アイデアに溢れるこれまでにない製品に出会えるのは、クラウドファンディングの大きな楽しみのひとつだ。
一方でこれから製品化というものも多く、どんな製品なのかをプロジェクトオーナーから提示された情報だけをもとに、判断しなければならない難しさもある。
そこで、クラウドファンディングサイトの「kibidango」では、2025年10月に、今後スタート予定のプロジェクトを中心にした、メディア向けの製品体験会を開催。
口にくわえるだけで、最短1分で歯磨き
その中で最も注目を集めていた、全自動ロボット歯ブラシ『g.eN(ジェン)』のプロジェクトが、12月2日からスタートした。
目標金額500万円は、即日達成。定価は3万6520円だが、期間限定の割引特典や、2個セットプラン特典などが用意されていて、2026年1月25 日まではサポーターになれる。
早稲田大学発スタートアップの株式会社Genicsが手掛ける『g.eN』は、口にくわえるだけで手を動かすことなく、歯を全自動で磨ける夢のロボット歯ブラシだ。
複数の小さなブラシが歯にぴったり沿うようになっていて、ブラシが移動・回転しながら歯垢を除去する。Genics代表の取締役の栄田源氏によれば、独自開発のバネ機構により、骨格、歯並びの個人差を問わずフィットするため、誰でも使用可能とのこと。
すでに要介護の高齢者や、障害等で自身での歯磨きが難しい人向けに製品を提供しているほか、提携する歯科クリニックでもテスト販売を実施している。「実用化された全自動歯磨きロボットは、おそらく世界初」という。
今回プロジェクトがスタートした新製品は、介護向けに提供されている初期モデルから小型化をはかったもの。重さも220gと従来モデルよりも100g軽量になっている。
4つのモードを搭載し、最短60秒で歯みがきが終了。充電はUSB type-Cで、消耗品となるアタッチメントの追加購入も可能だ。子ども向けのアタッチメントも用意されている。
ほかにもある!体験会で製品に触れた注目プロジェクト
kibidangoの製品体験会ではこのほかにも、様々な製品を体験することができた。以下、実施中のプロジェクトとあわせて紹介する。
きびだんごの松崎代表が今後注目するガジェットとは?
これまで500件を越えるクラウドファンディングのプロジェクトをサポートするなど、ガジェット好きとして知られる、きびだんご 代表取締役の松崎良太氏。
体験会では「世界のAIガジェット最前線」と題したトークも展開された。
世界中で開催されているテックカンファレンスへの参加経験などをもとに、注目のAIガジェットとして、日本未発売のウェアラブルAIアシスタントデバイス『Bee Pioneer Edition』やなどを紹介した。
松崎氏によればグローバルでは近年、スマートリングやXRグラスなど、ウェアラブルデバイスを手掛けるスタートアップの大型資金調達が、相次いでいるとのこと。
ハードウェア×ソフトウェア製品にくわえて、サブスクサービスの提供で安定的な利益が出始めていることも、後押しになっているという。
米国では就寝中も着けやすいスマートリングが伸びているほか、「AIを用いたヘルスケアサービスも広がっている」と松崎氏。
検査機関と連携して自分の細かなバイタルデータをもとに健康管理ができるスマートバンド『WOOP』のサービスや、『Vixion』のように、年齢とともに衰える目や耳の機能をサポートする、エイジテック製品についても取り上げた。
また最近Meta社に買収された『Limitless』や、クリップカメラの『Saveclip』など、音声や映像をユーザーに代わって記録し、AIでまとめたり、引き出したりできるデバイスも紹介。
OpenAIが開発中とされ、来年のローンチが期待されるAIデバイスについても、注目していると話していた。
AIの進化とそれに伴うコストダウンによって、今後さらにAIを活用した様々なデバイスが登場してくるはず。2026年にはどんなユニークな製品に出会えるか、引き続きクラウドファンディングサイトに注目したい。
文/太田百合子
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