「Stylophone(スタイロフォン)」のブランド名で知られる、英国の電子楽器メーカーDubreqから、面白い製品が登場した。
その名は「Stylosette(スタイロセット)」という、小さなタッチ式キーボード。日本では総代理店のGLOBAL SPADE(株)がネット通販で取り扱っている。
なかなかユニークなガジェットなので、今回はこちらをレビューしよう。

まずは拡張ポートにクリップの末端を差し込む
「スタイロセット」本体のぱっと見は、懐かしのカセットテープ。しかし、裏を返すとむき出しの電子回路が見える。ここに付属の単四電池2本をセットする。

付属品として、ワニ口クリップが8本、ジャンパーワイヤーが3本、ミニドライバーが1本、それに日本語説明書もある。
本体右横のスイッチをオンにすると、赤ランプが点灯。金色の部分が鍵盤で、それを押すと音が出る。ちなみに、指先が乾燥していると音が出にくいので、微量の水やハンドクリームを塗っておくといい。
しかし、本製品の真骨頂は、単にミニキーボードであるという点ではない。本体下部の拡張ポートにワニ口クリップの末端を差し込み、クリップは何かを挟むか、刺すか、触れさせることで、これがキーに早変わりする。
「何か」は、導電性があるものならなんでも。説明書には、例えば「リンゴ/植物/ドーナツ/キノコ/人の手」があがっている。
まず、クリップを拡張ポートに差し込むが、24穴あるP端子はそれぞれ対応する音がある。一番左が「ド」で、その右は「ド#」、さらに右は「レ」というふうに13穴は音階に一致する。
14穴以降の右側の端子は、オクターブ出力、VCOCV出力などに対応。すべての端子に差す必要はないが、14番目(演奏用共通端子)だけは必ず差し、そのクリップが挟んでいるものは常時片手が触れていなくてはならない。

コミカルな音がとても面白い
こう書くと、なにやら難しい印象だが、楽器初心者はド、レ、ミ、ソ、ラだけで演奏することが、すすめられている。「どの音をどんな順番で弾いても不協和音になりにくく、初心者や即興演奏に適して」いるそうだ。
では、トライしてみよう。手元にリンゴやドーナツはなかったが、バナナはあるのでこれで試してみる。6本のバナナに本体から延びるクリップを刺し、準備完了。

右手は一番右のバナナに常時触れ、左手で演奏した(というか適当にバナナを押した)のが、以下の動画。
ご覧のとおり、鍵盤代わりのバナナを押すたびに、コミカルな音が発せられて面白い。バナナ以外にも、みかんや柿といった旬の果物や、スプーンなどいろいろ試してみたが、果物や金属製品はどれも音を出した。
和菓子のどら焼きや最中(もなか)はダメで、観葉植物の葉は音が出っぱなしになりやすいなど、いろいろ発見があった。

エフェクトも豊富で応用自在
また、本体には、音量、オクターブ、チューニング(音の高さ調整)、ディレイ(音の反響)、ビブラート(音の揺らぎ)など、音にエフェクトを加える機能が備わっている。自分だけの楽曲を突き詰めたければ、こうした機能をマスターする楽しみが加わる。

さらに、2台の「スタイロセット」同士を接続し、片方をマスター(操作する側)、もう片方をスレーブ(自動追従する側)と設定することで、重奏やハーモニー演奏も可能。
これは、特定のP端子をジャンパーワイヤーでつないで、裏面のスイッチを切り替えるだけでOK。1台での操作が慣れたら、チャレンジするのも一興だ。

このように「スタイロセット」は、音楽通だけでなく、電子楽器にさわったこともない人や、子どものSTEM教育に関心を持つ人まで、多くの層の興味を引きつける製品に仕上がっている。スマホゲームに飽きたら、ポチってみるのもいいかもしれない。
なお、「スタイロセット」は、Amazon、楽天市場、YAHOO!JAPANショッピングにて販売中。価格は7980円となっている。
・スタイロセット(Amazon / 楽天市場 / Yahoo!ショッピング)
撮影・文/鈴木拓也
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