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1000円で世界の誰かにギフトを贈れる!自動寄付機「GIVEマシン」が東京・大手町に登場

2025.12.14

GIVEマシンとは? 体験型の自動寄付機

子どもが成長するにつれ、クリスマスの意味合いが筆者の中で変わっている。簡単に言えば、ギフトを“もらう日”から“贈る日”になった。ここにマイナスな感情はまったくなく、むしろ贈ることの喜びを噛み締めている。

ギフトを選ぶ時間は、驚くほど楽しい。誤解ないようにいうが、妻に対してもそうである。

さて、そんなすてきな「ギフト」する行為。それを世界中の人に届けられる取り組みがある。現在商業施設OOTEMORIに設置されている「GIVEマシン」だ。

OOTEMORIの地下2階、合計3台のGIVEマシンが設置されている。赤い筐体が印象的だ。

GIVEマシンは、世界21カ国/126都市で展開されている体験型寄付機。2017年にアメリカで始まったこの取り組みは、年々規模を拡大し、今年日本に初上陸した。

OOTEMORIには2025年11月24日より設置されており、12月25日まで利用できる。

体験型寄付機と言われてもピンとこないと思うが、自動販売機の筐体をイメージするとわかりやすい。タッチパネルで操作でき、協力チャリティ団体が提供する30種類の支援アイテムの中から、寄付者自身が「贈りたい」内容を選べる。寄付金は100%、各団体を通じて支援先に届けられ、寄付の透明性と「贈る体験」の双方が評価されている。

タッチパネルでギフトを選択する。その時間が非常に楽しい。

実行委員長エドワード氏が語る、日本展開の意義

GIVEマシンに並ぶのは、1000円分の食糧や野菜の種子、3000円の学校教材、1万5000円分の農業資材などさまざま。購入すると寄付機から対象の品が出てくるわけではなく、購入者の手元に送られてくるわけでもない。各団体を通じて、支援が必要な場所へと届けられる。

寄付者が持ち帰るのはモノではなく、「選ぶ楽しさ」や「誰かを想う気持ち」だ。GIVEマシンは、寄付行為を“温かい体験”へと転換する仕組みとして注目を集めている。

しかしなぜ、日本、しかも大手町での開催が決まったのか。「GIVE マシン2025 実行委員会」実行委員長のエドワード・レイ氏は、こう話す。

「私たちは、欧米と比べて寄付文化が成熟していない日本で、寄付の土壌を育て、助けが必要な人たちを支える文化の定着に貢献したい。そして、輝かしいイルミネーションのように、目に見える美しさに感動する以上に、ほかの人に思いやりを示す温かい気持ちを味わってほしいと思っています。その点、大手町は日本の中枢であり、社会的メッセージの発信や文化づくりに最適な場所と考えています。また、東京建物様が、この取り組みの社会的意義をご理解くださり、協力いただいたのも大きな要因です」

「GIVE マシン2025 実行委員会」実行委員長のエドワード・レイ氏。今回の取り組みでサンタクロースに扮するため、現在は写真以上にたっぷりと髭を蓄えている。

GIVEマシンがくれる、ギフトを選ぶ楽しさと贈るトキメキ

今回、日本では初展開となったGIVEマシンだが、今後の展開はどのように考えているのだろうか。エドワード氏はこう語る。

「GIVEマシン(英語圏では Giving Machine)は2024年、展開国が13カ国から21カ国に、そして107都市から126都市へと大きく拡大しました。日本では今年が初展開ですが、マシンやシステムを日本仕様に独自開発し、初年度から多くの方にご利用いただくための準備をしています。この経験は、今後の円滑な展開にもつながるはずです。また、日本のほかの都市への展開も希望しているので、アメリカ本部と協議しながら各地への提案を続けていきたいと思っています」。

またエドワード氏は、日本でGIVEマシンを展開する意義について「世界的に『分断と対立』が深まる今、国境・文化・信条・宗教を超えて協働できる取り組みがますます重要になっています。平和と調和を重んじる日本人の価値観は、このチャリティにおいて大きな力となるはずです」と話す。

冒頭と重なるが、ギフトを贈る行為には「選ぶ楽しさ」と「贈るトキメキ」、そして「誰かの幸せを願う温かさ」が同居する。GIVEマシンの体験は、そういう意味では自分へのGIVEにもなると思う。

なお、OOTEMORIでは12月25日の設置期間終了まで、定期的なイベントを行なっている。サンタクロースが来場するイベント、チャリティDAY、米国の人気グループ「The Piano Guys」のチェロ奏者、スティーブン・シャープ・ネルソンの来場など催しもさまざまだ。

サンタクロースが会場に現れる日もある。写真撮影だけでも大歓迎だとか。イベント日程などの詳細はWebサイトで。

取材・文/関口大起(https://x.com/t_sekiguchi_

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副業ライター。本業は某専門誌の副編集長。商社→制作会社→出版社と渡り歩いてきたキャリアと趣味の知識を活かし、多様なジャンルの記事を執筆。メインは、デジタルガジェットのレビュー、クリエイター(主に漫画家)/著名人へのインタビュー。そのほか、基幹システムの会報誌で取材・執筆を担当するなど、“お固め”の仕事も多数。夢は「このマンガがすごい!」の選者になること。コミックスは紙原理主義で、3000冊以上所有。日々収納場所の確保に格闘中。

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