2026年は、どのような旅行スタイルが流行するだろう。
Booking.com は、33の国と地域にわたる29,733人の旅行者を対象に調査を実施しました。その調査結果と同社独自の知見をもとに、2026年の「旅行トレンド予測」10選を発表した。
1. 空想物語への没入ファンタジー旅(Romantasy Retreats)
何世紀にもわたり、旅行者は「本」を旅の心強い相棒として、スーツケースに忍ばせ、列車や飛行機、海辺など、あらゆる場所でページをめくってきた。
そして2026年、ロマンタジー(ロマンス×ファンタジー)ジャンルの人気が急上昇するなか、物語と旅の関係は新たな章を迎えている。
旅行者は小説を読むだけでなく、ドラゴンや妖精、神話の生き物たちが息づく幻想の世界へと実際に足を踏み入れようとしているようだ。
2026年には、休暇が“物語の世界に浸る旅”へと進化すると予測されている。魔法の城や神秘的な森、中世の宴会や仮面舞踏会が舞台となり、まるで別世界に迷い込んだようなロマンタジーな旅が広がる。
世界の旅行者の約7割(世界:71%、日本:56%)が、ロマンタジーの世界から着想を得た目的地への旅行に興味を持っていると回答した。多くの人にとって、こうした旅は単なる観光を超えた体験だ。
お気に入りのファンタジー作品やゲーム、映画の世界を題材にしたロールプレイを楽しむ旅への参加に前向きな人は、世界全体で過半数(世界:53%、日本:34%)にのぼり、さらに4分の1近く(世界:23%、日本:10%)が、この旅を「今後の旅行計画にぜひ取り入れたい」と回答している。
この新たな現実逃避のページをめくるのがテクノロジーだ。世界の旅行者の約8割(世界:78%、日本:64%)が、AIを活用してファンタジー風の美しい場所を提案してもらったり、「物語に登場しそうな」隠れ家のような宿を紹介してもらったり、実際の撮影地を特定してもらうことに前向きだと回答していた。
もはやファンタジーはフィクションの中だけの存在ではない。想像力と冒険心が主役になる、魔法のような旅の新しいモデルとして現実の旅行を形づくり始めている。
2. ロボットとの次世代ステイ(Humanoid Homes)
バケーションレンタルは、広々とした空間とプライバシーの確保で人気を集めてきた。しかし、2026年には、ヒューマノイドのお手伝いが加わった、より未来的な滞在先へと進化しようとしている。
例えば、散らかった部屋をお掃除ロボットが片付け、ロボットシェフが夕食を用意し(食器洗いまでお任せ)、スマートシステムが水回りやエネルギー、ごみの管理を静かに最適化してくれる――そんな宿泊体験を想像してみてほしい。
この快適さと好奇心が融合する最前線を、旅行者はすでに前向きに受け入れ始めている。世界の旅行者の77%(日本:70%)が、お手伝いロボット機能を備えたバケーションレンタルの予約に意欲的であり、その鍵を握るのは“実用性”だ。
約半数(世界:49%、日本:47%)が、「お掃除ロボットの有無が予約の決め手になる」と回答し、39%(日本:37%)が、最も期待するのはロボットシェフと回答した。
さらに、4分の1(世界:25%、日本:12%)が、裏方でサステナビリティを管理するロボットを望んでいる。
一方で、大切なのは利便性だけではない。目新しさを感じるから(世界:28%、日本:20%)、あるいは、まるでSFの世界にいるようなバケーションレンタルに滞在すると自慢したいから(世界:19%、日本:13%)という声も多く見られた。
こうした「ロボットとの次世代ステイ」は、実用性と遊び心の境界をあいまいにし、快適さと驚きを両立させた、まったく新しいバケーションレンタル体験を生み出しているようだ。
3. ‘絆の真価’を確かめる旅(Turbulence Test)
休暇は、もはやリフレッシュのためだけでなく、2026年には、恋人や友人、仕事仲間との絆を試す“究極の相性テスト”の場となりそうだ。多くの旅行者が、旅先で一緒に過ごす時間を通じて、関係性の強さを確かめようとしている。
実際に、世界の旅行者の3分の2以上(世界:69%、日本:44%)が、将来のパートナーや同僚、新しい友人との旅に前向きで、その目的は「相性を確かめたいから」と回答していた。関係性を試すこの方法は、創造的でありながら、時に本音をあぶり出すものでもある。
また、3分の2近く(世界:62%、日本:41%)の旅行者は、あえて人里離れた場所を訪れ、同行者が予測不能な状況や不快な場面でどう対処するかを見てみたいと回答していた。
さらに59%(日本:47%)は、「普段リードする人が主導権を手放し、内向的な人が代わりに導く」ような“役割逆転の旅”に興味を示している。
同じく59%(日本:42%)は、限られた予算や言語の壁、インターネット接続の悪さなど、あえて制約のある環境での旅を望んでいることも判明。
一方で、旅のパートナーが自発的に旅を計画するかどうかを、一歩引いた立場から観察したいという人も多く(世界:71%、日本:54%)見られる。
こうした困難の中でのテストは、休暇に対する人々の意識の変化を象徴している。旅は単なる逃避や癒しではなく、お互いの相性や適応性、チームワークを見極めるための没入型体験へと進化しているのだ。
なかでも最も実験的なのはZ世代の旅行者。実生活に近い状況を再現し、関係が発展するかどうかを試すために設計されたカスタマイズ旅程を体験してみたいという人は、世界で81%(日本:57%)に上っている。
4. キッチン棚に旅の物語を集める旅(Self-ie Souvenirs)
2026年には、自宅のキッチンの棚が旅の続きの“異国情緒を映すキャンバス”へと進化。旅先のおみやげを並べて、自分の好みやデザインセンス、旅行先のストーリーを表現する人が増えている。
かつて冷蔵庫に貼られていたマグネットが、いまや食料棚へと移り、旅行者は食べられるおみやげやデザイン性の高いおみやげを探すようになっている。日常のキッチンが、世界の文化を紹介する小さなギャラリーへとなりつつあるようだ。
スパイスを入れる手描きのつぼや、工芸的な装飾が施されたオリーブオイル用の缶など、デザイン性のあるキッチン用品や食料品を旅先で購入したいと回答した旅行者は、世界で3分の2以上(世界:68%、日本:58%)にのぼった。
さらに、半数以上(世界:55%、日本:44%)が、食やキッチン用品が有名な目的地を訪れたいと回答。こうした変化は、見た目だけでなく、その背後にある意味も重視する傾向を示している。
世界の旅行者の4分の1以上(世界:26%、日本:25%)が、食べられるおみやげは、料理をするたびに旅の記憶を呼び起こしてくれると回答しており、25%(日本:11%)が、工芸やサステナビリティ、伝統的な手法を伝えるアイテムであることを重視していることがうかがえる。
さらに、独自性やスタイルを重んじる旅行者もおり、5人に1人近く(世界:17%、日本:13%)は、珍しいおみやげや限定デザインのキッチンアイテム、棚に置いてもSNS映えするパッケージなどを収集することを目的とした旅先を選んでいた。







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