KDDIは2025年11月17日、auの新料金プランと新サービスを発表した。その内容は「マネ活」プランをアップデートした「au バリューリンク マネ活2」、Netflixとの連携、「au Starlink Direct」の海外ローミングと多彩なものだった。これらについて詳しく説明しよう。
「au バリューリンク マネ活 2」ってどんなプラン?
まず新料金プラン「au バリューリンク マネ活 2」は、6月3日にスタートした「au バリューリンク」プランに、auじぶん銀行特典を強化した「マネ活 2」をプラスしたもの。
「au バリューリンク」は、データ使い放題の通信サービスに、「au Starlink Direct」「au 5G Fast Lane」「au海外放題」「サブスクぷらすポイント」「Pontaパス」の5つのサービスがセットされた付加価値の高いプランだ。新たに「地震の備えサポート」も加わった。それぞれのサービス内容については以下を参考にしてほしい。
●au Starlink Direct
衛星とスマホの直接通信サービス。auの圏外エリアでも空が見えれば、メッセージ送受信や対応アプリでのデータ通信が利用できる。
●au 5G Fast Lane(ファストレーン)
対象ユーザーに多くの無線リソースを割り当てることで、混雑時でもより快適に通信できる。
●au海外放題
世界160か国でのデータ通信が使い放題で、追加料金なしで1か月当たり15日分まで利用できる。
●サブスクぷらすポイント
「Netflix」「Apple Music」「YouTube Premium」「TELASA」「Google One」の各サービスにauやUQ mobileから加入した場合、最大20%のPontaポイントが貯まる。
●Pontaパス
映像や音楽、雑誌などのエンタメコンテンツに加えて、ローソンの買い物がお得になるサブスクサービス。月額548円。
●地震の備えサポート(12月1日より提供開始)
震度7の地震発生時、スマホで手続きすることで、家屋などの損害状況を確認することなく、最短地震発生当日に保険金3万円が受け取れる。
そして「マネ活」プランは、業界初の通信と金融のセットプランとして、2023年9月から提供開始。その頃と比べて今は、金利の引き上げや日経平均株価の上昇、キャッシュレス決済比率の伸びなど、金融環境が激しく変化している。そんな市場変化や金融ニーズなどを踏まえて、アップデートしたのが今回の「マネ活 2」だ。
銀行連携の強化とシンプルがポイントの「マネ活 2」では、「au じぶん銀行」や「au PAY カード」などをセット利用することで、「銀行あずけて特典」「通信料お支払い特典」「お買い物特典」の3大特典が受けられる。それぞれの特典の内容については以下の表に記載した。
スマホ向けの料金プランの特典としてキャッシュバックすることは、通信業界として初とのこと。この3大特典により、毎月最大4700円相当が還元される。
「au バリューリンク マネ活2」は月額9328円のプランになるが、3大特典などの割引適用後には実質負担額が月額3528円になり、かなり安価な料金になる。「Pontaパス」が不要の場合は、「使い放題MAX+ マネ活2」を選ぶと月額9108円になる。
この新プランの登場により、既存の「auマネ活バリューリンクプラン」の新規受付は終了となる。この既存プランと新プランの月額料金は同じだが、特典で得られる還元が新プランの方が多いため、実質負担額は新プランの方がお得になる。
ただ、既存プランでは口座を保有していれば良かったのが、新プランでは預金残高に踏み込んでいたり、通信料金支払い特典のメリットが大きくなっていたりと、「au じぶん銀行」とのより密接な取引が求められる。ただし既存プランでは「au PAY」と「au PAY カード」別々に設定されていた決済特典が、新プランではどちらの決済でも良くなったところは、使いやすくなったと言えるだろう。
「au バリューリンク マネ活2」の3大特典で最大4700円相当の還元を受けるためには、「au PAY ゴールドカード」会員であることが重要。そして「au じぶん銀行」の普通預金に50万円以上の残高があり、「au じぶん銀行」から通信料と「au PAY ゴールドカード」の引き落としを行ない、「au PAY ゴールドカード」または「au PAY」で5万円の買い物をする必要がある。もちろん、「au PAY ゴールドカード」の年会費1万1000円は別途必要になる。
年会費無料の「au PAYカード」では「銀行あずけて特典」が受けられず、「お買い物特典」が1%ポイント還元になるため、上限の2500ポイントを獲得するためには25万円の買い物が必要。さすがに毎月コンスタントに25万円の買い物をするのは現実的ではないので、「マネ活2」は「au PAY ゴールドカード」会員であり、「au じぶん銀行」をメインもしくはサブバンクとして利用する人向けだと言える。
Netflixのキャンペーンや衛星通信の海外ローミングがスタート
KDDIがNetflixとの連携を強化することも発表された。その取り組みの第一弾として、「Netflix(広告つきスタンダード)」月額890円を最大5か月間、追加料金なしで見放題のキャンペーンを実施する。
キャンペーン期間は2025年12月1日~2026年4月30日(申し込みは3月31日まで)で、auとUQ mobileユーザーがauとUQ mobile経由で「Netflix アラカルト」に新規加入した場合に適用。キャンペーン終了後も毎月最大20%のポイント還元が受けられる。
そして圏外でも空が見えればどこでもつながる衛星通信の「au Starlink Direct」が、2025年度中に海外ローミングを開始。アメリカ大手キャリアのT-MobileのStarlink通信エリアでサービスが提供され、日米どちらでも衛星通信が可能になる。
アメリカは広大なだけに、グランドキャニオンなど、人気の観光地でも圏外の場所が多い。ローミングが開始すれば、海外でも圏外がゼロになる。
KDDIでは、“「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。”というメッセージを、「KDDI VISION 2030」に掲げている。今回の新料金プランや新サービスの登場で、金融、エンタメ、衛星のジャンルにおいて、つなぐチカラが進化した。
松田社長は、「これからもこれら商品力にしっかりと磨きをかけ、お客様一人一人にバリューをお届けし続けてまいります」と力強く語って発表会を締め括った。
文/綿谷禎子







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