温かいおでんが恋しい季節になってきた。皆さんはおでんのタネで好きなものはなんだろうか?
筆者はオーソドックスだが出汁がしみた「大根」や味わい深い「卵」などが好きだ。
地域のおでん文化
おでんは地域によって出汁やタネに差がある。旅行先でおでんを食べると、地元との違いが感じられて面白かったりする。
例えば牛すじは筆者の地元秋田では、昔はメジャーではなかったが、たまたま旅行で九州地方に行った際に食べて感動した記憶がある。
コンビニでも地域のおでん文化を尊重して、おでんの内容を土地によって変えているのだろうか?
そんなことを思いながら何気なくセブンイレブンのおでんをネットで検索したのだが、見てみて驚いた。
まず、おでんの具材の種類が32種類もある。しかし、よく見ると厚揚げは4種、白滝が3種、ごぼう巻きが3種など、重複するタネが多いのだ。これはどういうことだろうか?
株式会社セブン-イレブン・ジャパンの広報担当に、“セブンのおでん事情”について話を聞いた。
コンビニのおでんにも地域差があるのか?
セブン-イレブンがおでんの発売を開始したのは1979年とのこと。なんと、ほぼ半世紀に近い歴史がある。
セブン‐イレブンのおでんつゆは、全国7つの地域ごとに食文化に合わせて設計しているんだとか。
「北海道の『煮干』、東北・信越の『いわし』、関東の『昆布』、東海の『牛』、関西・北陸『牛、鶏』、中国・四国の『煮干、牛』、九州・沖縄の『あご』と、地域の味を生かしただし原料を使用しています」(以下「」内、広報担当者)
つまり、同じセブン-イレブンのおでんでも、各地で違う味わいの出汁が楽しめるというわけだ。
個性的なタネが売っている地域も

地域によって違う個性的なおでんのタネにはどんなものがあるのだろうか?
「実は『ちくわぶ』は首都圏のみの販売になります。SNS等でも「一番好き」などの
コメントがございますが、全国販売ではございません』
ちなみに東北出身の筆者は『ちくわぶ』は馴染みがないため得体が知れず、ずっと食べたことがなかった(最近やっと食べた)。
他にも、北海道の『焼豆腐』や岡山以西で販売されている、「まる天」という商品はそのエリアの文化に応じて販売されている商品だという。
この他にも、厚揚げに関しては、北海道、近畿は木綿豆腐を、東北、関東や北陸などでは絹豆腐を使用している。そのため、トータルで4種の厚揚げがウェブの商品メニューにあるのだ。
「厚揚げに関しては、エリアごとに使うお豆腐が異なる文化性があり、そちらに合わせて変更しています」
同一商品でも呼び方に違いも

おでんの同じタネでも地域によって形やカロリー、具材などが若干違う商品がいくつかあるが、これはどういう訳だろうか?
「可能なかぎり新鮮な商品をお届けするため、店舗に近い工場で製造いただいております。そのため、同一商品であっても複数のメーカー様に製造いただいており、このような違いがございます」
なるほど。その地域に近いメーカーが製造することによって、同じおでんのタネでも地域によって若干の差が出ているということなのだ。
例えば『白滝』は3種あるが、チルドで全国に供給するにあたり、複数のメーカーに製造を依頼しており、3種になっているとのこと。わずかにカロリーや糖質などに差があるものの、3本の束を1本の白滝に見せるスリット製法や、調味液など基本的な仕様は同一だという。
ただ、関西ではその文化に応じて商品名を『糸こん』に変更している、というような違いもあったりする。『ごぼう巻き』も関西での商品名は『ごぼ天』だ。
おでんの売れ行きの違い

各地域において、おでんのタネの売れ行きの違いなどはあるのだろうか?
「九州では牛すじ串の人気が高く、関東では10位ほどですが、九州では5位の販売になっています」
この要因は2つあるのだという。ひとつは、九州の方が文化的に畜肉系を好まれる点、ふたつ目はアジアからのインバウンドによる串物需要の高まりとのこと。
「ちなみに都内でも新宿のようにインバウンドが高まるエリアでは、串物が売れる傾向にあります」
セブンのおでんは地域によって違う!
同じセブン-イレブンでも、地域によっておでんの内容は結構違うことがわかった。
出張先や旅行先で、あえて“コンビニおでん”を味わってみるのも良いかもしれない。
取材協力:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン広報部
文/まなたろう
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