2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーの最終選考会が、2025年12月4日(木)、Bosch Forum Tsuzuki(ボッシュ ホール【都筑区民文化センター】)にて開催され、以下のとおり各賞が決定した。
日本カー・オブ・ザ・イヤー
■スバル「フォレスター」
【授賞理由】
スバル フォレスターは、走行性能、実用性、快適性、オフロード性能、そしてスバルが一貫して重視してきた安全性を高い次元で融合したSUVとして高く評価された。待望のストロングハイブリッド(S:HEV)の採用により、独自技術である水平対向エンジンは、燃費性能と走りの愉しさを両立する“スバルらしい環境エンジン”へと進化。さらに、アイサイトXをはじめとした先進運転支援技術や、歩行者だけでなくサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、安全装備の進化も高い評価を集めた。
インポート・カー・オブ・ザ・イヤー
■フォルクスワーゲン「ID.Buzz」
【授賞理由】
フォルクスワーゲン ID.Buzz は、BEV(電気自動車)のフルサイズミニバンという、現在国内市場では唯一無二の存在であり、BEVとしての完成度も極めて高い。電気自動車ならではのパッケージングが、ミニバンとしてゆとりある居住空間を実現し、BEVミニバンという新たなカテゴリーを切り開いた。さらに、“ワーゲンバス”として親しまれたType 2の魅力を現代的に継承したエクステリアデザインは、運転者のみならず周囲の人々までも笑顔にする存在感を放ち、高い評価を獲得した。
デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー
■フォルクスワーゲン「ID.Buzz」
【授賞理由】
いまなお色褪せない人気を誇るワーゲンバス(Type 2)のヘリテージを受け継ぎ、それを現代的に解釈したID.Buzzのエクステリアデザインは、ひと目でわかる強い個性を備えながら、誰にでも懐かしさと愛らしさを感じさせる魅力を放っている。テクノロジー優先で無機質になりがちな時代において、自動車にはエモーショナルな価値が不可欠であることを改めて示した意義は大きく、その存在はデザインのあり方に新たな視点を投げかけた。
テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー
■ポルシェ「911カレラGTS」
【授賞理由】
ポルシェ911の長い歴史の中で初めて採用されたハイブリッドシステム「T-Hybrid」は、運動エネルギーだけでなく熱エネルギーまで回生する、モータースポーツ由来の先進技術を搭載している点が大きな特徴である。電動化=エコという既成概念にとらわれない、ハイブリッド技術の新たな方向性を示すとともに、スポーツカーとしての走りの魅力を一切損なうことなく環境性能を高めたポルシェの技術力は高く評価された。
実行委員会特別賞
■ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京
【授賞理由】
2021年10月の開設以来、ポルシェジャパンは「地域との共生」を掲げ、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京 (以下PEC東京)が位置する千葉県木更津市との連携による地域活性化プログラムをはじめ、東京大学との共同プロジェクトとして若年層向けスカラーシッププログラムを展開するなど、社会的意義の高い取り組みを継続してきた。PEC東京は、単なるプレミアムブランドの発信拠点にとどまらず、「モビリティ社会に開かれたスポーツカー文化のプラットフォーム」として、企業と地域、そして人とクルマをつなぐ持続的なモデルを提示した。その先進的な社会連携の姿勢と具体的な成果は、日本の自動車文化のさらなる発展に寄与するものとして高く評価される。
実行委員会特別賞
■一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)
【授賞理由】
スーパー耐久レースを運営するSTMOは、2021年(当時:スーパー耐久機構)、試作車両などの参戦を可能にする「ST-Qクラス」を新設した。これにより、TOYOTA GAZOO Racing、SUBARU、ホンダ・レーシング、MAZDA SPIRIT RACING、日産自動車/日産モータースポーツ&カスタマイズが試作車両を投入し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、ブリヂストン、ENEOSとともにカーボンニュートラル燃料や水素燃料などを活用した先進的な取り組みを開始した。さらに 2025年には、日本自動車会議所とともに、アメリカンモータースポーツの象徴であるNASCARのデモランなど、国際交流の新たなステージを切り開き、モータースポーツを通じて日米の文化交流を促進する「ST-USAクラス」を新設した。2021年から続く革新的な試みと、2025年の新たな挑戦は、モータースポーツの未来を示す取り組みとして高く評価される。
日本カー・オブ・ザ・イヤーとは
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、日本のモータリゼーションの発展とコンシューマーへの最新モデルおよび最新技術の周知を目的として、1980年に創設。一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤーが構成する日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会により運営されている。
第46回の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、2024年11月1日から2025年10月31日までに日本国内で発表・発売されたクルマのなかから賞典の基準を満たす、国産車10台、輸入車25台の全35台をノミネート。その35台のなかから、実行委員によって選出された60名の選考委員による一次選考で10ベストカーが決定。同選考委員が10台に対して最終選考であらためて投票を行い、最高得点を獲得したモデルを、今年度のイヤーカーとして選出した。
構成/土屋嘉久







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