2か月で完売したAIシャンプー「Straine」は、なぜ男性からも支持されたのか？

今、高価格帯シャンプーがトレンドだ。数年前まではバラエティショップやドラッグストアで取り扱う高価格帯シャンプーといえば1,000円前後の商品がメジャーだったが、今は1,500円前後が主流で、「市販で良いシャンプー」を求める人が増えているようだ。

そして1,980円（税込）とさらに高めの価格設定ながら、発売後約2か月でメーカー在庫が完売した人気のシャンプー＆トリートメントがAiロボティクスの「Straine」。

独自AIシステム「SELL」を活用して市場ニーズを導き出し、「即攻ストレート質感」をコンセプトにしたアイテムである。

女性はもちろんのこと、男性からも支持を得た理由をAiロボティクス・マーケティング事業部のPRマネージャー武田瞳さんに伺った。

SNSのリアルな声を拾う「AI」が導き出した、潜在的なストレートヘアの需要

2016年創業の「Aiロボティクス」は独自開発のAIシステム「SELL」を活用し、D2Cブランド事業を展開。

現在はスキンケアブランド「Yunth」や美容家電ブランド「Brighte」などを手掛け、直販だけでなく卸も行っている。

社員数は約30人と少数精鋭ながら、2025年3月期の売上は前期比の約2倍となる140億円を見込むなど飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

そして2025年6月にブランドをローンチした「Straine」は、Aiロボティクス初となるヘアケアブランド。

独自AIシステム「SELL」の分析のもと市場におけるヘアケア需要の高まり、さらにストレートヘアの潜在的な需要を導き出し、「即攻ストレート質感」というコンセプトを確立した。

武田さん「SNSのリアルに発話されてる内容などを弊社のAIシステム『SELL』で読み取り、ニーズを検証した結果、髪の毛に対する関心の高さからヘアケアブランドを立ち上げました。

近年、“美髪課金”という言葉も生まれたように、ヘアケアにお金をかけたいという声が多くなっています。

一般的な定量調査はリアルな発言と比べると一致しないこともありますが、弊社ではSNS上の忖度のないリアルな声や口コミを大切にし、反映させています」

そのニーズに応えるよう商品開発にも力を入れている。毛髪補修成分として「必須アミノ酸＋ジマレイン酸」、内部補修成分としてヘアケア業界で近年特に注目されている「トステア(R)」を配合。

Straineに配合されているトステアやそのほかPPT系洗浄成分などは成分自体が高価で、トステア配合のサロン系シャンプーはもっと高額なものもあるが、それが1,980円（税込）で購入できる意思決定をしたのは、Aiロボティクスならではと武田さんは自信を持つ。

武田さん「Straineは髪内部構造の密度を補強することにポイントをおいています。結合がずれるとうねりなどに繋がるので、それを正しく結合するように必須アミノ酸、ジマレイン酸、トステアを配合量まで綿密に計算してブレンドしています。

実は美容師さんにマスクをしてサロン専売品として有名な4,000円以上するシャンプーと、Straineのシャンプーを使っていただいたら、弊社の商品のほうが評価が高かった、という調査結果も出ています。

ビジネスとして考えた時に高価な成分を配合するかどうかの判断が商品を左右しますが、弊社は品質を追求しました」

山下智久さんに憧れを抱く男性からも支持されたStraine

Straineの購入者の多くは30～40代の女性。一方、1割程度は30～40代の男性も購入しており、この数字は男性をメインターゲットとしていないシャンプーとしては比較的大きい割合だ。

ストレートに髪がととのうことによって寝癖がつきにくくなり、夜にStraineでケアすることで「朝のセットがしやすくなった」という評価を得ている。

武田さん「現時点では女性の方がシャンプーに対する関心が高いためターゲットを女性に設定していますが、美容全般に対して男性の関心が高まってきているのと同様に、ヘアケアに対する関心も高まっているのを感じています。

男性の購入者はストレートヘアの方だけではなく、扱いやすさ、スタイリングのしやすさで選んでくださっている印象ですね。パッケージもニュートラルなデザインにしたので、幅広い層に届いたのだと思います」

Straineの人気を加速させたのは、ブランドアンバサダーの山下智久さんの存在。現在40歳である山下さんの30～40代のファンから認知が広がり、年齢に伴う髪の悩みを持っている人にも届いたという。

近年のヘアケア業界では女性をメインターゲットにしていても、男性の有名人をCMに起用するのが一つの傾向だ。

武田さん「山下さんは圧倒的な知名度と影響力にとどまらず、ストイックに追求されていらっしゃる方です。

Straineを立ち上げるからには、市場への圧倒的なインパクトと初速の認知獲得が必要不可欠であること、Straineが大切にするブランドの思想と深く重なったことから、お願いさせていただきました。

女性ファンの方だけではなく、山下さんに憧れを持っていらっしゃる男性ファンにも手にとっていただけたと思います」

独自開発のAIによって市場のリアルなニーズを把握し、成分にもこだわって商品開発された「Straine」。

今はサロン系シャンプーと市販シャンプーの品質的な境目が徐々になくなってきており、かつ高品質にも関わらず近くのドラッグストアなどで買いやすいとあれば、市販シャンプーが支持されるのも納得できる。高価格帯シャンプーのトレンドは、まだまだ続きそうだ。

・Straine
HP：https://straine.jp

取材・文／小浜みゆ