災害大国の日本で暮らす以上、万が一の備えは欠かすことができない。そのため、非常食や懐中電灯などを防災バッグに入れて保管している人は多いだろうが、必要ではあるものの忘れがちな「意外な盲点」も存在するようだ。
大幸薬品はこのほど、全国の20~69歳の男女1,000名を対象に「防災に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
災害への備えの中で、“音の出るもの”は最も準備が進んでいない
災害に備えて準備している防災用品を尋ねたところ、「非常食(48.8%)」「照明器具(45.5%)」「電源(36.0%)」など、災害時の生活の維持に直結する備えは3~5割の人が行っていることがわかった。
一方で、「音の出るもの(17.1%)」は全項目の中で最も低く、災害時に自分の存在を知らせるための備えはほとんど進んでいなかった。多くの人が災害時の生活維持の備えには手をつけているものの、「助けを求めるための備え」が後回しになっている現状が示された。
音の重要性は76%が理解、一方で“備え”は進まない
“音の出るもの”の準備率(17.1%)が最も低かった背景には、対策方法がわからないなど、災害時に自分が助けを求める状況を思い描くことそのものが難しいという課題が見えてくる。実際「がれきに埋もれる」「身動きが取れない」など状況を想定して具体的な対策を行っている人は9.9%にとどまった。
また、「想定はするが対策はしていない(29.3%)」「想定しているが、どのように対策すれば良いかわからない(22.7%)」が半数以上を占め、必要性は感じていても行動に移せていない層が多いことが示された。
一方で、災害時の“音の役割”については76.3%が「重要」と回答しており、音の必要性そのものは広く理解されている。つまり、音が重要だと認識していても、備えとして形になりにくいというギャップが存在している。
ホイッスルの有効性、認識は62.5%。「発想がなかった」が43.8%と最多
災害時に“音で知らせる手段”として何が有効かを尋ねたところ、「ホイッスル(62.5%)」が最も高く評価されていた。大声(48.8%)やスマートフォンのアラーム(40.6%)よりも信頼されており、ホイッスルは最も有効な手段として位置づけられている。
しかし、防災用のホイッスルを持っていない理由を見ると、「備えるという発想がなかった(43.8%)」が最多となった。有効な手段だと理解されていても、「自分がホイッスルを使う状況」や「持つ必要性」が行動に変わらないことが示されている。その結果、「備える」という段階まで意識が進みにくい状況が生じている。
防災用ホイッスルを所持していない人は7割、持っていても使える状態にない
防災用ホイッスルを「持っていない」人は70.2%と多く、そもそも所持の段階に至っていないことがわかった。一方で、ホイッスルを持っている人でも、外出時に携帯しているのは7.6%にとどまり、「どこにあるかわからない(5.0%)」といった回答も確認された。
こうした結果から、ホイッスルは“持っていても使える状態にない”ケースが多く、所持していない層・持っていても活用できない層の双方に課題が残っていることが示された。
<調査概要>
1.調査方法:インターネット調査
2.調査対象:20歳~69歳
3.有効回答数:1000人
4.調査時期:2025年11月11日~11月12日
出典元:大幸薬品株式会社
構成/こじへい







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