実写映画化の第1弾として『ビー・バップ・ハイスクール』が1985年12月14日に劇場公開
1983年から2003年まで「週刊ヤングマガジン」(講談社)にて連載されたきうちかずひろ氏のマンガ「BE-BOP-HIGHSCHOOL」。主人公のツッパリ留年高校生コンビの主人公ヒロシ(加藤浩志)とトオル(中間徹)が、ケンカや恋に明け暮れる姿を、従来の不良漫画とは全く異なった角度から描いたことで注目を集めた。
そんな原作の実写映画化の第1弾として『ビー・バップ・ハイスクール』が1985年12月14日に劇場公開されると、爽やかで硬派なビー・バップ旋風を巻き起こして、こちらも大ヒットを記録。1988年までに全6作が制作される人気シリーズとなった。

というわけで、映画『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)の劇場公開40周年という記念すべき2025年に合わせ、2025年12月13日~14日の2日間にわたり、多くのシーンで撮影ロケ地となった静岡県静岡市清水区(旧静岡県清水市)で『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズにちなんだイベント『清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭』が開催された。

イベントの開催初日となる12月13日には、「清水駅前銀座商店街」でオープニングセレモニーが行なわれ、『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズでトオル(中間徹)役を演じた主演の仲村トオルが登場。
集まったファンを前に俳優デビューを飾った本作のへの想いや、撮影当時の思い出などを語った。
以下、当日の模様をダイジェストでお伝えする。
オープニングセレモニーにトオル(中間徹)役を演じた仲村トオルが登場
オープニングセレモニーでは開会にあたり、『清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭』の実行委員長を務める清水駅前銀座商店街理事長の松岡夏樹氏が登壇。
「“昭和100年”の今年、『昭和の良き清水を取り戻そう』ということで、清水駅前銀座商店街はもちろん、清水の街全体の賑わいと笑顔あふれる人々を創出するきっかけになればと願っております。清水がロケ地でもある、上映40周年を迎えた映画『ビー・バップ・ハイスクール』出演者の仲村トオルさんをお迎えして、みなさんと一緒に2日間楽しみたいと思います」と開会を宣言した。

続いて、『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズでトオル(中間徹)役を演じた仲村トオルが、盛大な拍手に迎えられてステージに登場。会場に詰めかけた約300人のファンを前に、本作の聖地・清水に凱旋した仲村は、観客から「おかえりなさい!」と声が飛ぶと「ありがとうございます!」と笑顔。
「40年前にデビューした映画で、この街のみなさん、清水のみなさん、多くの会社の方々に、とてもお世話になりました。中間徹役を演じた仲村トオルです。今日はよろしくお願いします」と挨拶した。
■セレモニー会場の「清水駅前銀座商店街」は自身にとっても思い出深い場所
仲村は、まずシリーズ1作目『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)の劇場公開から40周年という記念すべき節目に聖地・清水でイベントが開催される気持ちを聞かれると、「最初はこの『高校与太郎祭』というタイトルを聞いて『清水のみなさん、いいんですか?このタイトルで…』と思いました。市役所の方々、教育委員会の方々、警察の方々はこれでいいと言っているんですか?と(笑)」と冗談めかして心境を吐露。続けて、「『これでいい』と聞いて……40年も前の映画のことをこんなに皆さんが好きでいてくださって、本当にうれしいですね」と思いを語った。

セレモニー会場の「清水駅前銀座商店街」は本作の撮影が行われたロケ地として数多くのシーンに登場するが、仲村自身にとっても思い出深い場所。仲村は「40年前の『ビー・バップ・ハイスクール』に出演する前は、俳優の仕事は全然やっていなくて、ただの大学生でした。だから初めての地方ロケ場所だったんです」と撮影当時を回顧。
さらに、「今も残っているみたいですけど、駅前の清水シティホテルに泊まって、地元のようにここをうろうろしていました(笑)。ご飯を食べたり、すでに20歳になっていたのでビールを飲んだりもしましたね」とエピソードを明かし、観客を沸かせた。
■「いまだに僕が俳優をやっていられるのは、この街のみなさんのおかげ」
当時まだ学生だった仲村にとって、本作は俳優デビューを飾った作品。1作目の公開当時の反響は衝撃的だったようで、「人生を良い方に大きく変えてくれた作品で……。もちろんそこには、この街の方々、この街の会社の方々の素晴らしい協力があって。おかげさまでたくさんのお客さんが入って、そのあと5本、全部で6本が作られることになったんですけど、本当に自由にやらせてくださいました」としみじみ。
続けて、「いまだに僕が俳優をやっていられるのは、この街のみなさんのおかげもかなりある、と思っています」と話すと、会場からは大きな拍手が巻き起こった。
さらに、イベントを盛り上げるべく、静岡市長の難波喬司氏が応援に駆けつける場面も。登壇した難波市長は「今日だけは、臨時で“清水市長”です。よろしくお願いします」とユーモアを交えて挨拶すると、会場を見渡して「街は時代と共に変わります。今はクルーズ船がいっぱい入ってきてくれていますが……やっぱり、この賑やかさをまた取り戻したい」と意気込みを表現。
「この昭和の雰囲気が、すごく良いんですよね。徹底的に昭和で勝負する、というのも1つの方法ですから、今日は楽しくなりそうです。仲村さん、本当にありがとうございます」と感謝を述べると、仲村も「呼んでいただいてありがとうございました」と市長との対面を喜んだ。

終盤には、会場に詰めかけた大勢のファンとの記念撮影も行われた。最後に、集まった観客への言葉を求められた仲村は、「40年前に僕自身の人生を良い方向に変えてくれた『ビー・バップ・ハイスクール』という映画を、40年経ってもまだこんなに覚えていてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と、その胸中を伝えた。
そして「この静岡、清水の街では、たくさんむちゃくちゃな撮影をして、大暴れさせていただきました。逆に『あの映画を作ったのは自分たちだ』と思ってくださってもいいぐらい、誇りに思っていただきたいです。おかげさまで、40年経っても俳優を続けさせていただけています。本当にありがとうございました。そして今日、集まってくださってありがとうございました!」と感謝を口にして、セレモニーは幕を下ろした。
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■『ビー・バップ・ハイスクール』とは
1983年に登場したきうちかずひろ作の漫画「BE-BOP-HIGHSCHOOL」はそれまでの不良漫画とは全く角度の異なったアプローチの“ツッパリ”漫画として大ヒットを記録。主人公ヒロシとトオルのふたりが、ケンカや恋に明け暮れる毎日がクールに描かれ、読者から圧倒的な支持を受けた。
そして、原作の過熱する人気を受け製作された映画『ビー・バップ・ハイスクール』が1985年12月14日に公開された。
プロ・アマ問わずに募集されたオーディションには5963人の応募があり、その中からヒロシとトオルに選ばれたのは、歌手として注目を集めながらまだ駆け出しの俳優だった清水宏次朗と、まだ学生でこの作品でデビューを飾った仲村トオルであった。

原作のエピソードからの構成により“ツッパリ”たちの等身大の青春映画でありながら、原作ではあえて排除されていた激しいケンカのシーンを、主演のふたりを始めとする出演者たちが体を張って挑み、見た人間の血を沸騰させるアクションシーンが満載の大活劇となった。
中でも“走る電車からケンカで突き落とされる相手校の生徒”や、“アーケードの屋根からの落下”などの体を張ったスタントシーンや、“ライバル校たちとのクライマックス大乱闘”など気合の入ったシーンの連打が多くの観客たちの記憶に刻みつけられた。
また、1・2作目のヒロインとなる泉今日子役をブレイク直後の中山美穂が演じ、主題歌も担当。もう一人のヒロイン三原山順子を演じる宮崎ますみとともに当時の青少年たちのハートを鷲掴みにした。

(C)1985 東映 セントラル・アーツ (C)東映
関連情報
https://www.toei-video.co.jp/special/be-bop-4k/
構成/清水眞希







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