、マイナス20度の環境でもバッテリーに問題なく動作するとのこと。また、ゲームモードでは、端末に直接給電する「バイパス充電」にも対応している。
そのほかのハードウエア面も見ていこう。ディスプレイは約6.6インチの有機ELで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応。画面の縁(ベゼル)が4辺全て1.15mmと細く、没入感の高さが魅力だ。画面輝度は最大1800ニトだが、最低1ニトまで暗くすることができる。
明るい場所では、もはや画面が付いているのかわからないほどの暗さになるが、夜間に眩しいディスプレイを見たくないけど、少しスマホを触りたいといったシーンでは使いやすいはずだ。
背面デザインは前モデルから刷新され、カメラが上部左側に寄せられた格好となる。さらっとした手触りで、指紋の付着もあまり目立たない素材感が心地よかった。
前面、背面の両方にCorning Gorilla Glass 7iが採用されており、SGSの耐衝撃テストをクリアするほどの耐久性。防塵防水性能はIP68、IP69に準拠するなど、耐久面にも余念がない。
ハッセルブラッド監修のカメラは「目で見た色温度」の表現に注力
アウトカメラは広角、超広角、望遠がそれぞれ約5000万画素。加えて約200万画素のマルチスペクトルカメラを搭載する。前モデルと同様、ハッセルブラッド監修のカメラとなっており、独自のXPANモードで、特徴的なフィルターを設定することもできる。光学ズームは3倍、デジタルズームは最大120倍に対応する。
約200万画素のマルチスペクトルカメラは、主に写真の色温度を表現する際に活躍する。従来のスマホカメラは、光源が複数ある場合に、一方の光を基準としてからホワイトバランスを調整するため、色表現に偏りが生まれがちだが、OPPO Find X9では、画像を48分割して認識し、それぞれに適した色温度の表現を施すため、目で見た色味に近い表現ができる。
また、従来高度な画像処理には時間がかかるが、CPU、GPU、NPUが並列に処理を行うことで、画像処理の時間が大幅に短縮されており、バッテリーの消費も抑えられるようになっている。
おサイフケータイ対応&アップル製品との連携力も魅力
OPPO Find X9の大きな特徴は、FeliCaを搭載し、おサイフケータイ機能に対応した点だろう。前モデルのOPPO Find X8が日本で景気よく売れたこともあり、今回はOPPOとして悲願となる、ハイエンドモデルでのおサイフケータイ対応に至ったという。
OPPO端末の展開を日本で行う、オウガ・ジャパンの専務取締役である河野謙三氏は、「昨今、スマートフォンの機能が増えているし、複雑化している中で、現代のスマートフォンに求められるものは何か、スマートフォンとしての原点に立ち返った再定義を行った。
OPPO Find X9は、安心して使ってもらえることが一番のキーポイント。業界の水準を超えるような安全性の試験、AIに関するセキュリティ、使い心地もそうだが、それに加えて、安心して使ってもらうためには、FeliCaの有無が大事。使わない人でも、いつか使う機会があるかもしれない。バッテリーも優秀なので、長く安心して使ってもらえる」とコメントしている。
初期搭載OSは、AndroidをカスタムしたColorOS 16。スムーズや動きや自由度の高いカスタマイズ性に加え、「O+ Connect」機能を使うことで、iPhoneとAirDrop風にデータの共有をしたり、Macの画面にOPPO Find X9の画面を投影するといった使い方ができる。
「Pro」はなくても期待したくなる完成度のOPPO Find X9
昨年に引き続き、中国やグローバルで発売されている「Pro」モデルは、今回も日本市場に投入されなかった。河野氏は「スペックだけでなく、価格などからも、OPPOのハイエンドが欲しいと言ってくれる人が、一体どのモデルを求めているのかを検討した」としている。
大画面で、よりカメラ性能の高いProモデルの非採用は、個人的に残念なポイントではあるが、発表会で試した感触としては、OPPO Find X9の完成度には非常に期待ができる。
質感もよく、握りやすい本体デザインや、ハッセルブラッド監修のカメラ、超大容量バッテリーに加え、おサイフケータイにも対応するなど、物足りないと感じる要素はほぼないといっていいだろう。
加えて、今回はauでの正式な取り扱いや、SoftBank Free Styleでの採用など、通信キャリアにまで販路が広げられているのがポイントだ。より多くの人の目に触れ、「OPPOといえばミドルクラス」という強いイメージが、ハイエンドモデルの優秀さに移っていき、より知名度を伸ばしていくことにも期待したい。
取材・文/佐藤文彦
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