数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこでDIME1月号では「[完全保存版]僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返り。「懐かしい!」という言葉が止まらなくないようなわかる世代にはわかる大特集の中から、今回は「有村昆さんが語る80年代カルチャーの魅力」を再編集して特別にお届けする。
『デロリアン』といえばこの人!
40年ほど前は、バブル経済の最盛期へ真っしぐらの時代。
イケイケドンドンの風潮に乗り、商品や映像作品はもちろん、様々なカルチャーも生まれた。そんな当時について、創刊頃の小誌記事などをもとに振り返ろう。
『デロリアン』といえばこの人!
有村昆さんが振り返る当時に流行していたこと

映画コメンテーター/民泊オーナー/サウナ熱波師
有村 昆さん
1976年生まれ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ファンで一時期は『デロリアン』も所有。現在は映画の要素を盛り込んだ熱波ショーを『サウナ サンフラワー 巣鴨店』で毎月開催。民泊オーナーとしての顔も持つ。
1986年頃の有村さん!

当時は収集する喜びと映画の熱量を感じ取れた時代
1986年、私が10歳の子供だった頃は〝ファミコンブーム〟の真っ只中。ゲームそのものはもちろん、ゲームを買うたびにカセットのコレクションを増やしていけるのが楽しみでした。
〝キン消し〟や〝SD戦国武者のカードダス〟などを含めて、ワクワクしながらコレクションできるもので、私たちの身の回りがあふれていた気もしますね。
今は本もCDも持たなくなっていっていますが、物に対する興味関心って、まだ強いと感じています。『テスラ』に乗車した私の子供は、ミッションを変えられるアナログなモードについて『カッコいい!』と、目をキラキラさせながら見つめていましたから。
胸躍る気分にさせてくれたのは、当時の映画にも言えること。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はその象徴的な存在です。同じSF作品でも、それ以前までの『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』『マッドマックス』とは大違い。宙に浮くホバーボードしかり。一瞬で履ける『ナイキ』のスニーカーしかり。ポジティブな未来を見せてくれました。
それと当時のハリウッド作品は、アメリカが好景気だったこともあってスケールがとにかく大きい! 改めて見てもリアルな迫力に圧倒されます。『トップガン』は顕著で、戦闘機の実物を撮影に使っていましたから。それだけのことをしたからこそ40年たった今も魅了されるのでしょう。
当時のTREND【1】映画に登場したデロリアンが大人気に!
『デロリアン』とは、1981年から販売されたスポーツカーのこと。ジョン・デロリアン氏が考案し、世界的な工業デザイナーのジウジアーロ氏が手がけたことで知られる。上方に開く〝ガルウイングドア〟をはじめ、物欲をそそる要素がたくさん詰まっていたものの、販売の不振や資金繰りの難航などにより、1982年には製造中止に。しかしその後、1985年公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でタイムマシンとして登場し、人気が高騰。日本も例外ではなく、映画とともにその名は広く知れ渡る。今なお愛好家の集いが行なわれているほど人気だ。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
1985年12月7日に公開。大人気のあまり、8か月のロングラン上映に。同シリーズでは『デロリアン』以外にも魅力的なガジェットが登場。物語に花を添えた。

ジョン・デロリアン氏を小誌では2号連続で取材!

小誌の創刊2号目と創刊3号目に、ジョン・デロリアン氏のインタビュー記事を掲載。『デロリアン』というスポーツカーがどれだけ周知され、同氏にもいかにスポットライトが当たっていたのかがわかるだろう。取材時には新事業への熱い思いや、仕事に対する考え方などを、計14ページにわたって激白していた。
心をときめかせる模型が今なお続々とリリース!

『1/24 バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅠ タイムマシン』6600円
根強いファンのため、同社ではこれまでにも同映画の模型をたびたび展開してきた。写真は映画の〝Part I〟に登場する〝タイムマシン〟の新製品。特徴的な外装や内装の造形が見て取れる。タイムスリップ時に発生する炎のエフェクトパーツも付録。
創刊当時の小誌が報じた若者たちのカルチャー
当時のTREND【2】床に直置きするのがナウい!
創刊当時の小誌では「フロア・ライフ=床で暮らす」という小特集を掲載。テレビやオーディオ機器をラックではなく床に直置きし、座椅子やソファはできるだけ座面の低いものをセレクト。そういったもので部屋を構成すると、目線が自然とローアングルになり、生活空間がより広く見えるようになるというわけだ。当時の『DIME』では、そのような視点に基づいて撮影されたイメージカットが比較的多く用いられた。

当時のTREND【3】エアロビクスでシェイプアップ!
エアロビクスとは、動きやすいカラフルな服で、音楽に合わせて体を動かしながらエクササイズをする有酸素運動のこと。創刊当時の小誌では〝最後のファッションはボディー〟と題した企画で、その頃にオープンしたエアロビクススタジオ『ノーチラスクラブ青山』などを取材。異業種の企業がエアロビクスの関連事業に参入している実情を含めて取り上げた。別の記事では自宅で使えるエアロビクス用マットなどのアイテムも紹介。

当時のTREND【4】イケてるクルマでドライブ
当時、20~30代のカップルといえばドライブデートが定番。クルマがなければモテなかった時代だ。そのため、小誌でクルマを紹介する記事は、そのことを想起させる訴求写真が使われることも多かった。1987年以降は〝3代目プレリュード〟がデートカーの代表格としてヒットしたほか、スズキ『アルト ツインカム12RS』やニッサン『エクサ』といった2ドアのコンパクトカーも人気に。それらの車種は誌面でもたびたび取り上げられている。

取材・文・編集/田尻健二郎 イラスト/岸べぇ(asterisk-agency) 写真/AFLO
© Universal City Studios LLC and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
あの頃、僕らを夢中にさせたヒット商品が大集合!DIME最新号の特集は「ヒット商品クロニクル」
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎えます。そこで2025年11月14日(金)発売の今月のDIMEでは「[完全保存版]…







DIME MAGAZINE












