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ネロリハーブ菅原あゆみさんが手作りで伝える、植物の力を取り入れる方法

2025.11.30

ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing beauty by MICHIRU」。

この夏の終わり、NeRoLi herbの菅原あゆみさんとMICHIRUさんは、手作りキッチンコスメのワークショップを開催した。この中編では、ワークショップの様子と合わせて、菅原さんが植物を通して伝えたいことを探っていく。

「自分に愛を向ける」植物療法とは?専門家に聞くネロリハーブの秘密

ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing beauty by MICHIRU」。 連載第7回は、MICHIRUさんも自身の…

生きた植物をそのまま肌に届ける贅沢

MICHIRUさん(以下、MICHIRU):今回は2回目の「NeRoLo herb×MICHIRU塾 自分の手で作ってみんなで楽しむ会」になりましたね。

菅原さん(以下、菅原): MICHIRUさんと春に開催した第1回が大好評だったんです。化学物質を使わず、ハーブをはじめ無添加なものだけでコスメがつくれる。しかも、すごく簡単にできることにみなさん驚いてくださって。

MICHIRUさん:一般的に手作りコスメというと、市販品に比べて物足りないイメージがあります。でもあゆみさんのレシピは全然違う。むしろ市販品に戻れなくなるくらいの使い心地!

菅原:美容のプロにそう言ってもらえるのは、本当に嬉しいです。高機能な化粧品などもありますが、私は手作りコスメこそ最高の贅沢だと思っています。

植物の生命力を、そのまま生きている肌に届けられるのは手作りだからこそ。防腐剤などを使わずに作れば、植物は化粧品にしてもまだ生きているんですよ。

MICHIRU:そうなんですね! 確かに使っていくと、香りも熟成されていく感じがしました。あゆみさんのレシピは、香りもスペシャル。使うたびに癒されるし、作った時の楽しさが蘇ってきます。

菅原:工程を脳が覚えているでしょう? これが入っている、あれが入っていると思うと、愛おしさも増しますよね。

小さな輪だから伝えられる“正しいこと”

MICHIRU:手作りコスメのワークショップをやろうと思ったきっかけは?

菅原:販売するだけでなく、そろそろ正しいことを伝えていく時期かなと感じているからです。私、60歳になったんですよ。第二の思春期なんです。自分が生きてきた証、自分の想いを何か一つくらい乗せてもいい頃。商業ベースだと伝えきれないこと、言えないことも、少人数なら伝えられますからね。

MICHIRU:まさに「植物療法はハーブティーを飲むだけじゃない」と言わんばかりに、幅広く植物を摂り入れる知恵を語ってくださるのも印象的です。売るためじゃないというか。

菅原:惜しむものは何もないと思っているんです。植物を自分のために取り入れる方法はまだまだ沢山あるんですよね。だから持っている知識や経験を全部伝えていきたい。MICHIRUさんとのこのイベントも、その一つです。

レポート:植物の力を余すことなく使うNeRoLi herb×MICHIRU塾

8月の終わりに開催された「NeRoLi herb×MICHIRU塾 自分の手で作ってみんなで楽しむ会」のテーマは、「夏のボディケア」。約10名の参加者とともに、夏の日差しに疲れた肌をケアするキッチンコスメを手作りした。

<今回作ったコスメ>
・クリアリング ハーブソープ
・美白ボディローション
・美白ボディセラム
・角質ケアボディパック

ドライハーブと精油の香りに満ちた会の様子をお届けする。

香りを選ぶところから、もう楽しい

まず作りはじめたのはクリアリング ハーブソープ。ただ作るだけでなく、ハーブや精油、化粧品に使用する成分について、菅原さんがさまざまな知識を伝えてくれる。

たとえばソープに使用したハーブパウダー、ヒース。化粧品には美白効果を期待して、α-アルブチンという成分が入っているものが多い。

「ヒースはα-アルブチンを含む地球で最初の植物と言われています」と、菅原さん。

さらに用意された精油の中から、参加者が思い思いの精油を容器の中にブレンドしていく。

「ネロリかな、ラベンダーかな」と真剣な表情で選ぶ参加者のみなさん。その様子を見ながら菅原さんがすかさずアドバイス。「直感でいいの。でもどこか痒いところがある人はティーツリー、ラベンダーを入れてね」と。

ハーブティーの、飲む以外の使い方

会が始まる前から抽出され、店内に香りを満たしていた濃厚なハーブティーは、美白ボディローションと美白ボディセラムに。

「植物は抽出した状態でもまだ生きています。しかも水溶性の薬効がぜんぶここに溶け出ているんですよ。それを肌につけることで、自分の中に入れていきます」

保湿、抗炎症、肌の保護などを期待する成分も、すべてノンケミカル。この防腐剤を入れないレシピは常温で置いておくとすぐに腐敗が始まってしまう。そのため冷蔵庫での保存が必須。

だから商品ではなく、“手作り”という知恵で伝えていくしかない。まさに“生きているものをつくっている”と感じる時間。

地球の恵みだけできれいになる手作りコスメ

最後に作ったのはハーブパウダーがスクラブの役割を果たす、角質ケアボディパック。何億年もの時を経て地球が育んだクレイと、太陽と土の力を抱いたハーブだけのシンプルなレシピ。だからこそ、使うたびに“地球そのもの”に触れているような豊かさがある。

できあがった角質ボディケアパックを、菅原さんがミチルさんの手の甲の上でくるくる。洗い流すと、パッと肌色が明るくなる。

「全身にパックしてそのままお風呂に入るとクレイバスになりますね!」とミチルさん。みんなで作るから、使い方も広がっていく。

参加者のみなさんが楽しそうに作業する様子を見守っていた菅原さんは、語る。「植物は地球のヒーラー。地球の上に生きる人たちには、絶対に必要なんです」と。

MICHIRUさんが笑顔で応じる。「こんなに植物のパワーを使ったコスメは、手作りじゃないとつくれません。使うたびに植物のエネルギーを感じてくださいね」。

そして会の最後に、菅原さんが優しく言葉を添えた。「自分の体を大切にしてくださいね。頑張ったこと、辛いことがあった日は、ラベンダーの枕を抱いて寝てね」。暮らしのそこかしこに、植物の力を借りられる場所がある。そんな幸せなヒントに包まれて、夏の終わりの1日が香り豊かに閉じられた。

☆ ☆ ☆

後編では、菅原さんの豊かな知恵が育まれたバックグラウンドを伺っていく。

菅原あゆみ(すがわらあゆみ)
2015年より「大切な人や、家族のための植物療法」をコンセプトに、NeRoLi herbを主宰。英国式植物療法、漢方、和漢、アーユルヴェーダなどをベースに、オリジナルのメソッドを確立。産地や製法などを厳選したハーブを用いて、本物の植物の力を広げている。女優、モデル、ヘア&メイクアップアーティストなど、美のプロフェッショナルたちからの信頼も厚い。

MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。

取材・構成/福田真木子
写真/杉原賢紀

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