2025年もさまざまなグルメや食に関するキーワードがあった。リクルートの外食市場に関する調査・研究機関『ホットペッパーグルメ外食総研』は、外食のプロフェッショナルを集めて外食トレンドを発表するための「トレンド座談会」を開催。今年の流行グルメや象徴する食関連のニュース・ワードについてランキングで発表した。流行グルメでは、SNSでもよく見かけた「アサイーボール」、「麻辣湯」、「ドバイチョコ」がトップ3だった。キーワードでは、やはり「お米」関連がトップを獲得した。
海外SNS発のトレンドがトップ3を独占
ホットペッパーグルメ外食総研が挙げた37の選択肢の中から「今年流行ったと思うグルメ」について質問すると、1位は「アサイーボウル」だった。「アサイー」は2024年の調査で2位だったが、今年はコンビニで販売されるなどでさらに注目された。2位は「麻辣湯」で、コンビニで発売されて、日本各地でも店舗がオープンするなど話題を集めた。3位の「ドバイチョコ」は、ここ数年のSNSで話題だったが、今年になって各社が発売して手に取りやすくなったことが追い風になったようだ。1位から3位は、すべて韓国のSNSでも話題になっており、その影響の大きさも実感させられる結果になった。
『ホットペッパーグルメ外食総研』の田中直樹所長によれば、2025年はSNS発信から流通の早さが流行のカギで、日本発トレンドの再評価の流れもあったという。「2025年の流行グルメ1位~3位は、すべてSNSで話題になり、コンビニやスーパーでも発売されて手に取りやすくなったものが占めました。SNS発信なのはもちろん、いかに早く上手に流通させていくかというのが流行のカギを握っています。ここ数年の傾向に引き続き、今年も「SNS映え」、「健康志向」の2軸は健在。前者は7位の「卵サンド」、8位の「グルメバーガー」が、後者は同率9位の「発酵食」、11位の「ギリシャヨーグルト」が代表的です。4位の「抹茶」は近年海外での人気が上がっており、国内でも再注目されています。5位の「レモンを使ったメニュー」、6位の「塩レモン味」とレモン味のものも再び注目を集めており、「SNS映え」、「健康志向」、「再注目」の3つが2025年流行グルメの特徴と言えそうです」(田中直樹所長)
グルメキーワードの1位はお米! 物価の乱高下に振り回された1年
ホットペッパーグルメ外食総研が挙げた20の選択肢の中から「今年を象徴すると思うグルメキーワード」について質問すると、過半数が選んだ「米騒動・米価高騰・米離れ・備蓄米」が圧倒的1位だった。備蓄米放出は連日ニュースになり、米の高騰を痛感している人も多いだろう。2位の「サンマ“豊漁”」は、うれしいニュースといえる。実際に豊漁だったのかはあいまいだが、高騰し続けていたサンマが比較的手頃な価格で店頭に並び、SNSでも「久しぶりにおいしいサンマを食べられた」という声がみられた。3位の「エッグショック」、9位の「葉物野菜高騰」、11位の「サケ不漁」といった選択肢も上位になり、物価の乱高下に振り回された1年ともいえる。5位の「昭和レトロ」や13位の「平成リバイバル」といった令和らしいキーワードを選んだ人も多かった。8位に入ったタブレットやスマートフォンを使って自分で注文する「セルフオーダー」や14位の店員個人に対してセルフオーダーなどを通じて金銭を贈る「投げ銭」といったデジタル系技術が認知され始めているのも特徴と言えそうだ。
SNSからグルメのヒットが出る流れは今後も続きそうだが、米価格も含めて物価の状況は不透明だ。そんな時だからこそ、おいしい流行グルメを食べて幸せを感じたいものだ。
アンケート調査概要
調査対象:全国20代~60代男女(マクロミルの登録モニター)
調査期間:2025年10月31日~2025年11月1日
有効回答数:1035件(男性517件、女性518件)
調査方法:インターネットリサーチ
*「今年流行ったと思うグルメ」で提示された選択肢:麻辣湯(マーラータン)、豚汁、海鮮丼、炉端焼き、雑穀米、食べる味噌汁、うなぎ、野菜炒め、ビリヤニ、タコス、かさまし、卵サンド、出し巻卵、ポーク卵、バクテー、ギリシャヨーグルト、フラン、カヌチュロ、タンフル、発酵食、トリュフ、ふりかけ、ジンギスカン、ジャークチキン、グルメバーガー、ドバイチョコ、抹茶、アサイーボウル、よもぎ、高級食べ放題(寿司や焼肉など)、中華バル、“ちゃん系”らーめん、パン飲み(パンとお酒の組み合わせを楽しむ)、日本酒ベースのリキュール(果物などを日本酒で漬けたもの)、食事系クレープ(甘くないおかずクレープ)、塩レモン味、レモンを使ったメニュー(特に瀬戸内レモン〇〇)、そのほか、あてはまるものはない
*「今年を象徴すると思うグルメキーワード」で提示された選択肢:持ち帰り新ガイドライン(飲食店での食べ残しを持ち帰る際の方針を国が発表)、自転車の飲酒運転罰則強化、投げ銭(飲食店で指定の店員にお金を払うシステム)、米騒動(米価高騰)・米離れ・備蓄米、セルフオーダー(モバイルオーダー)、ダイナミックプライシング(場所や時間帯によって同じメニューの値段が変わる)、グルテンフリー、エッグショック、葉物野菜高騰、サケ不漁、サンマ“豊漁”、昭和レトロ(喫茶店など)、平成リバイバル、見習い飯、道の駅グルメ、腸活、ワンオペ営業、営業時間短縮、植物工場・水耕栽培、(魚の)陸上養殖 、あてはまるものはない
構成/KUMU







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