書籍『ほったらかしで年間2000万円入ってくる超高配当株 投資入門』が話題沸騰。
元消防士の「かんち(@kanti990)さん」にインタビューを敢行しました。
まずは、@ DIMEの読者向けに、何からはじめたらいいか、ご自身はどういった業種の個別株投資から始めたのか深掘り調査しました。
かんちさんの株遍歴は鉄鋼株からだった!?
――投資を何からはじめていいのか迷っている人もいると思います。かんちさんは最初から個別株へ投資されていましたか?
最初から個別株でした。何も考えず、父が言うように鉄鋼株を買っていました。
――鉄鋼株ですか!
はい、住友金属工業や日本鋼管、新日鉄などですね。今は統合されて社名が変わっていますけど……(現在では日本製鉄(5401))。
理由は小資金で買えるからです。当時は、1,000株単元が普通で、私は20代の頃だったので資金力もそこまでなく、それしか買えなかったというのもあります。
鉄鋼業界は不況で、株価は2ケタ。80円とか95円でした。※1,000株買っても8万~9万5,000円
――お父様みたいに身近にアドバイスしてくれる人がいたのは強かったですね。「鉄は国家なり」と聞いたことがありますが、当時は製鉄業が盛んだったのかなと思いました。これって、今でいうと「トヨタ自動車(7203)買っておけ」みたいなスタンスで合っていますか?
はい、あってます。つぶれずに稼ぎ続ける会社の銘柄を買えということですね。今だと、NTT(9432)だと100株2万円弱で買えますし、「つぶれずに稼ぎ続ける会社」であり、「割安銘柄」でもあるので、よいかもしれません。
――かんちさん、一番はじめに買った銘柄は何か記憶していますか?
日本鋼管(現在のJFEホールディングス(5411))と住友金属工業、新日鉄ですね。
――なぜそれを買ったのか記憶にありますか?
私が買った当時は、大手鉄鋼銘柄は安定した配当を出す銘柄と言われていたんです。バブル崩壊などもあり、今は少し変わっていますが。なので、今だと初心者が買うべきは、「連続増配の高配当銘柄」だと思います。
かんちさんからのアドバイス:初心者が買うべきは「連続増配の高配当銘柄」。
――今でもその鉄鋼株は保有していますか?もし保有し続けたら株価はかなり高くなっているのでは……?
鉄鋼株はバブル景気の時に売却してしまいありません。その後にJFEホールディングス(5411)は買って、今も保有しています。
少しずつポートフォリオの中身も入れ替わっていて、当時のまま保有しているのは商社株くらいですかね。
丸紅(8002)は、買ってから、かなり長い間放置しています。現在は、600銘柄を保有する、いわゆる分散型のポートフォリオなのですが、トータルの含み益は3億位だと思います。
――投資歴が長いので、長く保有することでどのくらい利益があるのか興味がありました。「ほったらかし投資」で、含み益3億くらいですか!!(唖然)
かんち流「貯株(ちょかぶ)」のすすめ
――かんちさんの著書、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる超高配当株 投資入門』では、「貯株」をすすめています。ゆるやかでも経済成長によって、株価が2倍3倍になり、株式分割を行っている銘柄もあると思います。投資の先輩に聞きたいのは「ずっと保有していると株価は上がる」かどうかです。実際どうですか?
私がずっと持っていて、株価上昇を感じるのは中部地区の銘柄です。これは、まあ、株主総会に行くため保有していようとか、株主優待が来るから売らずに保有しようと思っているとかなんですが、それだけでも、意外と上がりますよ(笑)。
例えば、KeePer技研(6036)(株価3,570円、最低投資額35万7,000円)。※株価は以下すべて2025年12月15日終値
こちらは、上場した後に行われた名証IR(名古屋証券取引所が主催する IR イベント)で買いました。買値は380円で、現在、株価は3,500円以上をつけているので、あと少しでテンバガーですね。
配当利回りは1.68%ですが、買い値からすると高配当なので途中で下がっていても売らずに保有しています。
また、ユー・エス・エス(4732)(株価1,734円、最低投資額17万3,400円)も優秀ですね。
こちらは、買値765円で10年以上保有しています。
中古車オークションの会場運営をしている会社ですが、好財務です。こちらは年間配当利回り3%近くあります。
ユー・エス・エスの株主総会では、ケーキが出た時もありました。モンシェールのもので、これがおいしい。2025年では同じくモンシェールの「堂島ロール」が株主総会のおみやげでしたね。
このほか、中部地区は飲食業が優秀です。ブロンコビリー(3091)(株価3,925円、最低投資額39万2,500円)や物語コーポレーション(3097)(株価4,405円、最低投資額44万500円)などはかなりの上昇率ですね。
ブロンコビリーも15年以上前に買い、その頃、1,000円くらいでしたね。途中、私は売買も繰り返していますが、現在の株価は3,900円以上。売買をしない人でもある程度の利益は出ているはずです。
物語コーポレーションも15年以上前に買ったことがあり、最初は500円位でしたね。その後何回か売買して、現在の買付額としては3,268円です(それでも現在の株価は4,000円以上なので利益が出ている)。こちらもブロンコビリー同様、売買を頻繁にして、キャピタルゲインもいただいています。
――すごいですね、物語コーポレーションのチャートはほぼ右肩上がりなので、購入して保有しているだけで、ほとんど全ての人が含み益になっている状態……。売買でも、ほったらかし投資でも、どちらでも利益が出ている……。
@ DIME読者に向けたアドバイス!「まずは入金力を上げるべし」

かんちさんの家庭菜園で採れたスイカ。大豊作!
――かんちさんは、株主優待で生活費を抑えているほか、家庭菜園を楽しみながら食費を抑えるなど、Xを拝見していると、とても豊かな生活を送っていると思います。
資産が少ないうちは、やはり入金力を上げるのがいいと思います。そのためには節約はかかせません。節約との相性がよい株主優待銘柄への投資を併用すると、さらに節約ができて、結果、たくさん入金できて、資産形成が楽になります。
1ポイント1円で使える株主優待でお寿司。お金を払わずに外食できる。
――なるほど!最初は節約して入金し、株主優待銘柄を買うとしても、その株主優待銘柄を使うことで節約ができ、入金力がアップするということですね。投資に回せる金額がどんどん増えるというわけですか!
そうです。株主優待銘柄は、節約と相性が本当にいいですね。
――かんちさんは「49歳のときに株式投資で資産2億円を築いて早期退職」し、FIREされています。最近ではブラック企業もあると聞きますし、憧れている人も多い気がします。
私が思うのは、仕事にストレスがなくて仕事自体が楽しい場合は、やめなくてもまったく問題ありません。ただストレスを感じて精神的に苦痛を感じるようなら、出来るだけ早く環境を変えたほうがよいです。その時に、投資などでの資金があると、取れる選択肢がかなり広がります。
お金があることで、完全なリタイアに限らず仕事をいったんやめてみるとか、週に3回だけ行く仕事に変えてみるなどという方法もできるわけですから。まあ、仕事には何かしらのストレスがかかるのは間違いありませんが。
資産が増えれば増えるほど、「仕事を続けなくては」というストレスを感じることが少なくなる気がします。やめるにしても最適のタイミングでやめられるはずです。
――ありがとうございます!
資産が9億5000万円になった、個人投資家のかんちさん。憧れる人も多い凄腕投資家さん、質問にとても丁寧に答えていただけました。貴重な若い頃の話、売買をせず「貯株」でも含み益があることまで教えていただき、読者の心にも刺さったのではと思います。
かんちさんのインタビューは、銘柄選定編として第2弾も予定!お楽しみに……。
文/谷口久美子
【投資家インタビュー】毎日コツコツS株投資!年間配当150万円を達成したみぎてにじゃらじゃらさんの投資術
Xでのハンドルネーム「みぎてにじゃらじゃら(@migitenijara)さん」は、40代のサラリーマンで2人のお子さんを育てる男性。DIME読者にかなり近い年代…







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