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なぜ今、市場が拡大しているのか?セガが語る「UFOキャッチャー40周年」進化の秘密

2025.12.15

最後にUFOキャッチャーで遊んだのはいつだろう?今でも仕事帰りに遊んで帰るという人もいれば、学生の時以来だという人もいるかもしれない。

今年は、ゲームセンターの象徴的存在として長年親しまれてきた「UFOキャッチャー」が誕生して40年。

そんな記念の年に改めてUFOキャッチャーの歴史を振り返るべく、11月に東京ビッグサイトで開催された「AMUSEMENT EXPO 2025」に潜入し、株式会社セガ フェイブのブースに突撃!

そこにいたのは、「UFO王子」と呼ばれる、笹谷崇さんだった。

20年間UFOキャッチャーを見続けてきた「UFO王子」

「UFO王子」の異名をとる笹谷さん

「UFO王子」こと笹谷さんは、就職活動の時点からUFOキャッチャーに携わる仕事がしたいと考え、セガに入社。以来、約20年の間、様々な形でUFOキャッチャーに関わってきたという。

「今年でUFOキャッチャーは40周年、実は僕も40周年なんですよ(笑)。UFOキャッチャーが生まれた年に僕も生まれました。子どもの頃に遊んだUFOキャッチャーも、誰かが企画して開発してくれていたんだな~と、入社してからよく思ったりします」

なるほど、人生の半分(もしかしたらそれ以上)をUFOキャッチャーに捧げてきた人物!

笹谷さんが「UFO王子」と呼ばれる所以は、〝シンプルにUFOキャッチャーが上手だから〟だそうだが、その話ぶりからはUFOキャッチャーに対する愛情がひしひしと感じられた。

そんなUFO王子に、クレーンゲームの現在の市場について聞いたところ、「今市場として需要は伸びている」とのこと。

「要因のひとつとしては、コロナ禍明けからのインバウンド需要です。そういう意味では、日本の方だけでなく、ジャパニーズカルチャーとして外国人旅行者にも楽しんでもらえて、市場が盛り上がっていると感じます。特に都心部でそう言えますね」

確かに、景品には人気アニメなどのフィギュアも多く見られ、観光客のウケも良さそうだ。

ちなみに、ご存知の方も多いだろうが、UFOキャッチャーという名称はセガの登録商標であり、クレーンゲーム機と呼ばれるジャンルの代名詞である。

では、懐かしのUFOキャッチャーから最新バージョンまでUFO王子に解説してもらおう!

マイナーチェンジを繰り返しながら進化し続ける

初めてUFOキャッチャーが登場したのは1985年。

筐体の正式表記は「UFO CATCHER」だが、覚えている方はいるだろうか。景品がショーケースに並べられているようなデザインで、アーム機は2本。

UFO王子が言うには、当初、アーム機は鷲のイメージで作ろうとしていたそうだが、紆余曲折あって空飛ぶ円盤UFOの形になったそう。

そしてこれがメガヒットし、UFOキャッチャーはクレーンゲームの代表格となった。

その後、円筒型の筐体で4人同時に遊べる「DREAM CATCHER」など派生型も生まれつつ、UFOキャッチャーシリーズはより楽しく遊べるように様々な改良がされ、進化を続ける。

例えば、初代「UFO CATCHER」と4代目である「NEW UFO CATCHER」。操作部分の写真を見て、進化に気づくだろうか?

上が初代で、下が4代目。ボタンと遊べる回数のカウントがデジタル表示に変わっている!?

加えて、私たちの記憶にあるUFOキャッチャーのあの有名なBGMも、4代目の「NEW UFO CATCHER」からだったらしい。

ほかにもアームの着脱を簡単な仕様にするなど、店舗運営者向けの改良も行なわれている。

この1991年に登場した「NEW UFO CATCHER」以降、筐体のマイナーチェンジを繰り返しながら、現在のようなUFOキャッチャーへと近づいていく。

次に大きな変化があったのは2001年、7代目となる「UFO CATCHER 7」が登場。

UFO王子曰く、時代の流れで景品が多様化してきたことを背景に、筐体の中の景品をきちんと見せるようなデザインに一新。筐体のカラーが真っ白になったり、アーム機の爪を少し大きくしたりと、景品に重きを置くようになっていく。

最新型は景品が主役!40年のその先も進化をめざして

2008年には、8代目「UFO CATCHER 8」が登場し、このあたりから景品にフィギュアが出てくるようになったのだとか。

2014年、「UFO CATCHER 9」では、筐体の支柱が透明となり、より景品が目立つようなデザインに進化。様々な角度から景品を眺められるようになって私たちユーザーには便利になったが、支柱を透明にすることに対して強度の点で懸念があったそう。

UFO王子は当時を振り返り、「開発担当者がかなり頑張った!」と話す。

そして2023年、シリーズ最新作「UFO CATCHER 10」が誕生。

筐体は白を基調としたデザインで、内部の照明はより明るくなり、さらに景品が〝主役〟になれるように進化を遂げた。

写真は「AMUSEMENT EXPO 2025」で展示された筐体のため、中に景品は入っていないが、初代と見比べてみてほしい。断然、景品が映えるような仕様になっている。

最後に、UFO王子に40周年のその先について聞いてみた。

「景品の大型化と小型化の二極化が進んでいるので、来年以降もその流れは続きそう。今後も、市場のニーズに合わせ、店舗の声を聞き、いかにUFOキャッチャーを使いやすく楽しいものにできるか、そのためにどう進化させていくかをセガとして考えていきたいと思っています」

今なお進化をめざすUFOキャッチャー。

普段、ゲームセンターなどで何気なく見ていた筐体の細部には、企業の努力とアイデアが詰まっている。

今年も残りわずか。2025年の締めくくりに、あのワクワク感を久しぶりに楽しんでみては如何だろうか。

取材・文/大仲マリア

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兵庫県出身。大阪の広告制作会社でライター業を経て独立。フリーライターとして独立後は、雑誌のライティングや企業案内&学校パンフレットなどを制作。2010年頃から東京で活動スタートし、福祉系のハウツー本を執筆。得意ジャンルは情報バラエティ。調査とインタビューが好きです。私生活ではインディープロレスと台湾にハマっています。

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