三井住友カードは2025年11月28日、「『三井住友カード Visa Infinite』の特別な世界観を体験できるブランド発表会」を開催した。
『三井住友カード Visa Infinite』はVisa最上位ランクのカードで、9月30日より申し込みを開始。一般申し込み可能なカードとして、国内初の「Visa Infinite」となった。
年会費9万9000円。新規入会で利用条件を達成すると10万ポイント。翌年以降、継続して利用条件を達成すると11万ポイントがもらえるなど、同社史上最高ランクの特典が魅力だ。
この特典に加えて注目したいのが、年間50回以上開催される会員限定の特別イベントだ。今回の発表会では、この特別な体験価値がどういうものかを感じることができた。詳しく説明しよう。
キャッシュレス決済と富裕層の増加がプレミアムカードを生む
そもそもこのようなプレミアムカードが登場した背景には、日本のキャッシュレス決済比率が昨年43%と、政府目標を1年前倒しで達成したことが挙げられる。当然、クレジットカードの利用も増え、三井住友カードの買い物取扱高は昨年約40兆円と右肩上がり。富裕層の増加もその消費傾向を後押しする。
このようなキャッシュレスの進展と、金融サービスのデジタル・モバイルシフトという2つの大きな流れが進む中、金融サービスに求めるものが大きく変化。その期待に応えるために『三井住友カード Visa Infinite』では、最先端のデジタルサービス、最高水準のリワードプログラム、充実のプレミアムサービスに加え、特別な体験価値を提供する。
発表会に登壇した代表取締役 社長執行役員 CEOの大西幸彦氏は、「特別な体験価値にこだわったところがこのカードの新しさ」だと言い、ダイニング、音楽・観劇、アート、趣味・レジャーの4つのジャンルで限定イベントを毎月開催。「年間50回以上という、ここでしか得られない特別な体験を提供していきたい」と語った。現在、直近の12月や1月に開催するイベントの募集を開始中だそうだが、各ジャンルともに多くの申し込みがあり、手応えを感じていると言う。
お金では買えない特別な体験価値が重視される
特別な体験価値において欠かせないのが、Visaのスポンサーシップを活用した唯一無二の体験だ。発表会にはビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長が登壇。
「『三井住友カード Visa Infinite』は特別な体験の入口となる。その特別な体験は約束ではなく、ひとりひとりの物語になる」と語り、会員向けに2026年6月開催の「FIFA ワールドカップ26」の特別プログラムを提供することを発表した。
特別観戦チケットを用意すると共に、オリジナル観戦グッズや選手のサイン入りアイテムなどのプレゼント。また、大会終了後には、日本代表の堂安律選手のスペシャルイベント「BEYOND THE LIMIT-堂安律、挑戦の原点(仮)」への招待も予定する。
三井住友カードが提供する特別体験イベントについては、マーケティング本部 本部長の伊藤亮佑氏が説明した。
カードのサービスやイベントを企画するにあたり、多くのプレミアム層から意見を聞いたと言い、「価格よりも自分にとって価値があるか」「普通では買えないモノやコトを希求する」というプレミアム層の共通する価値観を基に、4つのジャンルの特別体験イベントを具体化していった。それぞれのコンセプトや内容が以下だ。
●ダイニング
「五感で感じる至福のとき」をコンセプトに、単なる食事ではなく、限定メニューやシェフによる解説といった特別な要素を加えることで、記憶に深く刻まれる体験を提供する。
●音楽・観劇
「知的好奇心を満たす旅」がコンセプト。貴重な賞への招待だけではなく、出演者との交流の機会を持てるなど、より参加者の心に強く刻まれる体験を生み出す。
●アート
「芸術との特別な出会い」をコンセプトとして、伝統的な芸術から現代アート、デジタルアートまで、多面的で多様なアート体験を提供。
●趣味・レジャー
「洗練された日常のために」がコンセプト。好きなことを、その分野の一流の人から学ぶ機会を創出。楽しみながら知的好奇心を刺激し、生活の質を向上させる学びを提供する。
具体的には、ダイニングでは、中華料理界をけん引する脇屋友詞シェフと有名パティシエの鎧塚俊彦シェフとの特別コラボコースの提供。三井住友カードのイベントで元々繋がりのあった脇屋シェフが、仲の良い鎧塚シェフに声掛けしてくれたことで、このイベントが実現したそう。
音楽・観劇のイベントでは、5年に一度、ポーランドのワルシャワで開催される「ショパン国際ピアノ・コンクール」の「入賞者ガラ・コンサート」の特別席を提供。クラシック界のオリンピックとも言われるだけに、チケットは即時完売だったが、特別席を用意することができた。
アートでは、世界的に人気の高い印象派画家の歴史を学ぶことができるIMMERSIVE JOURNEY「印象派画家と過ごす夜」のVR体験を用意。臨床派画家を長年研究する成安造形大学名誉教授の千速敏男氏の特別講演や、IMMERSIVE JOURNEの運営会社であるCinema Leapの大橋哲也社長によるVR技術目線でのイベントの楽しみ方の特別講演の2種類のプレトークで体験の質を高める。
そして趣味・レジャーでは、日本のゴルフ界をけん引する石川遼との特別ラウンドを提供。太平洋クラブ御殿場コースを石川プロと一緒に回りながら、過去4回優勝している「三井住友VISA太平洋マスターズ」の名シーンや、ラウンド中の思考など、貴重な話を聴くことができる。
このような唯一無二の特別体験を提供できるのは、プラチナカード会員等のイベントで培ったSMBCグループの力があってこそ。「日本のキャッシュレスの対応にあがるプレミアムカードを長く提供し続けてきた三井住友カードと、プレミアム層のお客様と常に真剣に向き合ってきたSMBCグループだからこそ提供できる」と伊藤氏は力を込める。
会員限定イベントの特別な体験価値とは
発表会後には、三井住友カードのCMに出演する石橋静河氏がゲストとして登場。『三井住友カード Visa Infinite』の特別な体験な体験について、「日々のお金の支払いだけじゃなく、毎日を彩る発見や経験を提供してくれるのは素晴らしいコンセプト」と感想を述べた。
自身の特別な体験な体験として、最近、学び始めた能を挙げ、「先生が京都にいらっしゃって、お寺の一部をお借りしてお稽古させてもらっています。お稽古以外の時間にも一緒に紅葉を見に行ったり、お茶会に誘っていただいたりして、それがすごく贅沢な時間です」と語った。
その後、俳優の石黒賢氏、モデルで4児の母でもある東原亜希氏、ファッションディレクターの干場義雅氏、ピアニストの桑原志織氏がゲストとして登場。特別な体験をテーマにしたトークセッションを行なった。
東原氏は柔道家で夫の井上康生氏の仕事でハンガリーに行った時に、自分で着付けをして着物を着たことで、海外の方々に日本文化を紹介できた喜びを語った。そして石黒氏はWOWOWのテニス番組で「ウィンブルドン」のスペシャルナビゲーターを務めることから、選手が芝を走る足音や、息を呑むプレイの後の歓声など、現地観戦の魅力を伝えた。
よく船旅に行くと言う干場氏は、地中海のクルーズで船の一番後ろのデッキから見る船跡に上質な時間を感じると言う。桑原氏はベルリンの芸術大学やイタリアのピアノアカデミーで学ぶ中、演奏会を始め、オペラ、絵画など、本場の一流芸術に数多く接したことが人生の宝物だと語った。
『三井住友カード Visa Infinite』の会員向けに、干場氏は「ファッション特別講演」を予定。また、「第19回ショパン国際ピアノコンクール」で第4位に入賞した桑原氏は、1月に実施される「入賞者ガラ・コンサート」に出演。会員向けにその特別席が提供される。
トークセッション後には、桑原氏がピアノの生演奏を披露。ショパン国際ピアノコンクールでも演奏した「英雄ポロネーズ」の力強く、美しい旋律を奏でた。
まさにこの貴重な演奏が、『三井住友カード Visa Infinite』の会員が得られる体験価値だ。プレミアチケットとはいえ、「入賞者ガラ・コンサート」は何とかチケットを入手することができるかもしれない。とはいえ、イベントの中には特別に企画されたものも多い。
イベントは応募した上の抽選になるので、必ず行けるというものではないが、自分の興味を引き出してくれ、ラッキーにも参加できた時には、非日常の特別な時間を過ごすことができる。そのスタートラインにつくためのカードが『三井住友カード Visa Infinite』というわけだ。
筆者は桑原氏のピアノ演奏を実際に聴いたことで、このカードが提供したい世界観を思い描くことができた。年会費よりも特別な体験価値を重視したい。上質でラグジュアリーなイベントを体験したいという好奇心旺盛な人に勧めたい。
文/綿谷禎子
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