ホンダCR-V。ホンダファン、CR-Vファンにとって、今や懐かしい響きを持つホンダのSUVかも知れない。
ホンダ最上級SUV「CR-V」が日本専用チューニングで再上陸、先行予約は2025年12月15日から
そんなCR-Vはホンダがグローバルに展開するクロスオーバーSUVとして初代が1995年にデビュー。
日本でも大ヒットした2001年登場の2代目まではシビックのプラットフォームを用いていたが、2006年デビューの3代目からはアキュラRDXなどと同じグローバルプラットフォームを採用。
基本を4WDとして、FFも用意するという車種展開だった。そして3代目はボックス型ボディから一転、丸味を強調したエクステリアデザインに変更。ここでコンパクトクロスオーバーサイズからミッドサイズクロスオーバーSUVに格上げされ、プレミアム感を一気に高めていったのである。
2011年にフルモデルチェンジした4代目は3代目を進化させたエクステリアデザインとなり、3代目よりややコンパクトなボディサイズとなったものの、室内空間、ラゲッジルームの広さはむしろ拡大。使いやすさを高めたのが特長だ。
2016年登場の5代目は北米市場から発売。当時のシビックの新世代プラットフォームを採用するとともに、CR-Vとして初となるSPORT HYBRID i-MMDを新搭載。
EVドライブモード、HVモード、エンジンドライブモードをシームレスに切り替えられる走行性能が特長であり、SPORT HYBRID i-MMD×リアルタイム4WDを新設定。合わせてガソリン車も用意されている。
そして2022年に6代目となったのだが、日本仕様はおあずけ。2024年7月に遅れてCR-V e:FCEVが導入されたものの、燃料電池車かつリース専用車両ということで、一般販売はされなかったのだ・・・(しかも809万4900円!!)。
ホンダの一般販売されているSUVは現在、WR-V、ヴェゼル、事実上、CR-Vの後継モデルだったZR-Vの3車種が揃っていたところだが、ホンダとしてはブーム絶頂のSUVの拡充を考えて当然。
もちろん、社内外からCR-Vの復活を望む声もあったはずで、満を持して2026年2月にCR-Vを発売することになったのである。先行予約は2025年12月15日からだ。
新型CR-Vの日本仕様は2022年に北米で販売を開始した6代目のタイ生産の日本専用仕様ということになり、「感動CR-V」をグランドコンセプトとして登場するのだが、顔つきはCR-V e:FCEVとは別もの。
とにかく、6代目特有のAピラーを後ろに引いてボンネットを長く見せるデザイン手法(ダンパー付きボンネット)やショルダーラインの水平基調のあしらい、LEDヘッドライト内のブラック加飾、ダーククロームモールを含め、ホンダSUVとしてかなりスタイリッシュかつ上質な佇まいを見せる。
実車を確認した印象は、欧州プレミアムSUVに遜色ないスタイリングと言っていいだろう。実用面ではパワーテールゲート、シャッターグリルの駐車クローズ機能、ウォッシャー内蔵のスマートクリアワイパーを採用。新ワイパーはゴムの劣化を抑制してくれる機能まであるのだから、経済的でもある。
なお、ボディサイズはZR-V比で全長+130mm、全幅+15mm、全高+60mm。つまり全長4700mm、全幅1855mm、全高1680mmの堂々たるサイズになる。ホイールベースはZR-Vの2655mmに対して2700mmだ。
そう、CR-Vはホンダの最上級、フラッグシップSUVに君臨することになる(国内仕様)。VWゴルフ的に言えば、6.5世代と言っていいかも知れない。
パワートレーンはアコード搭載のアトキンソンサイクル直噴2Lエンジンと高出力モーターを並行軸配置した新型E-CVT(2モーター内蔵CVT)を組み合わせた最新の第四世代e:HEVをベースに、CR-V専用のハイ/ロー2段のエンジン直結ギヤを備え、ギヤレシオを専用設定したHVパワートレーンを搭載。AWDは60:40から50:50に可変するところが新しい。
ちなみにアコードe:HEVモデルのスペックを参考紹介すると、エンジン108ps、18.6kg-m、モーター184ps、34.2kg-mとなっている(CR-Vとは異なる可能性あり)。
なお、タイヤはタイ仕様では17/18/19インチを用意しているのだが、日本仕様は最上級のRSグレード(とそのブラックエディション)のみの展開で、すなわち最も大径の19インチタイヤが装着されている。
トグルスイッチによるドライブモードは先代からあるノーマル、ECON(エコモード)、スポーツに加え、新たにインディビジュアル、SNOWを追加。
さらにパワートレーンドライブモードとして、EVドライブ、ハイブリッドドライブ、高速走行におけるエンジンドライブモードだけでなく、市街地走行でも可能な緩加速、登坂で使えるホンダ初のエンジンドライブを新採用。
市街地走行での燃費を向上させる狙いがあるという。つまり、パワートレーンの進化は極めて著しいということだ。
一方、日本仕様専用にコーディネイトされたインテリアもかなり洗練されている。水平基調のインパネ、10インチの液晶メーター、9インチのGoogleディスプレイを採用し、自然に使えるHMIを実現。
メッシュ状のエアコン吹き出し口はホンダ車としてはおなじみだが、シートは本革が奢られ、インテリアは動感視界の観点で造形され、使い勝手と視界の良さが特徴となる。
具体的にはホワイトアウトしたような環境でも、フロントピラーとドアミラーの位置関係(隙間)やボンネットフードの見え方が先代と大きく違う点であると説明される。
もちろん、シフターはエレクトリックギアセレクターだ。オーディオはBOSEサウンドシステムが標準装備となる。
パッケージングの進化にも注目で、後席はクラストップレベルのタンデムディスタンスをキープしつつ、膝周り空間を先代比で16mm拡大。190mmの後席スライド量とともに、リクライニング機構を2段階から一気に8段階に増やし、長時間の着座でも疲れにくい姿勢がとれるようになっているという。
ZR-Vの370Lに対して589L!!もの容量を誇るラゲッジルームは掃き出しフロア(開口部に段差なし)であるとともに、後席両側を倒せば前輪を外した自転車2台を積み込め、6:4分割の後席片側だけ倒した状態でもゴルフバッグ2セットと大型スーツケースを積み込める大容量となっている。
後席格納部分にスロープ状の段差があるのは惜しいが、後席のシートの厚み=かけ心地を重視した結果だと説明されている。
グレードはRSとRSブラックエディションの2タイプで、RSにはFFと4WDが。ブラックエディションは4WDのみの設定となる。
RSとブラックエディションの違いはブラックエディションがより高級な仕様となり、下回りのピアノブラックパーツ、サンルーフ、ヘッドアップディスプレイ、シートベンチレーション(熱い時期の着座をより快適にする機能で、エアコンの冷風をシートバックから吸い込み、座面から吐き出す)、ホンダセンシングの支援シーンを拡大した、カーブ車速調整機能やレーンチェンジ支援機能などの機能が追加されるホンダセンシング360までもが標準装備されることになる。
そんな新型CR-Vは走りについても相当にブラッシュアップされているという。2026年2月に予定されている発売以降に「感動CR-V」と謳われる新型CR-Vの公道試乗記をお届けしたい。
文・写真/青山尚暉







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