コロナ禍で一時的に停滞していた忘年会・新年会。コロナが5類移行後してから3度目ともなると、もはや日常が完全に戻ったと言っても過言ではないだろう。では、参加スタイルや予算感など今年の忘年会・新年会の状況はどうなっているのだろうか。
リクルートの外食市場に関する調査・研究機関『ホットペッパーグルメ外食総研』は、今年度(2025年12月~2026年1月)の忘年会・新年会(以下、忘・新年会)についての消費者アンケートを実施したので、結果を紹介しよう。
今年度の忘・新年会への参加回数は昨年度より増加見込みの人が9.2%
今年度(2025年12月~2026年1月)の忘・新年会への参加回数の見込みは、3圏域計で「昨年度と変わらない」との回答が86.8%、「昨年度より大きく増えそう」「昨年度よりやや増えそう」の“増加派”は計9.2%(前年同調査では12.7%)。
「昨年度より大きく減りそう」「昨年度よりやや減りそう」の“減少派”は計4.0%(前年同調査では3.2%)で、増加派が減少派を上回った。
増加派の割合は前年に比べ減少したものの、減少派の割合を上回ることから、引き続き回復傾向となりそうだ。
性年代別では、20代男性は増加派が19.7%と最も割合が高く、一方で60代男性は減少派が6.8%と最も割合が高かった。
また、平均参加回数(実績)は、忘年会(2023年度0.59回→2024年度0.63回)、新年会(2023年度0.31回→2024年度0.34回)ともに増加傾向であり、この点からも今年度も回復が見込まれる。
今年度(2025年12月~2026年1月)の忘・新年会への参加回数の見込み(単一回答)
今年度の忘・新年会への参加回数見込みについて、外食で行う場合とオンライン開催で行う場合の参加方法別に集計。
「外食」では、「昨年度より大きく増えそう」「昨年度よりやや増えそう」の“増加派”は計8.7%、「昨年度より大きく減りそう」「昨年度よりやや減りそう」の“減少派”は計3.6%と、増加派が減少派を上回った。
忘・新年会全体と同様に、伸び率は鈍化しているものの、今年度も増加派が減少派を上回ることから、外食での忘・新年会も回復傾向となりそうだ。
一方、「オンライン開催」についても、増加派が減少派をやや上回っており、昨今の宴会スタイルとしてある程度定着したことを示唆している。
今年度(2025年12月~2026年1月)の忘・新年会への参加回数見込み[参加方法別比較](全体/単一回答)
忘・新年会予算(1回当たり)の想定は5,004円(前年比+108円)と初の5,000円台を記録
忘・新年会の予算について、昨年度実際に使った金額(参加費)と今年度の想定予算(想定額)を尋ねたところ、想定予算では、1回当たり「5,000円~6,000円未満」(37.2%)が最も多く、2015年度以降の参加費の同価格帯では最も高い割合となっていた。
次いで「3,000円~4,000円未満」と「4,000円~5,000円未満」が同率で15.1%と続いている。
今年度の平均想定予算は5,004円(前年比+108円)。3桁の増額予測で、4年連続して過去最高の想定額となり、今年度は初の5,000円台を記録した。
昨年度の忘・新年会では、実際の参加費(平均4,993円)は想定額(平均4,896円)よりも高かったが、実際の参加費は2012年度の調査開始以来の最高額で初の5,000円台となった2023年度よりは低くなっている。
例年、想定額よりも実際の参加費の方が高くなる傾向があるが、今年度の参加費が調査開始以来2度目の5,000円台を記録するかに注目したい。
忘・新年会の1回当たりの参加費(支出実績)と想定予算(想定額)(2015年度忘・新年会~2025年度忘・新年会、実数回答)※想定額は参加する機会がありそうな人の回答、参加費は参加者の回答
「会社・仕事関係」の忘・新年会の参加予定は34.5%。最高は男性40代で48.1%
今年度、参加する機会がありそうな忘・新年会の相手を尋ねた。ここ3カ年は「会社・仕事関係」の割合が最多割合(今年度34.5%)となっており、昨年度32.7%より増加し、コロナ禍から順調に回復している。
ただし、下記の表にはないがコロナ禍前の2019年度の「会社・仕事関係」(45.1%)と比べるとまだ差はあり、感染症とは無関係の社会の構造変化(働き方改革等)や健康志向等にも影響を受けていると考えられる。
「会社・仕事関係」に次いで、「友人・知人関係」(23.1%)が高いが、昨年度(24.5%)、23年度(27.4%)からは減少が続いている。
性年代別では、男性40代で「会社・仕事関係」の割合が48.1%で最も高い一方、女性の50・60代は他の性年代に比べ「会社・仕事関係」の割合が顕著に低い。
参加する機会がありそうな忘・新年会の相手(2023年度~2025年度)(複数回答)
調査概要
調査名:外食市場調査(2025年10月度)
調査方法:インターネットによる調査
首都圏、関西圏、東海圏における、夕方以降の外食および中食のマーケット規模を把握することを目的に実施した調査(外食市場調査)の中で、昨シーズンの忘・新年会についての実績や、今シーズンの意向などを聴取。2012年~2024年(それぞれ10月)に続き、14回目の調査。
調査対象:首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)、東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)に住む20~69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
関連情報
https://www.hotpepper.jp/ggs/
構成/Ara







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