JR東日本が値上げに踏み切る理由は?
ここでは、JR東日本が大規模な値上げに踏み切った背景を整理します。
■コロナ禍以降の利用減少と社会の変化の加速
2020年あたりから数年に渡り広がったコロナ禍の影響により、テレワークやオンライン会議が普及し、鉄道の利用者数が減少したことも今回の値上げの背景にあるとされています。
このような社会の働き方の変化は、一時的な影響ではなく今後も長期的な収益低下につながる見込みです。こうした状況を踏まえ、運賃水準の見直しが避けられない状況になっているのです。
■エネルギー・物価・人材確保のコスト増加
近年のエネルギー価格や物価上昇により、鉄道運営に欠かせない電気代や保守部品、設備更新費などのコストが以前より大幅に膨らみ、経営を圧迫している現状もあります。
また、人手不足に悩まされるなか、安定した人材確保のためには待遇改善が不可欠であり、これらに関するコストの増加も運賃改定のひとつの要因です。
■老朽化設備の更新・安全投資の増加
鉄道設備や車両は年々老朽化が進み、安全な運行を維持するための修繕費が増え続けているとも言われています。レールや架線、信号設備など、安全な運行を続けるには日常的なメンテナンスだけでなく大規模更新も不可欠です。
これらの費用が積み上がっていることに加え、自然災害対策やカーボンニュートラル対応など時代に求められる安全投資も増加しているため、ますます継続的な運賃収入の確保が必要となっています。
JR東日本の運賃値上げに関してできることは?交通費を賢く抑える方法

2026年3月に実施される運賃改定は、早めに準備をしておくことで一時的に費用負担を軽減できる可能性があります。特に定期券や長距離乗車券を利用する人は、ぜひ参考にしてください。
■運賃改定前に乗車券を購入しておく
2026年3月14日の運賃改定実施日よりも前に購入する乗車券に関しては、旧運賃が適用されます。そのため、長距離移動を予定している場合は早めに乗車券を購入しておくことで値上げ前の価格で利用可能です。
ただし、改定日が近くなると窓口や予約サイトが混み合う可能性が高いため、余裕を持って購入することが大切です。
出張や帰省の予定が決まっている人は、早めに購入手続きを済ませておくのが得策です。定期券の購入に関しても同様の対策が有効です。
■経路の見直しや定期区間の最適化でコストを減らす
運賃改定後は、これまで利用していた経路が最適とは限りません。JR東日本が提供する「改定後運賃検索サイト」や路線検索アプリを利用し、自分の利用する範囲の改定後の運賃を調べて複数のルートを比較することで、交通費を抑えられるケースがあります。
■他社鉄道やバスとの比較による“移動コスト削減”
JRだけでなく、東京メトロ・私鉄・バスなど他社交通機関の利用も検討することで、移動コストを下げられる可能性もあります。特に大都市圏では、複数の鉄道会社が運行しているため、移動距離や混雑状況を加味したルートの選択が大切です。値上げの影響も踏まえて、この機会に交通手段の選択肢を広げてみるのもひとつの方法でしょう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/ここね







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