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三菱の新型「デリカミニ T Premium DELIMARU Package」4WDモデルで200kmドライブ!試乗して感じた〝軽〟を超えた実力

2025.12.13

見た目は「デリ丸」でも中身は「アウトランダー」?新型デリカミニ、往復200km試乗でわかった“軽を超えた”実力

2025年に発売された新型車の中で大きな注目を集めているのが、2代目となる三菱の新型デリカミニ。この@DIMEではすでに新型の紹介記事、千葉・鴨川周辺の一般道での試乗記をお届けしているが、今回、東京~茨城県・霞ヶ浦までの往復約200kmを、2025年10月28日時点のグレード別注文構成比でもっとも多い67%を占める、ターボモデルの「T Premium DELIMARU Package」4WDで走行。高速走行を含む試乗を改めて行った。

タフなデザイン×親近感ある新しいデリカミニ

動画でも解説!

冒険のトビラを開く”カッコかわいい”新型デリカミニは、デリ丸。顔の愛らしい姿からは想像もできない、ミニバンの皮をかぶったSUVとも称される唯一無二の存在感を示し続けているデリカD:5の弟分たる走行性能、走破性能を持つ軽スーパーハイトワゴンだ。

2025年10月29日に発売された新型は、ドライバーを冒険に誘う、「進化したアクティブで頼れる相棒」という先代のコンセプトを踏襲しつつ、エクステリア、インテリア、走行性能、安全性能、運転のしやすさ、使い勝手の全方位の進化を特徴として、「気軽なアウトドア」も楽しめる、タフなデザイン×親近感ある新しいデリカミニとして生まれ変わったのである。

エクステリアデザインは、誰がどう見ても、一目でデリカミニと分かる、顔のデリ丸。らしさはそのままに、ヘッドライトとターンランプを大型化。よりキリリとしたデリ丸。の丸目がさらに強調された「やんちゃかわいい」親しみあるフロントフェイスに進化。ワイド化した前後スキッドプレートとプレスラインが強調されたボディサイドパネルによってタフなイメージを増幅し、さらにリヤコンビランプやアルミホイールなど、随所にちりばめられたブロックモチーフがギア感を演出している。

室内空間、荷室の広さなどは基本的に先代と変わらないものの、室内空間は依然、スーパーハイトワゴンクラスのトップレベルの広さ、機能性、高品質感を備え、新型では角度を立てたフロントウインドー(Aピラー)によって前席周りの広々感はさらに高まり、12.3インチの大型ディスプレーに軽自動車初のGoogle搭載ナビゲーションを採用したことも大きな特徴。実際、前席の広々感はさらに高まり、全方位の視界の良さもあって、走り始める前から爽快なドライブを予感させてくれるのだ。

Googleアシスタントで空調設定から、走行中での目的地設定などできる!

使い勝手面での進化も著しい。軽自動車初のGoogle搭載ナビゲーションを採用したことで、「OKグーグル」と呼びかければ、Googleアシスタントによって空調設定から、走行中での目的地設定などが可能となった便利さも見逃せないポイント。しかも、Googleの通信料は10年無料(ドコモのSIM採用。スマホ接続不要)。というのだから嬉しすぎるではないか!!

パワーユニットは例によってNAとターボを用意。52ps、6.1kg-mのNAモデルで18.8~21.0km/L、64ps、10.2kg-mを発揮するターボモデルで17.8~19.5km/L(WLTCモード)という文句なしの燃費性能を発揮。そして大注目なのが、スーパーハイト系軽自動車最大の最低地上高160mmを確保(悪路や雪道にも強い)するとともに、全車にアウトランダーでもおなじみの手になじむ大型の5モードドライブモードセレクター(パワー/エコ/ノーマル/グラベル/スノー。アウトランダーは7モード)、高品質なカヤバ製ショックアブソーバー=Prosmoothを初採用していること。もちろん、4WDモデルはデリカ一族らしい専用チューニングのフルタイム4WDを採用しているのである。そう、スーパーハイトワゴンのクロスオーバーモデルにして、中身は三菱自動車のSUVが誇る最新技術を満載しているというわけだ。

さて、165/60R15サイズのタイヤを履くターボモデルの「T Premium DELIMARU Package」をドライブモードのノーマルモードにセットして走り出せば、ターボエンジンとシフトスケジュールが変更されたCVTとのマッチングの良さもあって、出足からトルキーに発進し、レスポンス良く加速。スムーズに速度を上げていく。しかも、乗り心地の良さは感動モノと言えるほど快適。実は、直前までアウトランダーに乗っていたのだが、ソファ感覚でたっぷりとしたサイズのシートのかけ心地の良さもあって、三菱のフラッグシップSUVとの落差を大きく感じない走行性能に驚きを隠せなかった・・・というのが本音である。

一般道での快適感、車内の静かさは、霞ヶ浦に向かう首都高速、東関東自動車道でも維持される。実にしっかり、力強く、安定した、到底、軽自動車とは思えない巡行性能を発揮してくれたのである。新型デリカミニがそれほどまでに静かに走ってくれるのには理由がある。そう、ボディ剛性の高さはもちろん、タイヤが発するロードノイズの見事な遮断に加え、軽自動車初の特殊フロントフィルムガラス、側方からの音を低減する2層遮音シート、足下からの音を低減するドア下のシーリング、車体後方からの音を低減するリヤ部分の高機能吸音材などの採用が功を奏しているわけだ。

今回、一般道、高速道路、そして山道の走行を経験したのだが、一般道での全方位の視界の良さ、最小回転半径4.9m(2WDは4.5m)による小回り性、駐車のしやすさから、高速走行での直進性の良さ、レーンチェンジでの安定感、そして山道のカーブでの、カーブに吸い込まれるように、リニアで安定感ある走り、操縦性の良さに感心しきり。往復約200km、あらゆる速度域、路面を走った経験では、軽自動車に乗っているとは思えない快適性は安心感・安定感を発揮してくれたのだ。

高速走行でのMI PILOT(ACC)=高速道路同一車線運転支援機能による、ペダル操作から解放された運転アシスト、クルージングの快適さ、機能の正確さにも改めて驚かされたのである。ACCの渋滞追従機能をバックアップする電動パーキングブレーキ&ブレーキとオートブレーキホールド機能も備え、軽自動車ではめったに装備されないブラインドスポットモニターが用意される点も褒められる。

目的地は初めての場所だったのだが(霞ヶ浦に面した天王崎公園の駐車場)、走りながら「OKグーグル」と呼びかけ、目的地を話すだけで目的地設定してくれる便利さも体感できた。

たしかにデリカミニは軽自動車規格のスーパーハイトワゴンであるものの、前後席、とくに後席の驚くほどの広さ、両側パワースライドドアによる後席の乗降性の良さ、後席を格納することで大きな荷物もたっぷり積める積載性、そしてターボモデルであれば4名乗車+荷物の積載でも、高速走行をスムーズかつ力強く行ってくれる動力性能の高さ、先進運転支援機能の充実度、収納の豊富さ、撥水シート&樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバックによる防汚性能、27インチの自転車も積める積載性能、接近時アンロック、降車時オートロック機能、そして何と言っても悪路や雪道にめっぽう強い走破性の高さを合わせ、まさにオールマイティ、オールラウンダーな、一家に一台のファーストカーにもなりえる1台と言っていい。

今回試乗したターボモデルの「T Premium DELIMARU Package」4WDの価格は270.73万円というものだが、高速道路同一車線運転支援機能のMI PILOTを始め、多くの軽自動車ではオプションとなるGoogle搭載インフォテイメントシステム、ビルトインETC2.0ユニット、3Dマルチアラウンドビューモニター移動物検知機能付き、ノーズパノラマビュー、フロントアンダーフロアビュー、デジタルルームミラー、さらに前後ドライブレコーダーまで標準装備されるのだから、内容からすれば決して高すぎることはない・・・という印象を持てる。もちろん、ターボモデルでなければ、G 2WDの196.46万円から新型デリカミニを手に入れることができるのだ

三菱デリカミ

文/青山尚暉
写真/雪岡直樹

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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