2026年3月にJR東日本の運賃改定が行われます。この記事では多くの人に影響を与える値上げの詳細について、主なポイントをまとめました。
目次
JR東日本の運賃が2026年春から値上げされます。対象は全エリアの路線となり、普通運賃の値上げをはじめ特別区分の廃止、特定区間の取扱変更など大幅な変更が行われる予定です。
そこで、この記事ではJR東日本の運賃値上げの内容と改定の背景、そして気をつけるべきポイントをわかりやすく解説します。
JR東日本の運賃値上げは「2026年3月14日」から
JR東日本は2025年8月に、2026年の春に運賃改定を実施することを発表しました。
運賃改定が実施されるのは2026年3月14日(土)購入分からです。
改定前日の3月13日(金)までに購入するきっぷに関しては、乗車日が3月14日以降であっても改定前の運賃で販売されます。この値上げではJR東日本全エリアの運賃が見直され、平均で7.1%の値上げとなります。
日常生活でJR東日本の電車を利用して通勤・通学する人にとっては影響が大きくなるため、値上げのタイミングをしっかり把握しておきましょう。
新幹線・特急料金は据え置きに
今回の運賃値上げは幹線・地方交通線の普通運賃と通勤定期運賃に適用され、特急料金やグリーン料金などの料金は据え置きとなるのが特徴です。そのため、旅行や出張など利用する頻度が低い人にとっては、影響はそこまで大きくないと言えます。従来の幹線・地方交通線の通学定期運賃も価格据え置きとなります。
2026年春の5つの主な改定ポイントを整理
2026年3月に実施されるJR東日本の運賃改定では、値上げに加えて複数の制度変更が同時に行われます。
特に「運賃区分の廃止」や「通算加算方式」など、日頃は意識しづらい仕組みも含まれるため、ここではわかりやすくポイントを押さえて解説します。
■ポイント①東日本全エリアが値上げの対象に
JR東日本の全エリアが普通運賃値上げの対象です。大都市圏だけではなく地方の路線にも適用されるため、電車を日常の移動手段として使う幅広い層に影響が及ぶでしょう。
移動距離が短い区間でも値上がりが発生するため、定期券利用者をはじめ電車の利用頻度が高い人は特に注意が必要です。
■ポイント②「電車特定区間・山手線内」の運賃区分廃止
長年使われてきた「電車特定区間」と「山手線内」という特別な運賃区分が2026年春に廃止されます。これらの区間は、他社との競合を踏まえ国鉄時代から他のエリアより安い運賃が設定されていました。
しかし、今回の運賃改定のタイミングで「幹線」に統合され、従来と同じ区間利用でも結果的に値上がりするケースが出てきます。
山手線のきっぷでの初乗り運賃は現行の150円から160円となり、10円の値上がりになります。都心部の利用者にとっては影響が大きいため、どれくらいの値上がりかを確認しておくとよいでしょう。改定後の運賃については下記サイトで簡単に調べることができます。
■ポイント③JR他社にまたがる場合は通算加算方式を採用
JR東日本とJR他社の路線をまたいで利用する際の運賃計算方式も変更になり、改定後は「通算加算方式」が採用されます。
通算加算方式とは、全区間の乗車金額にJR東日本エリアにかかる部分の金額を加算する方法です。従来の計算方式と比べると、JR東日本の運賃改定分が値上がりすることになります。
■ポイント④東海道新幹線と在来線(東京~熱海)の扱い変更
JR東日本の値上げ実施に伴い、東京駅〜熱海駅間を利用する際の東海道新幹線・東海道本線の運賃の扱いも変わります。
今回の改定では、これまで同一の線路とみなされていた区間が東海道新幹線と東海道本線とで別の線路として扱われます。そのため、利用する経路に沿った乗車券の購入が必要です。
■ポイント⑤往復乗車券・連続乗車券の発売終了
2026年3月13日をもって、往復乗車券および連続乗車券の発売が終了します。これらは長距離移動を割安に利用できる制度として知られていましたが、今後は片道乗車券の購入が必要です。
この変更の背景には、紙の乗車券の利用減少やインターネット割引による乗客の選択肢の拡大などが挙げられています。
頻繁に長距離移動をする利用者は、えきねっと割引やチケットレス制度など、代替となる割引サービスを活用しましょう。







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