数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこで2025年11月14日に発売したDIME1月号では「【完全保存版】僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返る特集を展開した。本記事ではその中からデビュー40周年を迎えた南野陽子さんのインタビューを@DIME読者向けに再構成してお届けする。
『DIME』読者が彼女と出会ったのは「おまんら、許さんぜよ」と叫ぶスケバン刑事の姿。そんな彼女も今年、デビュー40周年を迎えた。キャリアを重ねた今、アイドル時代の自分、そして現在の自分について語ってもらうと、ぜひとも見習いたい年齢の重ね方が見えてきた。

みなみの ようこ/1967年生まれ、兵庫県出身。85年、『恥ずかしすぎて』でデビュー。『スケバン刑事Ⅱ』でブレーク後、映画『はいからさんが通る』、NHK大河ドラマ『武田信玄』など、様々な映画やドラマに出演。近年では『半沢直樹』の第2シーズン、『仮面ライダー ガッチャード』などにも出演する。
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やってもやっても終わらなかった『スケバン刑事』の撮影
デビュー40周年を迎えた南野陽子さん。〝ナンノ〟の愛称で親しまれ、’80年代のアイドル全盛時代を華やかに彩った南野さんの活躍は、今も鮮やかに多くの人々の記憶に残っている。まずは40年を迎えた心境を振り返ってもらうことにした。
「後ろばかり向いているわけでも、先ばかり見ているわけでもなく、本当にいろいろな時間を過ごしてきたんだなあ、と思います。でも、私に40周年という時間があるのなら、応援してくださった方や、『DIME』の読者の皆さんにも40年という時間はありましたよね。あの時小学生だったな、あの時女の子にふられたな、とか(笑)。もうすぐ定年だなとか、そんな皆さんの時間の中で『あの時、南野陽子の曲がかかってたな』と思い出してくださるのでしたら、このお仕事をつづけてきて良かったです」
そんな南野さんは1985年に歌手デビュー。早くもその年の11月からは、『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』に主演した。
「最初、学園もののドラマが決まった、と聞かされた時は、主演をいただける喜びやワクワクがありました。でも、それ以上に『私にアクションできるかしら?』と、初めての経験を前に不安も大きかったです。現場に入っても、当時はフィルム撮影で時間もかかったし、カット割りを細かくして躍動感を出す撮影方法なので、1日100カットを撮ることもありました。アクションをやってもやっても終わらない。上手にできないこともあって大変でしたね」
当初、半年間の放送予定が、好評につき1年間に延長、終了後にも劇場版として映画が製作された。当時、南野さんは高校3年生。番組終了後は集中して学校に通うつもりが、放送期間が延び、人気が爆発したこともあって卒業が危ぶまれてしまったという。
「高校の三者面談にフジテレビと東映の人が来てくださって、どうしたら卒業できますか?という話になり、学校側も授業に出席できないならテストで点を取ることでなんとかしてくれたんです。撮影が終わると、アシスタントプロデューサーの方が楽屋で勉強を教えてくれました。そんな時間も懐かしく思い出します」
一方、87年の『楽園のDoor』からは9曲が1位を獲得するなど、歌手としても大人気だった南野さん。
「曲を作ってくださるのは、当時新進気鋭の作家の方たちでした。私やディレクターさんの意見も作品に投影してくださって、女の子のモノローグというか、私立の学生の匂いや放課後感が出ていたと思います。私がいただいた曲は、どの曲も素敵な作品ばかりです」
CMの撮影でお菓子を食べられるのがうれしかった
アイドル時代のスケジュールは、朝5時起き。7時前に学校に行き、守衛さんに出席の判子をもらってそのまま現場へ直行。日中はロケ、夜や雨の日はセットで撮影し、合間に歌番組の中継があったり、ドラマ撮影が終わると雑誌の取材やレコーディング、ラジオ収録。夜中の2時に帰宅すると、もう次の日になっているという日々だったそう。そんな過酷な毎日を癒やすグッズはあったのだろうか。
「当時の雑誌のインタビューでは、毎日シュークリームを食べている……みたいに話しているんですけど(笑)、アイドルだったから普段はお菓子とかあまり食べられないんです。でも私、グリコのコマーシャルをさせていただいていたので、CMの撮影でチョコレートとか食べられるのはうれしかったですね。それと当時、出はじめの『CDウォークマン』をいつも持ち歩いて、移動中に聴いていました。CDソフトもまだ世に出回っていなくて、主にソニーから出ているものばかりだった時代です。私も歌はソニーの所属でしたから、ずっと聴いているうちに、いつの間にかその曲がソニーのどこのスタジオで録音したものか、これはソニーのスタジオじゃない、とか分かるようになりました(笑)」
ドラマ『スケバン刑事Ⅱ』で二代目・麻宮サキを演じ、スターダムへ
©和田慎二・東映

劇中で麻宮サキが土佐弁をしゃべる設定は、スタッフが会議の席で提案したのだという。「結局土佐弁に関西弁を交ぜたような、どこの地方にもない独特のアクセントとイントネーションになっちゃって。土佐の皆さんに申し訳なくて、今でも私は四国に行くのが怖いんです(笑)」

『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説 HDリマスター版 Blu-ray BOX1』2万2000円
2025年12月3日発売 発売・販売:東映ビデオ

『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説 HDリマスター版 Blu-ray BOX2』2万2000円
2026年3月11日発売 発売・販売:東映ビデオ
シリーズ2作目となる『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』は、1985年11月~86年10月にフジテレビ系で全42話放送。鉄仮面を被せられた少女が二代目・麻宮サキとして活躍する姿を2巻に分けて完全収録。







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