平日の食事には「やさしさ」を、休日の食事には「楽しさ」を求めている?
平日と休日の食事(朝食・昼食・夕食)に対する感覚についての質問に対する回答をもとに、「電通 食生活ラボ」独自の感情区分(「楽しさ」「力強さ」「好奇心」「ぬくもり」「やさしさ」「賢さ・同調性」を抽出した。【図表8】
平日の食事では「食べる人の健康や好みに寄り添った料理を選びたい」「体に負担の少ない、まろやかで安心感のあるものを食べたい」「食べやすく配慮された料理を食べたい」といった”やさしさ”に関する項目が、休日の食事よりも高い傾向にある。平日の朝食は休日に比べて4.8ポイント、昼食は3.6ポイント、夕食は4.5ポイント高かった。【図表9】
休日の食事は「気分が高まる食事をしたい」「五感を使い心が満たされる食事をしたい」「ワクワク楽しませてくれる食事をしたい」といった”楽しさ”に関する項目が、平日の食事よりも高い傾向にある。休日の朝食は平日に比べて3.2ポイント、昼食は休日3.5ポイント、夕食は1.2ポイント高かった。【図表10】
【図表8】「電通 食生活ラボ」独自の感情区分
設問「『朝食』『昼食』『夕食』『間食』『夜食』のそれぞれに関して、あなたはどのように捉えていますか?当てはまるものをそれぞれお知らせください」の回答をもとに、「電通 食生活ラボ」独自の感情区分を抽出。
【図表9】
Q.「朝食」「昼食」「夕食」「間食」「夜食」のそれぞれに関して、あなたはどのように捉えていますか?当てはまるものをそれぞれお知らせください。
【図表10】
Q.「朝食」「昼食」「夕食」「間食」「夜食」のそれぞれに関して、あなたはどのように捉えていますか?当てはまるものをそれぞれお知らせください。
食事を「心まで含めたやりくり」と捉える現代
本調査を通じて見えてきたのは「心まで含めたやりくり」の実態だ。いまや共働きが一般化し、出社回帰が進む中で、家庭内での料理に誰がやるべきかは関係なく 、”そのときに都合がつく方が担当する”という、より柔軟な形へと変化している様子が明らかになった。
また、物価高が続く昨今、外食から足が遠のいていることもわかった。「家で作るのは面倒。だけど外食は高い。だからやむなく、家で作らねばならない」という家計と家事を天秤にかけて”家で作る”選択をする人が増えてきているのではないだろうか。
そうした中で、一から手づくりする料理だけではなく、冷凍食品や惣菜、弁当などを適宜取り入れる”ハイブリットな家庭料理”が定着しつつある。中でも冷凍食品の活用は、昨今の一大トレンドといっても過言ではなく、今や家庭の食卓でメインを張ることも珍しくない。冷凍食品に野菜を足してオリジナルのアレンジをするなど、幅広い使い方もここ数年で浸透してきた。新型コロナウイルスの影響が落ち着き、外食が増えた時期もあったが、物価高によって自炊回帰が進む中で、”出来合いものを上手にやりくりする”のが今のスタイルになりつつある。
さらに、本調査では、「食事をするタイミングによって料理に求める価値が異なる傾向」が見られた。仕事や学業に追われる平日の食事には「やさしさ」が求められ、忙しない日々の中でも、体と心をいたわりたい様子がみられた。一方で、休日は平日とは違い、心躍る「楽しさ」「ワクワク」といった高揚感を求めており、食体験の中で自分の好奇心を満たそうという様子がみられた。
「時間」「お金」といった限られたリソースの中でやりくりしながら、食事に求める「気持ち」も満たすことが、現代の食生活におけるポイントだと考えられる。
<調査概要>
・目 的:日本の食生活における生活者の意識や実態、満足度、トレンドなどを把握
・対象エリア:全国
・対象者条件:15~79歳
・サンプル数:1300
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2025年9月2日~9月4日
・調査委託先:株式会社電通マクロミルインサイト
出典元:株式会社電通
構成/こじへい







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