数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこで2025年11月14日に発売したDIME1月号では「【完全保存版】僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返る特集を展開した。そこから見えてきたのは、ユーザーの「暮らしを便利にしよう」「楽しくしよう」という作り手たちの〝思い〟だった。
本記事はファッション編として80年代からのファッショントレンドを振り返ってみた!
1993 ← 1981 ’90年代にセレクトショップが躍進!
東京のトレンドが全国区へ
1981年〜 ネオ・ロカビリー
ロカビリー×パンクの骨太スタイル

ロカビリーの英国進出で音楽もファッションも再燃!
エルヴィス・プレスリーに代表される1950年代のアメリカンカルチャーであるロカビリーが’70年代後半から’80年代にかけてネオ・ロカビリーとして再燃。そのアイコンであるロックバンド「ストレイ・キャッツ」のファッションがブームに。
【代表的なブランド】 『ジョージ コックス』

1904年創業の英国ブランド。46年に天然ゴム製ソールを使った世界初の革靴『ブローセルクリーパー』を発表。
【代表的なアイテム】ジョージ コックス『スキプトン』6万8200円※

甲分の編み込みデザインを特徴とする代名詞的モデル。’70年代の英国パンクカルチャーのアイコンに。
ラジカセ、ザウルス、ゲームボーイ、あの頃夢中になったアイテムが勢揃い!DIME最新号の大特集は「ヒット商品クロニクル」
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎えます。そこで今月発売のDIME最新号は「[完全保存版]僕たちを夢中にさせたヒット…
1983年〜 D.C.ブランド
〝服を楽しむ〟MIX感覚を醸成

デザイナーズ、ブリトラ、イタカジなど様々なスタイルが混在
デザイナーズ&キャラクターの略称。〝ヤングカジュアルマインドを持った日本初の個性的な高級既製服〟とも呼ばれる。モード、アメカジ、アウトドア、英国調、イタリア調など、スタイルをミックスしたトランスカジュアルも流行した。
【代表的なブランド】 『メンズビギ』

1970年に菊池武夫氏らが設立した「ビギ」のメンズラインとして1975年にスタート。ブリティッシュスタイルを軸に展開。
【代表的なアイテム】メンズビギ『Super140 ウールメルトンスタジャン』8万1400円※

1983年にメンズビギが初めて発売したスタジャンを復刻。爆発的な人気を誇り、当時の看板商品に。
その頃和田さんは……伊ロメオ・ジリの細身のスーツで差別化!

1989年〜 渋カジ(ハードアメカジ)
渋谷から生まれた日本発のスタイル

バイカースタイルを手本としたヘビーなアメカジが若者の憧れに
東京・渋谷に集う有名私立高校の学生から広まったスタイル。お行儀のいい普段着のカウンターとして、タフで男らしいアイテムに注目が集まり、王道のアメカジや上品なキレカジなどスタイルは多様化。ハードアメカジはバイク乗りを手本にした着こなしで、ライダースジャケットにジーンズ、エンジニアブーツが基本。「ゴローズ」などのインディアンジュエリーも流行。
【代表的なブランド】『ショット』

1913年に米国NYで創業。28年、初めてフロントジッパーを取り付けたライダースジャケットを発売し、バイク文化に大きな影響を与えた。
【代表的なアイテム】ショット『613USワンスターライダース』17万6000円※

’50年代に発売されたアメリカンライダースジャケットの最高傑作のひとつ。エポレットに配された星型のスタッズが〝ワンスター〟の由来。
1993年〜 裏原宿
世界を席巻したストリートスタイル

裏原宿のコミュニティーからはじまった世界的ムーブメント
’80年代より東京のサブカルチャーを牽引していた藤原ヒロシ氏を中心としたコミュニティーから生まれたブーム。現在は世界的なデザイナーとして活躍しているNIGO氏と高橋盾氏が1993年に立ち上げたショップ『ノーウェア』がブームのきっかけ。95年には『ビームス』が別注したレッドウィングが日本中で大ヒットした。
【代表的なブランド】 『レッドウィング』

1905年に米国で創業したワークブーツメーカー。製革工場を所有し、現在もMade in USAにこだわっている。
【代表的なアイテム】レッドウィング『6インチ クラシックラウンド』4万8950円※

95年に『ビームス』の別注として生まれた黒アッパーのアイリッシュセッター。廃盤となっていたが、ハトメ仕様となって復活。人気再燃。
その頃和田さんは……足元はビームス別注の『8165ラウンドトゥ』

セレクトショップの登場がトレンドの楽しみ方を変えた
〝ビームスの服ショーグン〟の愛称でも知られる和田さんは’80年代からトレンドを体感してきた生き字引き的存在。『アークテリクス』など、今では定番となったブランドを日本に広めた、カジュアルファッションの立役者でもある。
「ファッションに興味を持ったのは、兄の影響が強いですね。’80年代初頭はネオ・ロカビリースタイルに夢中になり、地元の鹿児島にある『セクシーキャッツ』というショップに中学3年生の頃から入り浸ってましたよ。定番ブランドは『クリームソーダ』で、スリムパンツに『ジョージ コックス』のラバーソールがお決まりのコーデ。高校からD.C.ブランドが大ブームになり、『メンズビギ』が運営する〝ビギビル〟という商業ビルが流行の発信基地でした。専門学校に入る頃にはインポートブランドの大きな流れがきて、視野が一気に広がりました。当時は英国ブランドが好きで『ハリーズ』というUKモノに特化したセレクトショップにもハマってましたね」
1990年、ビームス入社後は流行を仕掛ける側へと転身した。
「当時の主流は間違いなく〝渋カジ〟でしたね。ただ渋カジといっても、キレカジ、デルカジ、アメカジ、ハードアメカジと流派は様々。流行が多角化した要因として、全国展開をはじめたセレクトショップの存在は大きかったと思います。雑誌がトレンドを作っていた時代ですから、各社がタイアップして様々な流行を仕掛けていました。’90年代中期の〝裏原宿ブーム〟も雑誌の影響が大きい。アイコンである藤原ヒロシさんがレッドウィングの『アイリッシュセッター』を愛用していた影響もあり、95年にビームス別注から生まれたブラックレザーの『8165ラウンドトゥ』も大ヒットしました」

ビームス オムニスタイル
コンサルタント
和田健二郎さん
1969年生まれ。専門学校卒業後、90年にビームス入社。バイヤーなどを経て、2021年より店舗スタッフのメディア化を推進する現職に。オンライン上のB印MARKET内で展開する個人商店「和田商店」も好調。
■『クリームソーダ』
日本のロカビリーブランド。1973年に東京・新宿で開業した古着店が原点。76年に現在の原宿本店を開店し、最盛期は日商1億円とも。創業者の山崎眞行氏は旧渋谷川遊歩道の愛称キャットストリートの名付け親でもある。
■ デルカジ
モデルカジュアルの略で、ファッション誌のモデルがオフの時に着るような、シンプルで洗練されたカジュアルスタイルを指す。代表例は当時トレンディー俳優だった俳優・石田純一氏のカーディガンを肩掛けしたスタイル。
取材・文/佐藤修平 編集/渡辺和博 撮影/長谷川靖哲 イラスト/関 祐子(asterisk-agency)
※価格は現在の販売商品価格。
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