いつかはやってくる老後。仕事も子育ても一区切りし、残りの人生を楽しく穏やかに生きるために、あなただったらどんな街で暮らしたいと考えるだろうか?
日本労働組合総連合会はこのほど、「老後のくらし方に関する意識調査2025」を実施し、全国の40歳以上の男女1,000名の有効サンプルを集計した。ここでは「老後の住まいに関する意識」に関する調査結果を抜粋し紹介する。
「老後も、現在住んでいる市区町村でくらし続けたい」71.3%、町村居住者では55.6%にとどまる
全国の40歳以上の男女1,000名(全回答者)に、老後のくらしについて質問した。
全回答者(1,000名)に、老後(65歳以降)・今後も、現在住んでいる“市区町村”でくらし続けたいか聞いたところ、「くらし続けたい」は71.3%、「くらし続けたくない」は7.7%、「わからない」は21.0%となった。
年齢別にみると、「くらし続けたい」と回答した人の割合は年齢が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、75歳~79歳と85歳以上では91.0%となった。
居住する地域の人口規模(※)別にみると、「くらし続けたい」と回答した人の割合は、大都市と中都市(大都市73.2%、中都市[1]73.6%、中都市[2]73.1%)では7割を超えた一方、小都市では67.9%、町村では55.6%となっており、住んでいる地域の人口規模が小さいほど、65歳以降の定住を前向きに検討している割合が低くなる傾向がみられた。
※区分は以下のとおり。
・大都市:「政令指定都市」または「東京都区部(23区)」
・中都市[1]:人口20万人以上の「市」(政令指定都市除く)
・中都市[2]:人口10万人~20万人未満の「市」
・小都市:人口10万人未満の「市」
・町村:「町」または「村」
現在住んでいる市区町村にくらし続けたい理由 1位「住み慣れた地域である」2位「買い物が便利」
現在住んでいる“市区町村”に老後(65歳以降)・今後もくらし続けたい人(713名)に、くらし続けたい理由を聞いたところ、「住み慣れた地域である」(69.6%)が最も高くなり、「買い物が便利」(44.0%)、「交通が便利」(37.0%)が続いた。
男女別にみると、女性では「買い物が便利」が46.7%と、男性(41.4%)と比べて5ポイント以上高くなった。他方、男性では「生まれ育った地域である」が29.4%、「自然が多い」が29.2%と、女性(順に24.1%、23.8%)と比べて5ポイント以上高くなった。
年齢別にみると、65歳以上では「医療体制が整備されている」が28.5%と、64歳以下(13.5%)と比べて15.0ポイント高くなった。
居住する地域の人口規模別にみると、大都市では「買い物が便利」(58.1%)や「交通が便利」(54.9%)、「医療体制が整備されている」(32.9%)が全体と比べて10ポイント以上高くなった。また、「自然が多い」は住んでいる地域の人口規模が小さいほど高くなる傾向がみられ、町村では60.0%となった。
現在住んでいる“市区町村”に老後(65歳以降)・今後はくらし続けたくない人(77名)に、老後(65歳以降)・今後、どのような“市区町村”でくらしたいか聞いたところ、「中都市[1]:人口20万人以上の『市』(政令指定都市除く)」が28.6%で最も高くなり、「大都市:『政令指定都市』または『東京都区部(23区)』」が26.0%、「町村:『町』または『村』」が16.9%、「小都市:人口10万人未満の『市』」が15.6%、「中都市[2]:人口10万人~20万人未満の『市』」が13.0%で続いた。
男女別にみると、女性では「中都市[1]:人口20万人以上の『市』(政令指定都市除く)」(39.5%)、男性では「町村:『町』または『村』」(25.6%)が最も高くなった。
現在住んでいる“市区町村”に老後(65歳以降)・今後もくらし続けたいか「わからない」と回答した人(210名)に、老後(65歳以降)・今後、どのようなところでくらしたいか聞いたところ、「買い物が便利」(64.3%)が最も高くなり、「交通が便利」(51.0%)、「物価が安い」(41.9%)、「医療体制が整備されている」(35.7%)、「家賃や不動産価格が安い」(24.3%)が続いた。
男女別にみると、女性では「交通が便利」が56.0%、「医療体制が整備されている」が42.2%、「家族・親戚が近くに住んでいる」が23.9%と、男性(順に45.5%、28.7%、9.9%)と比べて10ポイント以上高くなった。
年齢別にみると、65歳以上では「介護サービスが充実している」が32.8%、「介護保険料が安い」が25.0%と、介護に関する項目が全体と比べて5ポイント以上高くなった。
自身に介護が必要になった場合の住まい選びの意向、「現在住んでいる自宅でくらし続けたい」57.0%、「家族の判断に任せたい」17.6%
持ち家か賃貸住宅に住んでいる人(988名)に、自身に介護が必要になった場合(現在介護を受けている人は「今後」)、現在住んでいる自宅でくらし続けたいか聞いたところ、「現在住んでいる自宅でくらし続けたい」が57.0%と突出して高くなり、半数を超えた。
介護が必要な状態になっても、住み慣れた自宅でくらしたいと思う人が多いようだ。以下「家族の判断に任せたい」が17.6%、「介護を受けられる施設に入居したい」が15.8%、「介護を受けやすい家に引っ越して、自宅でくらしたい」が8.2%で続いた。
男女別にみると、「現在住んでいる自宅でくらし続けたい」(女性54.0%、男性59.9%)は男性のほうが5ポイント以上高くなり、「介護を受けられる施設に入居したい」(女性18.6%、男性13.0%)は女性のほうが5ポイント以上高くなった。
年齢別にみると、「現在住んでいる自宅でくらし続けたい」は年齢が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、80歳以上では71.9%となった。また、40歳~49歳では「家族の判断に任せたい」が27.6%と、他の層と比べて特に高くなった。
住居形態別にみると、持ち家の人では62.5%が「現在住んでいる自宅でくらし続けたい」と回答した。
また、自身に介護が必要になった場合(現在介護を受けている人は「今後」)の住まい選びについての理由を聞いたところ、【現在住んでいる自宅でくらし続けたい】と回答した人(563名)では「現在の自宅を気に入っているため」(79.6%)、【介護を受けやすい家に引っ越して、自宅でくらしたい】と回答した人(81名)では「介護を受けやすい環境にしたいため」(46.9%)、【介護を受けられる施設に入居したい】と回答した人(156名)では「家族に迷惑をかけないため」(63.5%)、【家族の判断に任せたい】と回答した人(174名)では「家族に迷惑をかけないため」(55.2%)が最も高くなった。
男女別にみると、【介護を受けられる施設に入居したい】と回答した女性と【家族の判断に任せたい】と回答した女性では「家族に迷惑をかけないため」が順に68.5%、63.4%と、男性(順に56.3%、47.8%)と比べて10ポイント以上高くなった。
<調査概要>
調査タイトル:老後のくらし方に関する意識調査2025
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする40歳以上の男女
調査期間:2025年10月24日~10月27日の4日間
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(男女・年齢が均等になるように割付)
出典元:日本労働組合総連合会
構成/こじへい







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