12月3日は「カレンダーの日」だが、手帳やカレンダーに1年間に書き込まれたスケジュールをみて今年を振り返るのも年末らしい楽しみだろう。
TimeTreeの社内研究所『TimeTree未来総合研究所』は、国内累計3000万超のユーザーが利用するカレンダーシェアアプリ『TimeTree』のカレンダーに登録されたデータをもとに、2025年を象徴する“予定”トレンドを表彰するアワード『TimeTree Schedule of the Year 2025』を発表した。
今年は、「おでかけ部門」、「映画部門」、「アーティスト部門」、「フード部門」、「社会部門」、「ネクストトレンド部門」の6部門を設けて、各部門で5つのワードをノミネート。ノミネート対象から今年をもっとも象徴するワードとして「万博」が「Schedule of the Year」に選出された。
おでかけ部門は圧倒的予定数だった「万博」が1位
おでかけ先のイベントや施設などの予定を対象とした「おでかけ部門」では、「Schedule of the Year」にも輝いた「万博」が1位だった。「万博」を含む予定の登録数推移を日別で見ると、2025年4月13日の開幕日以降来場者数は徐々に増え、音楽ライブや花火、ブルーインパルスの飛行など各種大型イベントのタイミングで大きな盛り上がりを見せていることがわかった。さらに9月中旬頃からは、閉幕前の駆け込み需要で予定登録が急増した。
それ以外の予定では、『Nintendo Switch 2』の発売が話題になった任天堂に関連して『ニンテンドーミュージアム』がランクインし、2025年7月28日にオープンしたばかりの『ちいかわパーク』、初の秋開催となった『淀川花火大会』、4月から半年に渡って開催された『デザインあ展』などが上位に並んだ。世界の文化や食、キャラクター、ゲーム、テレビ番組の世界観など「非日常」が楽しめる予定が並ぶ結果になった。
映画部門は興行収入400億円を控えた『鬼滅の刃』が1位
2025年に公開された映画作品に関連した予定が対象となる「映画部門」では、7月18日に劇場版三部作の第一章を公開した『鬼滅(の刃)』が1位だった。日別の予定登録数推移では、公開から数日の間に多くの予定が集中し、特に公開初日に爆発的な伸びがあったという。
その割合は、『TimeTree』に登録された予定のおよそ90件に1件が「鬼滅」関連の予定という人気ぶりだ。2位以下には、邦画実写の興行収入歴代1位に輝いた『国宝』やテレビアニメシリーズの続編を映画化した『チェンソーマン』、ゲーム『8番出口』やアニメ『リロ&スティッチ』の実写化作品などの話題作もランクインした。
アーティスト部門では次世代ガールズカルチャーの象徴「ちゃんみな」が1位
アーティスト名に関する予定が対象となる「アーティスト部門」では、今年話題を集めたアーティストの「ちゃんみな」が1位だった。ホールからアリーナまで14公演を巡る全国ツアー『AREA OF DIAMOND 3』の発表が大きく影響したようだ。ガールズグループオーディション『No No Girls』などにも関与が集まり、次世代ガールズカルチャーの象徴として「推し活」熱が高まり、ライブ、配信視聴、発売日の登録が一気に増えたと推測される。
2位には、1位の「ちゃんみな」と関連してオーディション番組『No No Girls』から誕生した「HANA」がランクインした。3位の「ONE OK ROCK」と4位の「平井大」と5位の「timelesz」は、大型ツアーを発表しており、遠征の計画や複数公演管理のニーズが予定登録を押し上げたようだ。
フード部門は第二次ブーム到来の「アサイー」が1位
「食」に関する予定が対象となる「フード部門」では、「アサイー」が1位を獲得した。約10年前にもブームが来て、現在は第二次ブームが訪れているといわれる「アサイー」。高い栄養価と美容効果からZ世代を中心に人気が高まり、今回の1位につながった。
「アサイー」を含む予定の日別登録数の推移では、年始からじわじわと予定数が増加して、『セブンイレブン』や『スターバックス』などで「アサイー」関連の商品が発売されるタイミングで大きく予定登録が増えていたという。そのほかの予定の上位は、「麻辣湯」や「みそきん」、「もっちゅりん」など若い世代に人気の食に関するワードが多かった。
特に「もっちゅりん」は、販売期間が6月初旬からの1か月あまりだったにも関わらず、4位に入ったことから瞬間的な人気の高さがうかがえる。5位の「かき氷」は、今夏の猛暑が背景にあったと思われる。
社会部門では話題豊富なマイナンバーが1位
広く社会全体に影響を与えた出来事やトピックの予定が対象となる「社会部門」では、「マイナンバー」が1位を獲得した。2025年は、マイナンバー普及初期の2016年にカードを申請した人が有効期限を迎えて、マイナンバーカードの「2025年問題」として取り沙汰されたほか、12月には健康保険証がマイナ保険証に一本化されたり、スマホでのマイナ保険証利用が開始されるなどマイナンバーカードに関する話題が多かったことが要因だろう。
「マイナンバー」を含む予定の登録数推移を日別で見ると、ゴールデンウィークに入る直前の4月28日やお盆休暇に入る前の8月12日、シルバーウィーク中日の9月22日に予定登録が集中しており、役所が休みに入る前に手続きを済ませようと予定などに登録した人が多かったことが読み取れる。
そのほかの予定では、「世界陸上」や「参議院選挙」、「国勢調査」など数年に一度しか行われないイベントに関連した予定のほか、発売後の転売対策などが話題になった『switch2』もランクインした。
ネクストトレンド部門には多様なジャンルが出揃う
「TimeTree未来総研」がジャンルを限らず、次に来るトレンド予定をピックアップしたネクストトレンド部門では、「ピックルボール」、「耳つぼ」、「自然界隈」、「aiセミナー」、「地域クラブ」の5つが選出された。
「ピックルボール」は、アメリカで発祥したテニスとバトミントン、卓球を組み合わせたようなニュースポーツ。アメリカでの急激な人気上昇を背景に2025年には競技人口が前年約5倍の5万人に到達し、国内初のプロリーグ戦の開催や専用屋内施設のオープンなどが話題になった。
「耳つぼ」は、耳のつぼにチタンのボールが付いたシーツを貼り付けることで、おしゃれを楽しみながら美容や健康をサポートできる「耳つぼジュエリー」が流行したことで予定数が上昇した。見た目の可愛さから若年層を中心に、予定の登録が多くなっているという。
「自然界隈」は、自然好きな人々の緩やかなつながりや自然を楽しむ様子をSNSに投稿することを表したワード。今回の表彰対象には入らなかったが、「自然界隈」の予定増加に伴って、都心近郊で自然を楽しめる「上高地」や「深大寺」や「秋川渓谷」といった地名の予定数が増加したという。
「aiセミナー」は、世の中全体での急激な「AI技術」の浸透に伴い、予定登録数が大きく伸びた。プライベートの予定が多くノミネートされたアワードで、ビジネスパーソンの関心が高く、唯一のビジネスに関連したワードとして選出された。
「地域クラブ」は、学校部活動の一部を地域の団体が担い、休日の練習や大会運営を地域で支える仕組み。2025年にはスポーツ庁と文化庁が活動要件や安全管理などを定めた「地域クラブ活動の認定制度」案を示し、市町村での制度整備と支援スキーム作りが本格化している。それによってネクストトレンドとして選出された。
今回のアワードを開催した「TimeTree未来総研所」の深川泰斗所長は次のようにコメントしている。「この度「Schedule of the Year」を初めて開催し、ユーザーのみなさまが日々登録している“予定”には、その年の空気感や生活者の関心が鮮明に刻まれていることをあらためて実感しました。
今年は、「万博」をはじめとした大型イベントの盛り上がりや「アサイー」、「耳つぼ」などZ世代を中心とした軽やかなブーム、そして「マイナンバー」や参院選といった社会的テーマまで多様なトレンドが予定から読み取れました。また「ピックルボール」や「地域クラブ」といった新しい価値観や取り組みも台頭し、「次に来る兆し」を予定が確かに示していました」
スケジュールの予定から読み解くトレンドは、2025年を振り返るキーワードとして納得感が高いランキングになっていた。今回は初開催だったが、今後もイベントやトレンドの振り返りイベントとして「TimeTree Schedule of the Year」を継続して開催してほしい。
データ集計について
対象データ:2025年1月1日~2025年10月31日に国内『TimeTree』ユーザーが作成した予定のタイトル
集計条件:2025年(1月1日~10月31日まで)と2024年1年間を比較して、2025年の1日あたりの平均登録数が2024年の2倍以上ある予定タイトルを抽出。部門に該当する予定タイトルを1日あたりの平均登録数の差が多い順に選出。予定タイトルは名寄せをせず、登録されたままの名称で選出。
データの取り扱いについて:匿名性を保つために統計的に処理したデータを使用して分析
https://timetreeapp.com/intl/ja/newsroom/2025-12-03/schedule-of-the-year-2025
構成/KUMU







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