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神保町はかつて映画の街だった!?唯一残る映画館「神保町シアター」の魅力に迫る

2025.12.06

英国の雑誌『タイムアウト』が毎年発表する恒例企画「世界で最もクールな街ランキング」。その2025年版で、東京・千代田区の“神保町”が選出された。

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神保町といえば、古書店がひしめき合い、小学館や集英社など大手出版社が立ち並ぶ“本の街”として知られている。他にもカレーの街や純喫茶の街など様々な一面を持っているが、実は”映画の街”の顔も持つ。

今回は神保町に現存する唯一の映画館である神保町シアターの支配人に話を聞いた。

再び“映画の街”になるべく神保町シアターは誕生

かつて神保町は“本の街”であると同時に“映画の街”としても発展していた。

東京で初めて映画が上映されたのは1897年。場所は、神田錦町にあった「錦輝館(きんきかん)」という劇場だ。戦前の神田・神保町界隈には、小規模な映画館から寄席まで多くの娯楽施設が並んでいた。

しかし、テレビの普及とともに映画文化は衰退し、映画館も姿を消していく。2025年現在、神保町に残る映画館は 「神保町シアター」ただ1館 となった。

神保町シアター支配人・佐藤さんに話を聞いた。

「神保町シアターは2007年に開館しました。今から数十年前は神保町には映画館や寄席が多くあり賑わいのある街でした。その賑わいを取り戻したいという思いから神保町シアターは誕生したと聞いています」

開館当初はポケモン映画の上映なども行っていたが、現在は神保町らしく、文芸映画や昭和の邦画(60〜80年代)を中心に配信やDVDではみられない作品をラインナップ。神保町シアターは年間200本以上の作品を上映しており日本映画のアーカイブとしての役割も果たしている。

神保町は今でこそカレーや昭和レトロの喫茶店を目当てに多くの観光客が来るようになったが、00年代の神保町は寂れた雰囲気のある街であった。特に、神保町はオフィス街でもあるので休日になると人の流れはまばらにしかみられなかった。

「本来、映画館は土日が一番お客様が多くなるのに神保町だと逆なんですよね。多くの古本屋さんも閉まっているから本を目当ての方もいないんです。しかし、いつ頃からかカレーや中華、喫茶店などグルメ関連で神保町が注目されるようになると、徐々に人が増えてきて、休日に営業をするお店も増えてきたんです。そういった方々が神保町シアターに興味を持ってくれることもありますし、神保町シアターから他のお店に足を運んでくれる人も増えています。映画館が街の循環の一つになれていることを嬉しく感じます」

『国宝』をきっかけに”芸道もの”の魅力を若い世代へ

今年、日本の映画界は『国宝』で大きく沸いた。『国宝』で日本の芸道に興味を持った人に向けて、神保町シアターでは12月13日より「日本の芸道もの」にフォーカスを当てた作品を上映する予定だ。

「『国宝』は日本の歌舞伎界を鮮烈に描いた作品です。一方で、日本映画では芸の道を描いた”芸道もの”と呼ばれるジャンルは人気で戦前からたくさんの作品が作られてきました。今回、神保町シアターでは『国宝』で芸道ものに興味を持った方々に向けて特集上映を予定しています。普段ミニシアターには足を運ぶ機会のない若い世代の方々にも古い日本映画の面白さに気づくきっかけになれば幸いです」

「映画の街・神保町」という文化の継承者として神保町シアターの果たす役割は大きい。「世界で最もクールな街ランキング」で神保町が選ばれたことをきっかけに今後、海外から神保町を訪れる人もさらに増えるだろう。神保町シアターが日本映画の魅力を海外にも伝える発信地になることにも期待したい。

にっぽん「芸道物」の世界――芸能の道を究める人々

上映期間:2025年12月13日(土)~26日(金)
上映作品リスト:
1.『旅役者』 昭和15年 白黒 監督:成瀬巳喜男 出演:藤原鶏太(釜足)、柳谷寛、高勢実乗、清川荘司、山根寿子、清川虹子
2.『歌行燈』 昭和18年 白黒 監督:成瀬巳喜男 出演:花柳章太郎、山田五十鈴、柳永二郎、大矢市次郎、伊志井寛
3.『人生とんぼ返り』 昭和30年 白黒 監督:マキノ雅弘 出演:森繁久彌、山田五十鈴、左幸子、河津清三郎、水島道太郎、沢村国太郎  *デジタル上映
4.『残菊物語』 昭和38年 白黒 監督:大庭秀雄 出演:岡田茉莉子、三代目市川猿之助、嵐寛寿郎、中村芳子、津川雅彦、伴淳三郎
5.『鶴八鶴次郎』 昭和13年 白黒 監督:成瀬巳喜男 出演:長谷川一夫、山田五十鈴、藤原釜足、大川平八郎、三島雅夫
6.『残菊物語』[デジタル修復版] 昭和14年 白黒 監督:溝口健二 出演:花柳章太郎、森赫子、高田浩吉、河原崎権十郎、梅村蓉子、志賀廼家弁慶  *デジタル上映
7.『芝居道』 昭和19年 白黒 監督:成瀬巳喜男 出演:長谷川一夫、山田五十鈴、古川緑波、花井蘭子、進藤英太郎、志村喬
8.『雲右衛門とその妻』 昭和37年 白黒 監督:安田公義 出演:三波春夫、月丘夢路、浦路洋子、石黒達也、山路義人、三波豊和

※「デジタル上映」表示のないものは35mmフィルム上映です

詳細はコチラ

過去に神保町シアターで行なわれた特集企画

てれびくん50周年キックオフ映画祭(※現在は終了)

ヒーロー雑誌『てれびくん』(小学館発行)が、来年2026年5月に創刊50周年を迎えます。今回「てれびくん50周年キックオフ映画祭」として『てれびくん』編集部が選んだ映画7作を神保町シアターで上映します。制作関係者のトークイベント付上映会、変身グッズ持ち込みOKの応援上映、『てれびくん』本誌に掲載される写真撮影会付上映会などを実施。お楽しみがたくさんの「てれびくん50周年キックオフ映画祭」は神保町シアターにて11/24から11/28まで開催。

取材協力/神保町シアター https://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/index.html
取材・文/峯亮佑

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