数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこで2025年11月14日に発売したDIME1月号では「【完全保存版】僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返る特集を展開した。そこから見えてきたのは、ユーザーの「暮らしを便利にしよう」「楽しくしよう」という作り手たちの〝思い〟だった。
本記事では累計販売数は1億6000万本。〝落としても壊れない時計〟という前代未聞の試みが実を結んでから40余年が経つ「G-SHOCK」をピックアップ。タフネス、ソーラー、IoT化などG-SHOCKは進化の手綱を緩めない。

『G-SHOCK』の生みの親・伊部菊雄さんの企画書を再現。ブランド名の〝G〟はGravityに由来する。
ストリートで育まれた終わりなき進化の系譜!
1983年 最初はアメリカでヒット!

『DW-5000C』
『G-SHOCK』初号機。約2年の開発期間を経て、ウレタンで全面をカバーし、モジュールを点で支える耐衝撃構造を実現。
ラジカセ、ザウルス、ゲームボーイ、あの頃夢中になったアイテムが勢揃い!DIME最新号の大特集は「ヒット商品クロニクル」
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎えます。そこで今月発売のDIME最新号は「[完全保存版]僕たちを夢中にさせたヒット…
1987年 ロングセラーとなった『SPEED』モデル

『DW-5600C』
映画『SPEED』で主演のキアヌ・リーブスが着用し大ヒット。1996年にバックライト、2002年にタフソーラーを初搭載。
1990年 日本にブームをもたらしたのはこの3つ目

『DW-5900C』
アメリカ西海岸のスケーターから熱烈な支持を得た海外先行モデル。日本のストリート界隈で逆輸入モデルとしてブームに!
1995年 時代を超えて愛されるカルチャーアイコン

『DW-6900』
傑作と名高い『DW-6600』の3つ目、ラウンドケース、フロントボタンを継承。コラボモデルが相次いだ。
2010年 多層構造を初採用したビッグサイズモデル

『GA-110』
アナログとデジタル表示を融合した文字板に歯車状のパーツで立体的に構成。デカアツ時計ブームに迎合。
2012年 スマホとリンクする次世代モデル第1弾

『GB-6900』
Bluetooth® Low Energy対応のスマホと連携が可能に。電話受信時、数字が回転するアニメが表示される。
2018年 入荷待ちが続出したオリジン初のフルメタル

『GMW-B5000』
2015年のバーゼルワールド向けの展示モデルがベース。ブランド35周年時に発売され、世界中で大ヒット。
2019年 初号機の名残を感じさせる八角ベゼルのデジアナ

『GA-2100』
八角ベゼルの薄型モデルで通称〝カシオーク〟。ラギッドでゴツゴツしたものという旧来のイメージを払拭。
2025年 『G-SHOCK』の舞台は何と指先へ到達!?


『DWN-5600』各1万4300円
『G-SHOCK』を代表する『DW-5600』の造形を約10分の1スケールへダウンサイジングした指輪型モデル。おなじみの耐衝撃性、20気圧防水のほか、3つのサイドボタンはすべて可動。時・分・秒、カレンダーなどの機能にも対応。
耐衝撃構造と20気圧防水も実現!

ガラス繊維強化樹脂でケースの強度を高め、ウレタンベゼルでフルカバー。ビス止め仕様の裏ブタまで独自構造を再現。
〝イルクジ〟人気の火付け役は2ndモデル

『DW-8200K-8』
本格ダイバーズ〝フロッグマン〟の2代目。第5回国際イルカ・クジラ会議記念モデルで軽やかなスケルトンケースがブームの発火点に!
冗談のような1枚の企画書が腕時計の常識を覆した
なぜ『G-SHOCK』が時計業界にとってセンセーショナルだったのか。それを知るには時計の歴史を振り返る必要があります。弊社が時計市場へ参入したのは1974年のこと。〝クオーツ革命〟に湧く当時の時計メーカーは〝薄さ・軽さ・スタイリッシュであること〟にしのぎを削っていました。時計は精密機器というのが常識でしたから、落としたら壊れるのが当たり前。耐衝撃性は二の次だったのです。そんな中、どうして前人未踏の挑戦に踏み切ったのか。それは弊社が、小型純電気式計算機やパーソナル電卓といった世界初の発明品で身を起こした会社だから。「時間は1秒ずつの足し算だ」という創業者の鶴の一声で時計市場へ参入したように、発明精神に根差したモノ作りは専売特許。基礎実験すらしていない状況で〝落としても壊れない丈夫な時計〟とだけ書かれた1枚の新商品提案書にゴーサインが出たことは、社風の現われでしょう。まぁそれが苦難の始まりだったんですけれどね(笑)。
平成のレアモノ争奪戦を追い風に悲願のブレーク!
開発期間は約2年。落としても壊れない耐衝撃性、20気圧防水、7年寿命のハイスペックを1万円前後の価格帯で実現した『G-SHOCK』ですが、日本で市民権を得るまでに約10年かかりました。初号機発売から4年後に投入した『DW-5600』がストリートシーンでブームの火種となり、1995年の『DW-6900』で大ブレーク。『DW-6900』の累計出荷本数が、今でも『G-SHOCK』史上最多であることからも過熱ぶりは伺えるでしょう。ではどうして『DW-6900』でブレークできたのか。その要因のひとつが、ELバックライトです。『DW-6900』の前身モデル『DW-6600』で初搭載した機能で、バックライトを点灯させると絵が浮かび上がるんですね。これがフックになりまして、様々なブランドとのコラボが加速。認知向上に大きく貢献しました。実は私が最初の限定モデルを担当したのですが、当時は『G-SHOCK』が世界的なブランドに成長するなんて想像していませんでしたよ。
黎明期の主要モデルを初号機とすれば、成長期は『DW-6900』。ブームが過ぎ、改めて基本に立ち返ろうと決めたのが2004年で、タフソーラーなどのデジタルガジェット的な技術を、カシオらしいアナログ表現に落とし込むことに進化の舵を切りました。08年から売り上げが右肩上がりになるのですが、10年発売のデジアナモデルの『GA-1101』は、アナログ戦略の中で『G-SHOCK』ならではの楽しさを模索した過渡期を象徴する1本です。その後コロナ禍で足踏みしましたが、19年の『GA-2100』で再び最盛期を迎えました。我々は〝オリジンの継承と革新〟と呼びますが、ソーラーや電波受信、最近であればMIP液晶など、技術的なチャレンジを経て厳選した機能をオリジン(初号機の形)に集約するというのが、私が考える『G-SHOCK』のモノ作りの在り方。現在は後進を育てる立場になりましたけれど、楽しいモノ作りというのが、カシオ計算機らしさですから。従来の時計や『G-SHOCK』の枠に収まらない大胆なアイデアを大切にしてほしいなという想いです。

カシオ計算機
時計事業部 商品企画部
井崎達也さん
1986年入社。デジタルウオッチの商品企画、生産管理業務を経て、90年代前半から『G-SHOCK』の開発に従事。『DW-6900』の初号機やコラボ企画を立ち上げてブームの足がかりを築いた。
取材・文・編集/渡辺和博 撮影/長谷川靖哲
昭和、平成を彩った歴代のヒット商品を総まとめ!50ページ超の大特集でお届けするDIME1月号
ソニーの初代ウォークマン、パナソニック「ブレンビー」、シャープ「書院」、NEC「PC-9800」シリーズ、ドコモ「ポケットボード」、au「INFOBAR」、シャープ「ザウルス」、アップル「iMac」、理想科学工業「プリントゴッコ」、マルマン「禁煙パイポ」、ナショナル「ジョーバ」、任天堂「バーチャルボーイ」、ホンダ「シティ」などなど、全300商品・サービスをピックアップ!
さらに『ダンシング・ヒーロー』40周年の荻野目洋子さん、ファミコン少年のスター高橋名人、アイドル40周年を迎えた南野陽子さん、元祖平成カリスマギャル安西ひろこさんなどにもインタビュー。デビュー当時のお話や年齢を重ねた今、見えて来たことなどを伺いました!
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