近年、訪日外国人観光客は増加傾向にあり、経済面での波及も拡大している。
一方で、ゴミのポイ捨てや公共交通機関の混雑など、いわゆるオーバーツーリズムの課題が指摘されている。
マーケティングセンターは、こうした状況が日本人の国内旅行計画にどのような影響を与えているのかを把握するため、この冬(12~2月)の国内旅行意向とあわせて、旅行計画に対するインバウンド影響を調査した。
この冬旅行に行かない理由は「旅行費用の負担が大きい」が最多
この冬(12~2月)に外泊を伴う旅行の予定があると回答した人は34.6%。内訳では「国内は行かず海外のみ」が1.6%だった。「旅行には行かない」は65.3%で、半数以上が不実施という結果に。年代間の差は限定的で、主要な傾向は一致している。
※本アンケートでの「旅行」とは外泊を伴う国内外での移動全般を指し、帰省や親族訪問を含む。日帰りは含まない。
旅行に行かない理由は、「旅行費用の負担が大きい(交通費・宿泊費など)」が46.3%、「人混みを避けたい」が31.7%で、旅行に対するネガティブな理由が高い。
一方「自宅が快適(暖房・娯楽など)」というポジティブな理由は23.5%で、第3位であった。また、主な理由(単一回答)では、「旅行費用の負担が大きい(交通費・宿泊費など)」が34.8%で突出している。
2位以降は「自宅が快適(暖房・娯楽など)」「人混みを避けたい」「行きたい観光地がない」が続いた。30代~50代の中年は「価格」、若年と高年では「行きたい観光地がない」がやや高い傾向がみられる。
冬の旅行の主目的は「温泉・リラクゼーション」!旅行で重視するポイントTOP3は「価格」「食の魅力」「アクセス」
国内旅行に行くと回答した人の主目的では「温泉・リラクゼーション」がトップに。「ご当地グルメ・名物」が13.5%、「テーマパーク・イベント」が13.0%と続き、「帰省・親族訪問」は9.4%だった。
「静かに過ごす(混雑回避)」と回答した人は7.3%で、人との接触や交流を避けて疲れを癒す目的で旅行に行くことが考えられる。
旅行で重視するポイントで最も多いのは「価格(予算内)」55.6%で、旅行に行く人も行かない人も予算面を気にかけている人は多い。
次いで「食の魅力」が34.4%、「アクセスの良さ」が30.0%となった。今回の調査目的である外国人観光客の増加と重視するポイントの関係ついては、「混雑の少なさ」は20%を超えていて重視度が高い。
しかし、「外国人観光客が少ない」は9.1%で、旅行計画時の重視度は低い。
訪日客増で「旅行計画に影響あり」は55.9%、理想の冬の過ごし方在宅が上位
外国人観光客による旅行の影響を回答した人は、55.9%。内訳では、行き先を主要地から外す/マイナー地域へ切り替える、混雑回避のため時期をずらす(平日・閑散期)が上位になった。
「訪日客増により、行きたいが行かなくなった先がある」と回答した人は39.1%。挙がった行き先では、京都府が25.4%で最多、次いで東京都、北海道など主要観光地・大都市圏が続いた。
一方、カテゴリでは「温泉地」「神社・仏閣」の割合は相対的に低めであった。自由回答の具体例では、温泉地は「箱根」「城崎」、その他では「鎌倉」「金沢」などが挙がっている。
理想の冬の過ごし方は、「家で家族とゆっくり過ごす」が24.7%、「家でひとりでゆっくり過ごす」が23.0%と続き、外出せずに家で過ごしたいと回答した人が多い結果となった。
また「温泉でゆっくり過ごす」は20.7%と多い反面、イベントや旅行に行くなどのアクティブな過ごし方は少なくなっている。
調査概要
調査名:「日本人の国内旅行とインバウンドの影響」についての調査
調査実施時期:2025 年 11 月
調査対象:20-79 歳の男女 ※人口推計をもとに性別・年代を母集団構成に合わせて回収
回答者数:n=2002
調査方法:インターネット調査
関連情報
https://www.mc-com.co.jp/report/667.html
構成/Ara







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