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欧州で主流の送金アプリ「Wise」が日本でも使用可能に!ユーザーが最初にすべきことは?

2025.12.22

Webニュースがジャーナリズムに与えたプラスの影響を一つ挙げるとすれば、「記事の大きさの均質化」ではないか。

紙の新聞には「ベタ記事」というものがある。これは、そのニュースは「重要なものではない」と編集部が判断した結果作られる記事。

ほんの短い文字数で、タイトルもただ太字にしただけの写真なども一切ないニュースだが、Webの場合はどんな話題でも必ず「1記事1タブ」。紙面ではベタ記事扱いの話題が、Webでは一転して大注目されてしまうということもよくある。

海外送金サービスのWiseが全国銀行データ通信システムに接続した話題などは、まさに「Web媒体にすれば注目され得るビッグニュース」と言える。

なぜか? 我が国において、Wiseは全銀システムへの接続を許可された初めての資金移動業者になったからだ。

公式サイトに「送金料の安さ」を比較するシミュレーターが

かつて、国際送金は大掛かりな作業でもあった。

金融関連の法律が全く異なる二国間で送金をするには煩雑な手続きが必要で、またそれ故に手数料が高額だった。家族が海外へ出稼ぎしているという人にとっては、この手数料は重荷以外の何ものでもない。しかし、データのクラウド化や効率的なeKYC(オンライン本人確認)の技術が確立すると、迅速かつ安い手数料での国際送金ができるようになった。

WiseはウェスタンユニオンやPayPalといった送金業者を抑え、今や「国際送金の王」となりつつある。

たとえば、Wiseの公式サイトでは「○○万円送金した場合、手数料はいくら発生するのか?」というシミュレーター機能を設けている。さすが海外の企業という感じで、何と他社を実名で挙げて「これらの銀行が設定する手数料よりも、Wiseのそれはこんなに安い」ということを表示するのだ。

上の画像、本当なら他企業が実名で記載されているのだが、それは筆者が「念のために」という意味合いで消しておいた。

ともかく、Wiseは手数料の安さを持ち味にしていて、実際に多くのユーザーがその点を支持しているということはちゃんと記載したい。

19世紀に発生した現象が再び

「スマホアプリを用いた国際送金」ということにピントを合わせてみれば、送信サービスの老舗ウェスタンユニオンはむしろWiseの後塵を拝していると表現しても過言ではないだろう。Wiseの影響力を目の当たりにしたウェスタンユニオンが、ようやくユーザーをアプリに誘導する方向性に舵を切り始めた……と言うべきか。

ウェスタンユニオンは、そもそも19世紀中葉に電報業者として創立された企業。電信は当時の最先端テクノロジーで、人や馬に頼らず電信が通っている地域へ数十秒以内にメッセージを届けることができた。もちろん、「地域間に電信網を設置する」というのは簡単にはできない大事業。

それ故に1860年のアメリカ大統領選挙の結果をワシントンD.Cからアメリカ西海岸へ伝えるのに1週間を費やした。電信がつながっていない数千kmを、ポニー速達便という早馬の業者が駅伝方式で走ったからだ。このポニー速達便は「騎手の就労条件18歳になっていない、針金のように痩せた男性。死ぬ可能性が高いため、孤児であれば尚良」という、今の目で見れば人権侵害も甚だしい求人条件を出していた会社である。

無論、電信が東西を直接つないだ瞬間にポニー速達便は歴史的役割を終え、表舞台から退場した。

それと全く同じ現象が2025年の現代に起きているのだが、その当事者がウェスタンユニオンではないことは歴史の皮肉とも言える。

旅行予約サービスからのキャッシュバックがその日に反映!

Wiseが全銀システムに接続した場合、具体的にどのような効果が表れるのだろうか?

まず挙げられるのは、「国際送金の迅速化」。日本からWiseに接続して行う取引の大半が、今年11月から何と20秒以内に完了できるとのこと。

当社は、既存の中継コンピュータシステムではなく、新たに構築されたAPI経由で全銀システムに接続し、日本銀行と直接当座預金取引を開始する初の資金移動業者となりました。これにより、Wiseは仲介銀行を必要とせず、日本の決済システムで独自に取引を決済することが可能となり、国内の円建て送金をほぼ即時に処理できるようになりました。

この接続により、統合ATMスイッチングサービスを介した受取人名義の確認が可能になります。これは、受取人口座名義情報が銀行の記録と一致していることを確認し、当社の日本のお客様が安心して送金できるようサポートする機能です。カタカナでの名義入力においてわずかな不一致でも遅延が発生するという、よくある課題に対処します。

各国の決済システムとの接続はWiseのインフラの根幹を成しています。Wiseは現在、イギリスのFaster Payments System、ヨーロッパのSEPA、ハンガリーの国内決済システム、シンガポールのFAST、オーストラリアのNPP、フィリピンのPesonetとInstapay、ブラジルのPix、そして日本の全銀システムの8つの国内決済システムに接続し、その結果、Wiseで行われる全送金の74%が20秒以内に到着します。これは、5年前の33%から大幅に改善された数値であり、Wiseの継続的なサービス向上への取り組みの成果を示しています。
(Wise、初の資金移動業者として日本の「全銀システム」にAPI接続、 日本銀行と当座預金取引を開始-PR TIMES)

「自分は海外に知り合いなどいないから、Wiseのことなど興味ない」と思っている読者もおられるかもしれない。

が、たとえば旅行予約サービスのAgodaは、ユーザーに対して「現金でのキャッシュバック」を行っている。そのキャッシュバックの際に利用されるのが、Wiseなのだ。Wiseを使えば、その日のうちに指定の銀行預金口座にキャッシュバック分の金額が入金される。

このように「海外のオンラインサービスからの特典」がWiseによって迅速化され、さらに多様かつユーザーにとっても割のいい特典が今後生まれる可能性すらあるのだ。

Wiseも「ワ方式」に対応か

そんなWiseの使い方を解説するなら、それは「アプリの使い方」よりも「利用までの手続き」を、それも「手続きの方法に関する今後の展望」について説明しなければならなくなる。

アプリの使い方自体は、単純なインターフェースもあって特段説明する必要はないようにも思われる。が、日本で資金移動業者としての活動を行うのなら、当然ながら日本の各法律を遵守する必要がある。

まず、身分証明書を提出しない匿名希望の何某が送金サービスを利用することはできない。プラットフォーム経由で身分証明書を提出しなければならないのだが……。

日本の住所でご登録のお客様は、Wiseアカウントで初めて送金、資金の受け取り、またはチャージを行う際に本人確認が必要となります。これは、日本の規制の遵守、およびお客様の資金の安全のために実施されます。初回のお取引を設定する際に、本人確認の手順が表示されます。
(日本のお客様の本人確認について-Wise)

上のページに記載されている本人確認方法だが、そのうちの「4」と「5」の説明を見る限り、これは自撮り写真と身分証明書の券面を撮影する「ホ方式」である。

2027年に施行される予定の改正犯罪収益移転防止法では、ホ方式が廃止されてマイナンバーカードのICチップを読み取る「ワ方式」にeKYCが一本化される見込みだ。当然、Wiseもこれに対応するようになるだろう。

もしも、ユーザーが送金手段としてWiseをフル活用したいのであれば、その前に「マイナンバーカードの取得」が必須になると考えるべきである。

ただし、上述のAgodaの例のように「送金元がこちらの銀行預金口座にWiseを使って入金する」というパターンであれば、受け取る側がWiseにアカウントを作る必要はない。

【参照】
Wise
Wise、初の資金移動業者として日本の「全銀システム」にAPI接続、 日本銀行と当座預金取引を開始-PR TIMES

文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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