数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこで2025年11月14日に発売したDIME1月号では「【完全保存版】僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返る特集を展開した。そこから見えてきたのは、ユーザーの「暮らしを便利にしよう」「楽しくしよう」という作り手たちの〝思い〟だった。
本記事で取り上げるのは「疲れたカラダに再びパワーを与える」という意味を持つ栄養ドリンク剤『リゲイン』。37年を経て、錠剤タイプへと変革を遂げたその狙いについて、指揮する野村卓さんに話を聞いた。
ビジネスパーソンの「元気」をサポートして37年
『リゲイン』に刻まれた24時間戦士へのメッセージ
時代を映すキャッチコピーとともに振り返るリゲインHISTORY

ザウルス、INFOBAR、ポケットボード、懐かしいガジェットが大集合!DIME最新号の大特集は超保存版「ヒット商品クロニクル」
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎えます。そこで今月発売のDIME最新号は「[完全保存版]僕たちを夢中にさせたヒット…
「今日の元気」だけでなく「毎日の元気」を支えるブランドに
1988年 黄色ト 黒ハ 勇気ノ シルシ。24時間、戦エマスカ。

『リゲイン』
三共(当時)が開発した薬用成分を初めてドリンク剤に配合した初代リゲイン。写真は第一三共ヘルスケアが保管する、37年前製造の実物を撮影したものだ。
1995年 その疲れにリゲインを

『J-リゲイン』
通常の1.5倍となるタウリン1500mg配合、容量100mlのジャンボリゲイン。佐藤浩市さんがビジネスマンを演じた、コミカルなCMも人気に。
1999年 溜まった疲れに。
※写真は2002年発売の『リゲインEB錠Ⅱ』

『リゲインEB錠』
ブランド初の錠剤。坂本龍一さん出演のCMも話題に。使用楽曲『energy flow』は「癒し」をテーマに依頼し、このCMのために制作された。
2001年 ポジティブ リゲイン

『MJ-リゲイン』
「元気になっちゃったかも!」のキャッチコピーで親しまれたリゲイン刑事のCMが印象的。タウリン1000mg配合、容量は100mlとなった。
2007年 24時間戦えますか。

『リゲイン24』
「24時間戦えますか。」のコピーと「勇気のしるし」のBGMが復活。スーツで海を泳ぎオフィスへ向かうCM「リゲイン的出社風景」篇は圧巻!
2009年 エネルギー、欲しい。カロリー、いらない。

『リゲインZERO』
健康意識の高まりに合わせ、糖類ゼロ、カロリーを91%カットしたミニドリンク剤。イエローラベルでなく、歴代で唯一黒いラベルをまとう。
2011年 グ美っ

『リゲインSTYLE』
ラベルとキャップをピンクで統一した、シリーズ初の働く女性を応援するリゲイン。カロリーを3.5kcalに抑え、飲みやすいフルーツ風味に。
2018年 日本の元気を取り戻そう!

第一三共ヘルスケア『リゲイン』
2018年には「Re」のロゴを赤に変更。リゲインのドリンク剤は計34品をリリース、現在は『MJ-リゲイン』を販売。コンセプトはそのままに、錠剤タイプへリブランド中。
ドリンク剤から錠剤タイプへChange!!
2019年 カラダをつくる、明日をつくる
指定医薬部外品

第一三共ヘルスケアダイレクト『リゲイントリプルフォース』
4680円(通常価格)
初代リゲインから配合するオリジナル成分ビオタミン、リバオールに加え、新たにパンテチンを配合した『トリプルフォース』シリーズ。体力、身体抵抗力または集中力の維持・改善に。

8つのラインアップで元気を応援!
ひざの動き、睡眠の質向上、腰・肩・ひざ関節の痛み、病気になりにくいカラダづくりなどをサポートする8種類が発売中。
カンヌ・ACCなど広告各賞を受賞!新語・流行語大賞 銅賞受賞!CD売り上げは60万枚!
CM曲「勇気のしるし」とともにリゲインが時代を席巻!
初代CMキャラクターの時任三郎さんが、CMで扮した牛若丸三郎太名義で歌ったCMソング『勇気のしるし』は60万枚のヒットに。歌詞には有給休暇という言葉も使われ、「働く」だけが「戦う」でないことも示唆される。歌謡番組で1回のみ生歌を披露しているそう。
人生100年時代の元気をサポートするブランドへ
「24時間、戦エマスカ。」のキャッチコピーとともに、三共(現・第一三共ヘルスケア)から、栄養ドリンク剤の新顔『リゲイン』が発売されたのは、バブル絶頂期だった1988年のことです。
当時は栄養ドリンク市場が右肩上がりに伸びていた時代だけに競合も多く、後発のリゲインが成功するには、他製品にない強みが求められました。ドリンク剤の独自性として、ビタミンB1や、自社開発成分を配合。ピリッとした風味もほかにはないアドバンテージになります。必要なのは認知度を高めるための大仕掛けでした。
開発陣は、先行商品と同じでは勝ち目がないと考え、当時、グローバル化によって世界に進出しはじめたビジネスパーソンをペルソナに、オフィスワーカーに向けてかなり尖ったコンセプトで商品開発を行ないます。その一つが冒頭のキャッチコピーであり、薬局で目を引く黄色と黒のラベルでした。
発売翌年の89年、世界を股にかけて働く、時任三郎さん演じるジャパニーズビジネスマンを描いたCMが放送されると売れ行きは急伸し、店頭から一気に商品が消えていきました。このCMは、日本のビジネスパーソンが懸命に「働く」様子をイメージされる方が多いようですが、キャッチコピー本来の意味は24時間「戦う」であり、「働く」ではありません。昼はバリバリ仕事をし、アフター5は夜遊びを楽しむ。そんなバブル時代のポジティブでスタイリッシュなビジネスパーソンのオンとオフ両方を応援し、元気になってもらおうと考えたもの。「24時間戦う」のイメージだけが記憶に残っていたのかもしれませんね。その後は、時代の空気感に合わせたキャッチコピーとともにラインエクステンションを充実させていきます。
しかし、2000年代に入るとエナジードリンクの台頭などもあり、ドリンク剤市場はシュリンクの一途を辿ることになります。ドリンク剤のリゲインは、「糖質ゼロ」「女性向け」など34種類ものバリエーションで平成を駆け抜けましたが、現在ドリンク剤は『MJ–リゲイン』に一本化。令和のリゲインは、通販のみで販売する錠剤タイプへと変わり、令和元年には、当社のオリジナル3成分でエイジングケアを行なう『リゲイントリプルフォース』を発売しました。
現在までに8種類を発売していますが、お腹の脂肪減少や睡眠の質の改善など、いずれも人生100年時代を自らの力で元気に生きたいという方の思いに寄り添った商品を展開。疲労回復、元気を提供するというだけではなく、年齢に負けないカラダづくりをサポートする商品としてコンセプトチェンジを図りました。「パワーを再び取り戻す」リゲインの根源価値は錠剤タイプもバトンとして受け継ぎ、そこにはリゲインブランド復活の強い思いも込めています。
ドリンク剤から錠剤タイプに変える決断は、メーカーにとって〝勇気のしるし〟ながら、ユーザー離れの不安もありました。実際には、若い頃にリゲインと一緒にオンもオフもがんばったという方が多く、変わらずリゲインブランドを応援していただいています。錠剤タイプに変わり〝今日の元気〟だけでなく、〝毎日の元気〟を支えるブランドとして、これからもリゲインは戦いつづけていきたいですね。

第一三共ヘルスケアダイレクト
リゲインブランドディレクター
野村 卓さん
ドリンクから錠剤にチェンジした令和リゲインのブランディング責任者。リゲイン世代をターゲットに、年齢に負けないカラダづくりをサポートする様々な商品開発を進めている。
『リゲイントリプルフォース』は指定医薬部外品です。
取材・文/安藤政弘 撮影/江藤大作 編集/原口りう子
昭和、平成を彩った歴代のヒット商品を総まとめ!50ページ超の大特集でお届けするDIME1月号
ソニーの初代ウォークマン、パナソニック「ブレンビー」、シャープ「書院」、NEC「PC-9800」シリーズ、ドコモ「ポケットボード」、au「INFOBAR」、シャープ「ザウルス」、アップル「iMac」、理想科学工業「プリントゴッコ」、マルマン「禁煙パイポ」、ナショナル「ジョーバ」、任天堂「バーチャルボーイ」、ホンダ「シティ」などなど、全300商品・サービスをピックアップ!
さらに『ダンシング・ヒーロー』40周年の荻野目洋子さん、ファミコン少年のスター高橋名人、アイドル40周年を迎えた南野陽子さん、元祖平成カリスマギャル安西ひろこさんなどにもインタビュー。デビュー当時のお話や年齢を重ねた今、見えて来たことなどを伺いました!
そのほかにも懐かしのCMやヒット商品に学ぶ〝温故知新〟など、令和の時代に役に立つ情報も満載です!







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