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SNSで大バズり!野球場の神業ライン引き職人にプロ野球の未来について聞いてみた

2025.12.03

先日、SNSでバズった職人技がこちら。

芸術的で人間技とは思えないファウルラインは、1800万超のインプレッションを記録。「神業」「天才的」とのコメントも寄せられ、一躍話題となった。

この「真っ直ぐすぎる白線」を引いたのは、(有)ボールパークドットコムに所属し、グラウンドキーパーと審判活動をしている橋本信治さん。九州のプロ野球独立リーグでは審判部アドバイザーとしも活躍している。

橋本さんはかつて、NPBでは審判として通算1000試合出場。優れた判定でプロ野球界を盛り上げた審判に与えられるファインジャッジ賞も受賞している。

ただ、審判の現役時代はこのようなファウルラインを引くことはなかった。ライン引きはそもそもグラウンドの整備を担うグラウンドキーパーの仕事。橋本さんは引退後にライン引きの技術を学び、芸術的な白線までたどり着いたという。

あのファウルラインは手作業だった!

美しすぎるファウルラインはいかにして生み出されているのか?そして、野球界を陰で支える審判という職業とは?今回、橋本さんを直撃した。

――素朴な疑問ですが、あのファウルラインは手作業で引かれているのでしょうか?

「はい、もちろんです。私の知る限りでは日本で機械を使ってラインを引く球場は聞いたことがありません。MLBでは器具を使って引くこともあるみたいですが私は全部人力、手作業です」

そもそも、野球場の白いラインはどのようにして引かれているのか?橋本さんに解説いただいた。

「ホームベースから一塁や三塁を通って外野まで延びるファウルラインの場合は、まず本塁から外野の芝際までロープを強く引っ張り、人の足で押さえたり杭を打ったりなどして真っ直ぐになった状態で固定します」

「一塁側の場合は、そのロープをまたいでラインカーの石灰が出る右側2ミリにロープを合わせて引いていきます。この際、ラインカーの取手の角を軽く握り、脇を締めて腕ではなくお腹で押すイメージでラインカーを進めます。ちなみに、2ミリ幅を真上から見ているので前は見ません」

「歩く時は片足を約5センチずつ前にずらしながら歩きます。歩幅を大きくすると身体が左右に揺れてラインも揺れてしまうからです。ファウルラインを1本引くのに6分ほどかかりますね」

約40メートルのラインを6分で完成させていたとは驚き。しかもあのクオリティだから確かに神業である。

そんな橋本さんが心がけているライン引きのポイントとは?

「ラインを引く時は呼吸を一定にすることですね。小刻みに歩く時は足の動きに合わせて小刻みに数回吐いて数回吸う。30センチずつ引く時は長くゆっくり吐きながらラインカーを押し、足を移動する時に一気に鼻から吸う、というような感じです」

「また、グラウンドが湿っていたり細かい凹凸があったりするとキレイなライン引きは難しいので、あらかじめ平らに整備しておくことも大事。ゆっくりと丁寧に諦めずに引けば、ある程度真っ直ぐなラインは引けると思います」

そんな橋本さんは、現在九州を拠点にグラウンドキーパー兼審判アドバイザーとして若手育成にも務めているが、もともとはメジャーの舞台を目指していたという。

「大学3年生の冬、たまたま聞いていたラジオでアメリカに審判学校があると知り、野球に携わる仕事がしたいと思っていた私は「審判員は職業だ」と気づいたと同時に「将来はMLB審判員になっている」という閃きを得ました」

「そのまま大学を中退し、翌年その審判学校(学校と言ってもスクールではなくアカデミーなので5週間程度ですが)に入学。しかし、MLBのテストはパスできず、日本に戻ってアマチュア審判をしながら次のチャンスを伺っていました。そんな時にパ・リーグから声をかけていただき、2003年からプロ野球審判員として活動することになったんです」

長きにわたるNPBでの審判時代、特に印象に残っている試合があるという。それは、

「日本ハム在籍時の大谷翔平投手(現ドジャース)が当時日本最速の163km/hを出した時、私は球審を務めていました。その時の場内のどよめきと糸を引くような真っ直ぐの残像は今でも目に焼きついています」

「翌日の新聞テレビの騒ぎようから、このあと数年はこの映像が使われる、地元の父親も喜んでくれると思っていましたが、夏頃に164km/h、秋に165km/hを出され、その後テレビでは一切見なくなったのはいい思い出です笑」

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