10月21日に行われた首相指名選挙で高市早苗内閣総理大臣が誕生しましたね。高市さんは積極財政派ですから「サナエノミクス」で株価もさらに上がるんじゃないかという期待から、日本の株式市場は好感しています。
一方で、トランプ関税には世界中が本当に振り回されていますよね。それでも日本株が強いのは、一部のAI銘柄が引っ張り上げているから。〝AIバブル〟と言ってもいいんじゃないかと思います。
AIの凄まじい進化で「AI投資家」が生まれたらどうなるか考察してみました
最近のAIの進化って、本当に目覚ましいものがありますよね。僕はChatGPTを〝チャッピー〟って呼んでいて、毎日使っています。今日の気温を聞いたり、「●●の株が急騰した理由を教えて」というように、投資の判断材料集めにも使います。自分で時間をかけて調べればわかるのでしょうが、それをサッとまとめてくれる。AIが生活に完全に溶け込んでいるのを感じますね。
動画生成AIも恐ろしく進化していますよね。昔は「衝撃映像100連発」みたいなハプニング動画って面白かったし、みんな「本当の出来事」だと思って見てたじゃないですか。でもこれからは、「これってAIで作ったんじゃないか?」という疑いから入らないといけなくなる。奇跡映像を見ても、素直に楽しんだり感動したりできなくなるかもしれません。何かを得ると何かを失うんだなって痛感します。
そうなると、事件の証拠動画とかの信憑性にも影響が出そうですね。街中の監視カメラ映像がAIで捏造された可能性があるとなると、証拠としての価値が大きく変わってしまう気がします……。社会の「真実」までAIが揺るがしかねないって、怖いですよね。
〝AI投資家〟が誕生したらどんな株式市場になるのか?
実は、半年ほど前にもこの連載でAIの進化について考えたことがあって、もしAIが個人投資家の手法を学習して僕と同じトレードができるようになったり、「人間が裏をかいてきてるから、さらにその裏をかこう」なんて考え出したら、それでも勝てるのかなって不安になる、ということを話しました。「テスタAI」が登場するような世界はまだ先のことだと思っていましたが、人間のニュアンスまで理解するチャッピーの能力を見て、「あ、これ現実になるかも」と感じるようになりました。特に株の世界は稼ぐことができるとわかって優秀な人たちが一気に参入してくると、ものすごいスピードで進化する気がします。
もしとんでもない数の人間の心理やすべての銘柄のビッグデータや、世の中の情報を瞬時に分析して常に最善手を繰り出す〝AI投資家〟が生まれたら……。AI同士の戦いだと、情報が出た瞬間に最適な株価が決まって動かなくなるような相場になるのかな。
あるいは、例えばiPhoneの決算を待つんじゃなくて、毎日、世界でどれくらい売れているかをチェックして、それに合わせて売買を繰り返す。そして、決算の数字も先に当ててしまうような〝ファンダメンタルズの先読み〟までできるようになるかもしれません。
AIと戦う時代が本当にすぐそこまで来ている。株式投資家としてそんな時代にどう対応するか、AIの進化から絶対に目を離しちゃいけないなと思っています。

「株式市場は稼げる」とわかれば、優秀な人たちがたくさん参入してきて、ものすごいスピードで「AI投資」が進化するかも?
流行を斬る!
【1】高市首相の誕生で市場に期待感。AI銘柄が牽引し、AIバブルの様相に
【2】AIが生活や情報収集を変える一方で、偽動画などが「真実」を揺るがすリスクも
【3】「AI投資家」の出現で市場は激変?AI投資時代の戦い方を探る必要がある

テスタさん
2005年、300万円を元手にデイトレを中心に株式投資を開始、6年目で億トレーダーに。2015年からは中長期投資も始める。収支は19年連続プラスで、生涯獲得利益は100億円を超える。監修本『マンガでわかるテスタの株式』(大和書房)が発売中。
文/テスタ 構成/向井翔太
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