「足元がその人のセンスのすべてを語る」──社会学者や評論家が、昭和、平成と折に触れ主張してきた金言は、令和となった現代でも通用しそうだ。プレミアムスニーカーを経て、再びシューズ業界からトレンドのゲームチェンジャーが浮上した。それが、スニーカーとローファーを掛け合わせた新スタイル
〝スノーファー〟だ。
定番として継続する高いポテンシャル
ビジネス界隈ではスニーカー風のソールを備えたスニーカー型ローファーは珍しくない。それに対してスノーファーは、主従を逆転させたローファー型スニーカーといったところだろうか。これが20~30代の若者に大いにウケている。なぜか?
スニーカーセレクトショップ『atmos』のPR担当・池澤睦実さんが語る。
「2020年頃から『メゾン マルジェラ』や『グッチ』などの有名ブランドや百貨店がスニーカーのカウンターとしてローファーを打ち出しはじめました。潮目を大きく変えたのは、『ジュンヤ ワタナベ マン』という日本のトップブランドです。2024年1月開催のパリ・ファッションウィークでニューバランス『1906L』を使ったスタイルを発表。これがスノーファー人気に火を付けました」
事実『atmos』のシニアディレクターであり、界隈のトップインフルエンサーでもある小島奉文さんが、ランウェイの様子をInstagramへ投稿すると、消費者だけでなく、様々なメディアからも問い合わせが殺到。『1906L』の予約販売を開始すると抽選数を大幅に超える事態に。現在、NIKEを筆頭に数多くのメーカーが競うように新作を投入しているが、さて大人もこのブームに乗るべきか?
「ジャストタイムなトレンドではありますが、一般的なスニーカーと比べ、スノーファーはややフォーマルなスタイルや、少しキレイめを意識した足元にも寄り添うデザイン。永世定番とまではいかないまでも、新定番として継続する高いポテンシャルを感じています」(池澤さん)
オン・オフ兼用シューズの大本命だ。
ハイテク|NIKE
ハイテクスニーカー調ハイブリッドモデル

ナイキ『NIKE W AIR MAX PHENOMENA SWDC』2万130円
前衛的なスタイルを得意とするセリーナ・ウィリアムズ デザイン クルーが手がけたモデル。サドル付きの古典的なローファー調のアッパーに、エアーを搭載したソールを融合。女性向け商品だが、29cmまでサイズがあり、男性にも対応。


Y2Kを席巻したNIKEのハイテクスニーカー『エアマックスサンダー』のソールを採用。ハイテクな履き心地と安定性を提供する。
ランシュー|NEW BALANCE
スノーファー人気の火付け役

ニューバランス『U1906LAE SILVER』1万9800円※
2000年代のランニングシーンを象徴する人気モデルを最新技術で再構築した『1906D』をアレンジ。10月にブラックカラーの『U1906LAI』が発売され、こちらも話題に。23〜30cm。
※完売

グレーベースにメタリックな補強パーツを取り入れたY2Kスタイル。構築的なオーバーレイに『1906D』の面影を感じる。
クラシック|CONVERSE
大人でも挑戦しやすいプレッピースタイル

コンバース『ALL STAR COINLOAFER SU』1万6500円

「ALL★STAR」のロゴを刻印したコインが付属。サドル部に挟めばプレッピースタイルが完成。
取材・文/渡辺和博 編集/原口りう子
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2025年10月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。







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