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11月の日本株に何が起きたのか?日経平均は4.1%下落でもTOPIXが上昇した理由

2025.12.05

民間企業による指標でありながら国の経済統計にも使用されるなど、現在、最も知られている国内経済指標と言える日経平均株価。東京証券取引所プライム市場に上場する約2000銘柄から、日本経済新聞社が売買高が多い225銘柄を全業種から選んで算出している。ちなみに「日経平均」「日経平均株価」は、同社の登録商標だ。

一方、TOPIX(=東証株価指数)は、東京証券取引所に上場する約1700銘柄(2025年1月時点)の時価総額の合計を終値ベースで算出。基準日である1968年1月4日の時価総額を100として指数化したものだ。そしてTOPIXには、構成銘柄を【流動性(売買代金)】と【時価総額】の観点から区分した規模別株価指数「TOPIXニューインデックスシリーズ」がある(※)。

※ TOPIXニューインデックスシリーズ:TOPIX Core30、TOPIX Large70、TOPIX 100(大型株)、TOPIX Mid400(中型株)、TOPIX 500、TOPIX Small(小型株)、TOPIX 1000、TOPIX Small500、TOPIX Micro Capの9指数

そんな日経平均とTOPIXについておさらいをしたところで、三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏から2025年11月の日本株に関する考察リポートが到着しているので、概要をお伝えする

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

日経平均は11月に4.1%下げたが、一部値がさ株の影響が大きく構成銘柄全体の下げではない

今回のレポートでは、11月の日本株のパフォーマンスを振り返り、特徴的な動きがみられたか否かを検証したい(図表1)。

検証期間は10月31日から11月28日までとして、まず、日経平均株価の騰落率からみていくと、この期間は4.1%下落した。下げ幅は2157円43銭で、マイナスの寄与度の大きい上位3銘柄は、ソフトバンクグループ(約2054円)、アドバンテスト(約685円)東京エレクトロン(約239円)だった。

これら3銘柄の下げは、米人工知能(AI)関連銘柄の調整を受けたものと思われ、いずれも値がさ株のため、日経平均の下げ幅が拡大したものと考えられる。

特にソフトバンクグループ1銘柄だけで、日経平均の下げをほぼ説明できてしまう。ただ、日経平均を構成する225銘柄のうち、11月に下落したのは68銘柄にとどまり、157銘柄は上昇しているため、日経平均構成銘柄が幅広く売られる展開ではなかった。

■実際、TOPIXは上昇、業種別では内需、規模別では小型、スタイル別ではバリューが選好された

実際、東証株価指数(TOPIX)や東証プライム市場指数は11月に、いずれも1.4%上昇しており、日本株全体が崩れたわけではない。

次に、業種別指数の動きをみると、上昇率の大きい5業種は、鉱業、不動産業、建設業、電気・ガス業、医薬品で、下落率の大きい5業種は、情報・通信業、海運業、機械、非鉄金属、電気機器となっており、全33業種のうち、下落は7業種にとどまり、26業種は上昇した。

規模別、スタイル別指数では、11月にTOPIX 100(大型株)は0.2%、TOPIX Mid 400(中型株)は3.8%、TOPIX Small(小型株)は5.1%、それぞれ上昇した。

一方、TOPIX バリューは4.0%上昇し、TOPIX グロースは1.1%下落。さらに規模に分けると、TOPIX 500 バリューは3.8%、TOPIX Small バリューは6.6%と、いずれも上昇しており、TOPIX 500 グロースは1.4%の下落、TOPIX Small グロースは3.5%の上昇だった。

■米AI相場調整の日本株への影響は限定的、再び調整の際には、今回の各指数の動きが参考に

また、外需・内需別では、日経平均外需株50指数が1.0%上昇、日経平均内需株50指数が7.5%上昇しており、そのほか、日経平均高配当株50指数は7.2%上昇、東証REIT指数は3.1%上昇となっている。

以上を踏まえ11月の動きを総括すると、AI・半導体関連銘柄の下げが目立ったものの、日本株全体への影響は限定的で、総崩れの流れには至らなかったと判断できる。

業種別では、4月から大きく上昇していた情報・通信業などが11月は下落し、出遅れていた医薬品などが上昇した。また、総じて大型よりも小型、グロースよりもバリュー、外需よりも内需のパフォーマンスが好調で、配当や分配を選好する動きもみられた。

この先、米AI相場の調整が再び強まるような局面において日本株を見通す場合、今回のような動きが参考になると思われる。

関連情報
http://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

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