オフィス家具のオカムラが東京は永田町のニューオータニ・ガーデンコートに個人向けフラッグシップサロン「Chair isn’t」(下・店舗内画像)をオープンした。在宅ワークに伴うチェア選び、着座の知識などを、個人向けに提供する狙いだという。
「背筋ピン」は長続きしない!
そこで『@DIME』取材班は発表会へ参加。オカムラの会社概要、オカムラ製品の特長などを聞いたが、もっとも興味深いのは「着座の知識」である。
正しい着座姿勢というと、つい面接スタイルの背筋ピン! を連想してしまうが、同社ワークデザイン研究所の浅田晴之さんによれば、「背筋ピンはあくまで礼儀正しい姿勢であり、好ましい着座姿勢ではありません」と、意外なコメント。
「そもそも座る姿勢は“腰に負荷のかかる姿勢”ですから、チェアは“好ましい姿勢に保つ装置”であるべきです。着座のセオリーは具体的に3点。(1)頭は体幹の真上に (2)腰のカーブを保持 (3)骨盤の後傾を防ぐ、となります」。
リラックスすることや食事、語らいのために座るダイニングチェアと異なり、ワークチェアは同じ姿勢で長時間作業するための装置なのだ。むろん装置として身体に合ったチェア選びが重要だが、座り方に対する意識・配慮も肝要というわけである。
ほら、今これを読んでいるあなたも猫背だったり、おしりが前にずれたりしてませんか? それですよ、それ。仕事でなくともPCで動画コンテンツを観たりゲームをしていれば気づかぬうちに、同じ姿勢で2時間、3時間過ごすこともあるはず。それで「腰イタタ~」なんて当然です!
■COLUMN~オカムラのトリビア
ちなみにオカムラがその創業間もない時期に、飛行機やクルマを製造していたことをご存じだろうか? ミカサは独自開発のトルクコンバーター(自動変速機)を搭載した画期的なクルマで1957~60年頃にかけて2車種が500台程度販売された。飛行機の方はN-52と言い、日本大学と共同開発して生まれた並列複座の軽飛行機だった。さらに社名の「オカムラ」は、横浜市磯子区岡村町の地名に由来するものである。
好ましい着座姿勢とは?
ではどんな座り方をすればチェア本来の性能を引き出し、好ましい着座姿勢となるのかについて、同社プロダクト企画開発部の山田康博さんに尋ねた。
「まず、座面は足を動かしても足裏が床から離れない高さにすること(ひざが直角に曲がる程度の高さを目安に)。次に、座面の奥まで深く腰掛けて背もたれに身体をあずけること。
最後に、身体に余計な力が入らず自然な呼吸が保てること。またひじ掛けの高さについては、肩を自然に下ろした時の高さに調整をして、自分の両腕がしっかりと支えられるようにすればいいでしょう」。
「働いて働いて働く!」ボクたちのイス選び
オカムラがかのイタルデザインとタッグを組んで作り上げた同社ワークチェアの旗艦モデル「コンテッサセコンダ」であれば、座面の高さや前後、ひじ掛けの高さや角度、リクライニング機構におけるバックテンションなど各部調節機構をもち、高度なパーソナライゼーションが図れる。つまり身体をあずける“俺の椅子”づくりができる。

昨今、通勤復活の話題が目立つが、実態はハイブッドワークの定着だろう。であるなら「在宅ワーク環境の構築」にはやはり配慮をすべき。たとえば先の「コンテッサセコンダ」なら20万円越えプライスとなるが、モノこだわり派の『@DIME』読者なら【ワークの効率化と、イタルデザインが手掛けた世界の傑作品が手に入るなら、むしろ歓迎】と映るはずだ。
ただし衝動買いは禁物。おそらくみなさんが感じているより、自宅に運び込んだら「コンテッサセコンダ」はけっこうデカい(笑)ので、設置スペースをよく考えて……と、こんなアドバイスを老婆心と言います。
レディース首相サナエと共に、われらも「働いて、働いて、働こう」ではありませんか!
チェアは働くオトナたちのゆりかごだ。選び方、座り方について、ゆめゆめおろそかになさることなきよう、まずはオカムラ「Chair isn’t」でリアル体験をしてみてはいかがだろう。
画像、図版/(C)️Nacása & Partners、オカムラ提供
文/前田賢紀
正直、舐めてました!仕事の効率化に革命を起こすSteelcaseのメッシュチェア「Karman」
在宅ワークの環境を地道にアップグレードしている。自宅の小さなスペースに、ピッタリおけるデスクを買って、有孔ボードを設置して、外付けディスプレイを壁掛けして。その…







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