近年、終活をテーマにしたドラマや、カジュアルな終活イベントが増加するなど、若者の中でも終活が身近な存在になりつつある。
そこで燦ホールディングスはこのほど、20代から30代の未婚の男女300名を対象に「若者の終活観」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
若者の「終活」のイメージ上位は「将来のために必要な準備」「前向きに人生を整理すること」
Q1.あなたにとって「終活」とはどのようなイメージですか? n=300※複数回答可
終活に対するイメージについて聞いたところ、「将来のために必要な準備」(32.0%)、「前向きに人生を整理すること」(28.7%)とポジティブなイメージが上位となった。
この傾向は、SNSやメディアで終活が身近なテーマとして取り上げられる機会が増えたことによる意識の変化と考えられる。
一方で、20~30代という若さから、「特にイメージはない」(20.0%)、「自分にはまだ関係ないこと」(11.3%)といった無関心層もおり、若者層における終活意識に差が出る結果となった。
結婚願望がある人のうち約8割が「結婚しない場合、老後が不安」と回答
Q2.あなたは「結婚したい」と思いますか? n=300
Q3.Q2で「結婚したい」と回答した方に伺います。
結婚したい理由を教えてください。 n=112※複数回答可
20~30代の未婚の男女300名に「結婚したい」かと質問したところ、結婚したい層が37.3%(「とてもそう思う」(12.3%)、「そう思う」(25.0%)の合計)という結果になった。
「結婚したい」と回答した人に「結婚したい理由」を聞いたところ、結婚願望がある層のうち「好きな人とずっと一緒にいたい」が56.3%と1位となり、次いで「精神的に支え合える人がほしい」が45.5%、「経済的に支え合える人がほしい」が40.2%と、将来の精神面・経済面の不安を解消できる存在を求めていることがわかった。また、19.6%が「老後が不安だから」を挙げた。
結婚を、老後の精神面や経済面の不安を和らげるものと考えている若者が多いとわかる。
Q4.Q2で「結婚したい」と回答した方に伺います。
結婚しない場合、老後に不安を感じますか? n=112
続いて「結婚したい」と回答した人に「結婚しない場合、老後に不安を感じますか」と聞いたところ、結婚願望がある層のうち、79.5%(「とてもそう思う」が40.2%、「そう思う」が39.3%)が老後に不安を感じているという結果となった。将来への不安が結婚したい理由に繋がることがわかった。
若者の老後の不安上位は「経済的なお金全般」「孤独」
Q5.老後の不安として最も大きいものは何ですか? n=300
【全体】
【結婚願望ごとの比較】
老後の不安として最も大きいものについて聞いたところ、「経済的なお金全般」が48.7%と最も高く、次いで「孤独」が20.0%となった。Q3の結婚したい理由で上位に挙がった「精神的に支え合える人がほしい」、「経済的に支え合える人がほしい」とも連動するような結果となっている。
続いて結婚願望の有無で比較したところ、「経済的なお金全般」に関しては、結婚願望がある方は38.4%が不安と回答しているのに対し、結婚願望がない人は57.2%も不安と回答した。結婚しない場合、収入源が自分のみである確率が高いためより経済面の不安があるとわかる。
また、「孤独」に関しては、結婚願望がある人は39.3%が不安と回答しているのに対し、結婚願望がない人は8.7%しか不安と回答していなかった。結婚願望がある人が、結婚したい理由として「好きな人とずっと一緒にいたい」「精神的に支え合える人がほしい」を上位に挙げていた(Q3)ことからもわかるように、結婚願望のある方は孤独を不安視していることが判明した。
20~30代の6割以上が老後資金が不安と回答
Q7.老後資金について、どの程度心配に思いますか? n=300
Q5で老後の不安について、経済面が1位であるとわかったが、老後資金についてどの程度心配に感じているのだろうか。今回の調査では、6割以上(「とても心配」が39.0%、「やや心配」が26.0%の合計)が心配してる結果となった。
Q8.老後に向けてどんな準備をしていますか? n=300※複数回答可
老後への準備について聞いたところ、20~30代の64.0%が何かしらの準備をしているという結果に。
結婚願望の有無にわけて見ると、結婚願望がある層の79.5%が老後の準備に積極的に取り組んでいるとわかった。一方、結婚をしたいと思わない層で取り組んでいるのは58.7%となり、結婚願望のある方の方が未来を見据えた準備に積極的と推察される。
結婚願望がある人の具体な準備内容については、「貯金」が53.6%と最も多く、次いで「投資」(36.6%)、保険(25.0%)と続き、経済面の準備が多いという結果となった。
今回の調査では、若者向けの終活をテーマとしたドラマや、カジュアルな終活イベント増加の背景には、20~30代の終活に対するイメージについて、「将来のための必要な準備」「前向きに人生を整理すること」が上位に挙がるなど、ポジティブなものであることが影響していると推察される結果となった。
若者が終活を前向きに捉える背景には、「孤独」や「経済面」といった老後の不安に対し、人生の選択を通じて能動的に備えようとする意識が影響している。特に、結婚を望む若者の多くは、結婚を不安を和らげる手段の一つと捉え、老後準備にも積極的に取り組んでいる。
現代の終活は、人生を終えるための準備ではなく、将来の不安を解消し、より良い未来を歩むための前向きなライフプランニングへと進化していると言える。
<調査概要>
調査期間:2025年9月26日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象者:未婚の20代・30代の男女
回答者数:300名(20代男性75名・30代男性75名 /20代女性75名・30代女性75名)
調査主管:燦ホールディングス株式会社
※グラフ中の回答割合は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある
出典元:燦ホールディングス「若者の終活に対する意識調査」より引用
構成/こじへい







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