2025年11月、アイスタイルは「@cosmeベストコスメアワード2025」と「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」を発表した。
2025年は物価高や酷暑などさまざまな要因でトレンドコスメにも変化が起こったが、2026年はどうやらその日の気分や肌に合わせてコスメの細分化が進む予感だ。
「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」を通して、来年の注目コスメトレンドを紐解いてみよう。
時短も、ゆっくりも。気分によって選べる「バスグッズ」がトレンドになる予感

「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」として発表されたキーワードは「美湯~ティタイム」、「先どりパーツケア」、「超キラメロコスメ」、「夢中美容」、「肌守り市場拡大中」、「日本プライドコスメ」の6つ。
「美湯~ティタイム」では、バスタイムを彩るアイテムにお金をかける人が2026年も増えると、アイスタイルは予測している。
これは@cosmeユーザーへのアンケートでバスタイムを「ただ洗う時間」ではなく、ゆったり自分をいたわる「有意義な時間」と10代~30代の多くが捉えているという結果が背景にある。

一方、「風呂キャンセル界隈」が話題になったように、時短で手早く風呂を済ませたい、というニーズもある。
アイスタイルはこの「効率的にケアしたい人」と先の「ゆったりケアしたい人」は一人の人に両方存在しているニーズだと捉えている。
原田さん「毎日丁寧に頑張ってケアするというのも今の時代らしくないし、かといって毎日サボるのも心配。日々ケアしてるからこそ、たまに時短のサボる日があっても許されるのではと考える人が多いのではないかと思いますね」

それぞれのニーズに合わせて各社新商品も登場しており、資生堂ジャパンとマツキヨココカラ&カンパニーは「洗顔キャンセル界隈」の若年層に向けて、なでるだけで肌の汚れを取り除けるグミ洗顔「肌グミ」を2025年9月に発売。
一方、ゆっくりケアアイテムとしてコスメデコルテは2025年10月に“スキンケア発想”の最高級ボディケア「AQ ラディアンス マイルド エッセンス ボディウォッシュ」を発売している。
時短で済ませたい時は肌グミでパパッと、お風呂時間を楽しみたい時はリッチなボディウォッシュを、と一人の人が気分によって選べるようなバスグッズが今後も増加すると予想できる。
敏感肌に向けた柔軟剤も。「肌の治安を守りたい」ニーズが加速すると予測

「肌守り市場拡大中」というキーワードでは、敏感肌市場が2026年度さらに加速すると予測。実際、(株)矢野経済研究所によると2024年度の敏感肌化粧品市場は1,000億円を超える見込みで、もともと敏感肌やアトピー肌ではない、乾燥肌や脂性肌の人たちも敏感肌と感じ「肌の治安を守りたい」という人が増加したと、アイスタイルでは分析している。
ここで注目のポイントは、敏感肌に向けたコスメは「顔のスキンケア」にとどまらないということ。
乾燥性敏感肌を考えた総合スキンケアブランド「Curel(キュレル)」は「衣料用柔軟剤」を発売しており、2025年10月には「一晩中指先までまるごと守る お手入れ底上げ ハンドケアマスク」などを発売。カテゴリーを超えながら、「敏感肌」のニーズに刺さるような商品を展開している。
話は少し脱線するが、このカテゴリーを超えた商品展開は、最近有名ブランドでよく見られる動きだ。
例えばヘアスプレーが人気の「ケープ」からは2025年5月にまつ毛用アイテム「ケープ フォーアクティブ カールロックマスカラ下地」が発売され、フェイスマスクブランド「ルルルン」は飲むルルルンとして「ルルルンサプリメント」を発売。
ブランドのファンはもちろんのこと新規顧客の獲得に繋がっているのではないかと、原田さんは話す。
原田さん「髪型をしっかりキープしてくれるヘアスプレーが人気のケープなど第一想起されるブランドは、その商品イメージやクオリティが担保されています。そのため、『試してみようかな』と思う人が多く、新規の間口が広がると思います」
パーツごとにコスメを使い分けるのが、さらにトレンドに

エイジングケア市場の新しい流れとして、「スポットケア」の需要の高まりを背景に、「先どりパーツケア」にも注目しているアイスタイル。
@cosmeユーザーへのアンケートでも20代~50代以上の7割以上が「以前と比べて、ピンポイントのパーツ悩みが増えたように思う」と答えたという。
アンケートの結果、「ケアが行き届いているとイキイキしていると思うパーツ」TOP10は、髪、目の下、手・指、歯、首、唇、フェイスライン、爪、目尻、デコルテ。
今SNSで話題のCOREFIT「ザ・フェイスポインター」のように、あるパーツを目掛けてケアできるアイテムが、2026年はトレンドとなるのではないかと、アイスタイルは予測する。
多彩なニーズに合わせた商品が数多く発売する今の世の中で、美容好きが持つコスメの点数も増加しているように思える。
しかし、物価高の影響で「みなさん、買うか、買わないかは、非常にシビアにジャッジされています」と原田さん。
本当に価値があるものと判断したものだけが購入され、そして皆、興味やチャレンジ精神はあるからこそ1度は購入するが、2度、3度とリピートされる商品は本当に一握りだという。
もちろん、コスメの進化は日進月歩で、新たな知見が加わった新しいコスメを買いたい、という気持ちもあるのだろう。
複数買いがヒットの理由。総合大賞を受賞したアテニアのクレンジングオイル

「リピートされる商品が、近年本当に難しくなっています。そんな中で、2年連続の受賞は本当にすごいんです」と原田さん絶賛のアイテムが、「@cosmeベストコスメアワード2025」の総合大賞を受賞したアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ リフレシングシトラスの香り」だ。
ローズリュクスとピースフルオレンジの香りが限定品から定番品となり、2025年6月にはクリアネスラベンダーの香りが発売され、一人の人がその日の「気分」によって楽しめるような商品展開を行って複数買いの促進を行い、直近1年間で約590万本も売り上げたという。

リピーターの獲得が難しい今、どうやったら、第二のアテニアになれるのか――「情報を発信する努力が身を結ぶのでは」と原田さん。
アテニアの国内売上は約8割弱が通信販売で、大々的な広告は打たずに、高品質な商品を買いやすい価格で提供している。
そのためアテニアの代表取締役社長の保坂嘉久さん自身も「ブランドの認知度は低い」と述べている。
しかしSNSやプレスリリースの発信、一部店舗で直接のタッチポイントを作るなど通年を通して実施し続けた結果が、生活者に支持されたのではないかと、原田さんは分析している。
ニーズに合わせて細分化されたコスメが、より一層盛り上がりそうな2026年。価値観が多様化している今、個人の気分、肌、パーツに合わせて商品を開発した上で大多数に購入してもらうのは、メーカーとしては困難な道のりかもしれない。
だからこそ、一人の人が複数、もしくは繰り返し「買いたい」と思うコスメが、売上を伸ばす可能性が高い。それはバスグッズなのか、敏感肌コスメなのか、スポットケアアイテムなのか――来年も楽しみだ。
・@cosme
https://www.cosme.net
取材・文/小浜みゆ
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