2025年もさまざまなトレンドが誕生した美容業界。「今年は成分推しのスキンケアやヘアケアがトレンドで、2026年もトレンド成分は変化しながらもその傾向は続きそうです」と話すのは、ロフトでバイヤーを務める工藤恭郁さんだ。
2025年は「PDRN」や「アゼライン酸」といった成分のスキンケアアイテムがトレンドだったが、2026年はどんな成分や美容アイテムが流行りそうかーーロフトが2026年強化するアイテムを伺った。
PDRN人気も継続と予測。2026年ロフトが特に強化する「リップケア」

2025年11月15日(土)~12月25日(木)の期間中、「ロフト ベストコスメ 2025」と題して2025年にロフトで売れたアイテムと、バイヤーが次のトレンドとして注目している「ネクストコスメ」を展開しているロフト。今年スキンケアは韓国コスメの影響が大きく、韓国コスメで注目された成分が特にトレンドとなったという。
※2025年1月~8月ロフト販売実績による
工藤さん「2025年は、PDRNなど韓国の美容医療発想のスキンケア成分が注目されました。2026年は、PDRNの人気継続とともにカフェインなどの成分が新しいトレンドになる予感です。ヘアケアではサロンからトレンドがはじまったトステアといううねりにアプローチする成分に注目していますね」

2026年に向けて、ロフトが特に強化しているのは「リップケア」。落ちにくいティントリップや唇をふっくらみせるプランパーリップが近年流行ったことで、その進化は目覚ましい勢いだったが、カラーリップを楽しむためにはリップケアが必要不可欠だ。
ロフトでは寝ている間に角質ケアできるラネージュ「リップスリーピングマスク」などが売上を伸ばしており、リップカテゴリーの売上は上昇傾向となっている。

そして2026年に向けてロフトがネクストコスメに選出したのが、medicube「PDRNリップスリーピングマスク」。美容液やシートパックで主流だった人気の成分「PDRN※DNA-Na(整肌成分)」を配合しており、夜寝る前に塗ることで、翌朝ぷるんとした唇に導いてくれるという。

皮膚科の知見に基づいた韓国コスメブランド「ドクタージー」からは、ブランド初となるリップケアアイテム「モイスチャーラッピングリップエッセンス」が2025年11月15日(土)にロフト先行で販売。ドクタージーは今までクリームなどが人気を集めていたが、リップケア需要の高まりを受けて、この商品を発売したという。
寝る前の口臭予防マウスウォッシュがナイトルーティーンの新常識に?

先のリップスリーピングマスクもそうだが、ロフトでは「睡眠」や「睡眠中のケア」に関連するアイテムも2026年に向けて引き続き強化している。睡眠時に「ReD」のリカバリーウェアを着用したり、YOLUの「バスタブレット」で睡眠前に良い香りに癒やされて入眠したりと、2025年は新たなナイトルーティーンが広まっていることが背景にある。
工藤さん「睡眠時にケアすること、そしてより良い睡眠を得るためのアイテムが近年トレンドです。特にReDのリカバリーウェアはロフトで品薄となるほど人気を集めました。私自身、肩が上がらないという悩みを抱えていましたが、ReDの血行促進・疲労回復効果が期待できるインナーを着用したところ、変化を感じました」

ナイトルーティーンの新常識として、ロフトが2026年注目しているネクストコスメがBARTH「薬用重炭酸マウスウォッシュ」。就寝前に使うことで有効成分CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)が睡眠中の菌の増殖を抑え、口臭を防止してくれるという。BARTHは現在「モンダミン」でおなじみのアース製薬が運営しており、その知見も活かした薬用のアイテムとなっている。
工藤さん「ロフトにお越しいただくお客様の多くがSNSの口コミを参考に来ているのではないか、と思うほどSNSは重要です。そのため、薬用や医薬部外品でその効果をSNSで明確に表記できる商品づくりに、各社力を入れている印象です」

「乾燥さん」シリーズから登場した、2つの有効成分で寝ている間に集中ケアできる「薬用ナイトケアパック」も、医薬部外品。メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ美白の有効成分「ナイアシンアミド」と、肌荒れ予防の有効成分「パンテノール(D-パントテニルアルコール)」が配合されている。
「乾燥さん」シリーズを手がけるBCLカンパニーがナイトケアに着目したのは「睡眠中までケアできる=タイパ」を求める消費者ニーズが背景にある。
さらに「薬用ナイトケアパック」はブルーライトによる乾燥ストレスから肌を積極的に守る成分(※)を配合しており、就寝前のスマホタイムにブルーライトケアできる、新しい着眼点のアイテムでもある。
※水素添加大豆リン脂質、大豆リン脂質、フィトステロール(すべて保湿成分)
話題の成分配合で進化。ストレートヘアトレンドに合わせた「うねり」ケアアイテム

ヘアケアトレンドは「うねり」を「まっすぐ」にするストレート系アイテムが2025年はトレンドで、2026年もその傾向は継続すると予測する工藤さん。芸能人や韓国女性アイドルもストレートヘアの人も多く、ストレートヘアスタイルがトレンドのひとつとなっている。
ヘアケアブランド「セラティス」は寝ている間の夜活美容をコンセプトに展開しており、「テラ ナイトコントロール ヘアミルク」はリポソームカプセルにNMNとヒアルロン酸を閉じ込めた成分を配合し、うねりをケアできる。
工藤さん「カールアイロンよりもストレートアイロンの方が圧倒的に人気で、ストレートヘアがトレンドです。サロン専売品のヘアケアアイテムと同クオリティの商品が一般品で増えてきています。また、スキンケアで人気だった成分が、ヘアケアに取り入れられるというのも一つの傾向です」

2026年は髪の内部を補修する「ヘアミルク」の人気がさらに高まる予感。MEDULLAのアウトバスミルク「HYPERLINK SERUM(ハイパーリンクセラム)」は従来品の人気を受けて、2025年12月下旬に新たな香り「チェリーブロッサム」が登場する。
低分子ペプチド(オオアザミ種子エキス※補修成分)をキー成分に、うねりにアプローチするヘアミルクだ。ちなみにMEDULLAは、PDRNやグルタチオンなどの美容成分を配合した「ME-Drip RESQUE SHAMPOO」も販売している。

ボワっとした髪の広がりや、アホ毛をおさえるのもトレンド感のあるストレートヘアには欠かせない。UNOVEの「ヘアマスカラスティック」は大きなブラシで浮き毛をおさえ、キープするアイテムだ。ベタつきにくく、白浮きしにくい自然な仕上がりが大きな特徴となっており、ロフトのネクストコスメとしても選出されている。
工藤さん「UNOVEは今までインバス&アウトバスのケア製品のみの展開でしたが、ヘアマスカラスティックは部分用スタイリング剤になります。こちらもうねりケアに繋がる、注目のアイテムですね」
韓国コスメを筆頭に成分美容の人気が高まった2025年のロフトのコスメ。「PDRN」が非常に優れた成分、というよりは「PDRN」と記載があれば、自分の知らない韓国コスメでも一定のクオリティだろう、という購入者の期待の表れなのではないかと思う。
それに対し日本ブランドは、「医薬部外品」や「薬用」の商品を開発し、効果を明記することで購買意欲を促進させる動きが、2026年は加速しそうだ。
購入者がインターネットで美容知識を容易に手に入れられるからこそ、「ごまかしがきかない時代」になっているのは間違いない。2026年は、より品質と透明性の高いコスメがトレンドとなりそうだ。
・ロフト
HP:https://www.loft.co.jp/
取材・文/小浜みゆ
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