元旦に届けるには年賀状をいつまでに出すとよいのか、元旦に間に合わないときはいつまでに出せばよいのかを解説します。また、返信が遅れたときの寒中見舞いの書き方も確認しましょう。
目次
年賀状を出すタイミングは、相手に失礼なく新年のあいさつを届けるために大切なマナーです。
年賀状をいつまでに出すべきかについて、投函期限と配達の仕組み、そして時期に応じた適切なあいさつ方法を詳しく解説していきます。
年賀状はいつまでに出すと元旦に届くのか
■元旦配達には12月15〜25日の投函が原則
年賀状を元旦配達希望の場合、12月15〜25日の間に投函しましょう。
日本郵便では、例年12月15日から年賀状の受付を開始しています。受付開始より前に投函すると、通常のはがきとして扱われ年内に配達されてしまうため注意が必要です。
12月25日以降も元旦到着可能な場合があるものの、万全を期すなら25日までに投函しましょう。特に、ポストは集荷時間が決まっているため、早めの投函がおすすめです。
■1月7日到着までが年賀状を送れる期限
松の内とは、門松やしめ縄などの正月飾りを飾る期間を指し、地域差があるものの関東では1月1〜1月7日までとされています。松の内は年神様を迎える時期であり、この時期に届く年賀状が正式な新年のあいさつです。
例えば、1月3日に届いた年賀状にすぐ返信すれば、相手には1月5〜7日ごろに届くため、正式な年賀状マナーを守れます。三が日(1月1〜3日)を過ぎても、松の内である1月7日までなら、年賀状としてマナー違反になりません。
1月8日以降は年賀はがきも通常郵便として扱われ、消印が付きます。年賀状扱いを希望する場合は1月7日までに到着するよう調整しましょう。
■1月8日以降は寒中見舞いへ切り替えが必要
1月8日には松の内が明けるため、年賀状状から寒中見舞いへ切り替える必要があります。松の内は年神様をお迎えする期間であり、この期間を過ぎてから「新年おめでとうございます」というお祝いの言葉を送ることは、季節感にそぐわないためです。
年賀状の返信が遅れた場合や、出しそびれた相手へのあいさつとして、寒中見舞いは活用できます。また、喪中で年賀状を控えた人へのあいさつや、喪中の人へ新年のあいさつを送る際にも適しています。
時期に応じた適切なあいさつ状を選ぶことが、日本の季節感を大切にする心遣いです。
年賀状と寒中見舞いの違いとは

年賀状を出しそびれてしまった場合や、松の内を過ぎてからあいさつを送りたい場合、どのような対応が適切なのでしょうか。それぞれのあいさつ状の特徴と送る時期、具体的な使い分け方について詳しく解説していきます。
■寒中見舞いは松の内明けから2月4日に送る季節のあいさつ状
寒中見舞いは、松の内が明ける1月8日から立春の2月4日ごろまでの期間に送る、季節のあいさつ状です。年賀状が新年のお祝いを伝えるものであるのに対し、寒中見舞いは冬の寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣うという、安否確認の意味合いが強くなっています。
実際の使い分けとしては、年賀状を出しそびれて1月8日を過ぎてしまった場合のあいさつとして使えます。
さらに、喪中で年賀状を控えた人への新年のあいさつや、また喪中の相手へ年始のあいさつを送る際にも、寒中見舞いが適切な選択です。
■余寒見舞いは立春以降の寒さを気遣うあいさつ状
余寒見舞いは、立春(2月4日ごろ)を過ぎてから送る季節のあいさつ状です。暦の上では春を迎えても、実際の気候はまだ寒さが残ることが多く、そうした『残った寒さ』の中で相手の健康を気遣う意味が込められています。
寒中見舞いが立春までの期間に送るものであるのに対し、余寒見舞いは立春以降から2月末ごろまでに送るのが一般的なマナーです。
寒中見舞いの時期を逃してしまった場合でも、余寒見舞いとしてあいさつを送ることで相手への気遣いを伝えられます。年賀状の返信が遅れた場合や、喪中の報告が遅くなった際にも活用できます。
年賀状の基本マナーと対応方法

年賀状を出すのが遅れて三が日を過ぎたとき、多くの人が不安になるかもしれません。しかし、適切なマナーを守れば、遅れた場合でも相手に失礼なくあいさつを届けることができます。
ここでは、年賀状を送る際に押さえておきたい基本マナーと、遅れてしまった場合の具体的な対応方法について詳しく見ていきましょう。
■1月1日に届かない場合は「元旦」「元日」の表記を避ける
年賀状が1月1日に届かない可能性がある場合は、『元旦』や『元日』という表記を避けるのが基本マナーです。
元旦は1月1日の朝を指し、元日は1月1日全体を意味するため、1月2日以降に到着する年賀状には適していません。配達日が不明な場合は、『令和〇年 1月』や『令和〇年 正月』と月のみを記載しましょう。
年始は配達休止日があるため到着日の予測が難しく、印刷済みデザインに『元旦』の文字がある場合は、修正するか別のデザインを選ぶ配慮が大切です。日付表記の工夫で、相手への心遣いを伝えることができます。
■年賀状を出していない相手にはすぐ返信する
自分が年賀状を送っていない相手から届いた場合は、できるだけ早く返信するのがマナーです。放置すると失礼な印象を与えるため、届いた当日か翌日には準備を始めましょう。
1月7日までに相手へ届けば、年賀状として返信できます。返信の際は、年賀状をいただいたお礼と、あいさつが遅れたお詫びを添えることが重要です。
例えば、「年賀状をいただきありがとうございます。新年のあいさつが遅れまして申し訳ございません」といった表現が適しています。相手から近況報告がある場合は「お元気ですか」という定型句を避け、相手の状況を受け止める形で書くとより丁寧です。
■喪中の相手へは年賀状でなく寒中見舞いであいさつ
喪中の相手へは年賀状ではなく、寒中見舞いであいさつするのが基本マナーです。年賀状は新年を祝うあいさつ状であるため、喪に服している人へ送るのは相手の心情に配慮を欠きます。
一方、寒中見舞いは季節のあいさつであり祝い事ではないため、喪中の人へ送っても問題ありません。喪中はがきが届いた場合は、松の内明けから立春の2月4日ごろまでに寒中見舞いを送りましょう。
文面には、「喪中はがきをいただき、年賀状は控えさせていただきました」といったお悔やみの言葉を添えます。立春を過ぎた場合は、余寒見舞いとして送ることも可能です。
■年賀状の返信としてメールを送るのはなるべく避ける
近年では年賀状の代わりに、メールで新年のあいさつをするケースが増えています。年賀状を送ってくれた相手にメールで返信すると、手間を省いたように見え、印象が悪くなる可能性があります。
できるだけ、年賀状を送ってくれた相手には早めに年賀状を返すか、遅れた場合でも寒中見舞いを出すのがおすすめです。特に、仕事関係者や目上の人に対しては、特別な事情がない限りはがきで返信するよう心がけましょう。
ただし、友人や親族など親しい間柄で理由を説明できる場合は、必ずしも形式にこだわる必要はありません。
年賀状が遅れたときの寒中見舞いの書き方とお詫び文例

年賀状を出すタイミングが遅れてしまった場合、寒中見舞いでお詫びとあいさつを届けることができます。基本構成と、シチュエーション別の文例について詳しく紹介していきます。
■寒中見舞いの基本構成と入れるべき4つの要素
寒中見舞いには、相手へ失礼のないあいさつを届けるための基本構成があります。
一つ目は、時候のあいさつです。「寒中お見舞い申し上げます」「寒中お伺い申し上げます」といった、定型のあいさつで始めます。
二つ目は、お詫びや気遣いの言葉です。年賀状の返礼が遅れた場合は「新年のあいさつが遅れまして申し訳ございません」と素直にお詫びします。通常のあいさつなら、「厳しい寒さが続きますがお変わりございませんか」と相手の健康を気遣います。
三つ目は近況報告で、伝えたい出来事を簡潔にまとめましょう。四つ目は、結びのあいさつです。今後の関係や相手の健康を願う言葉で締めくくり、最後に日付と差出人情報を記載すれば完成です。
■目上の人に返信するケース
目上の人へ寒中見舞いを送る際は、丁寧な敬語表現とお詫びの言葉を組み合わせることが大切です。
【例文】
寒中お伺い申し上げます。
新年のごあいさつが遅れましたこと大変失礼いたしました。
〇〇さまもご健勝のこととお慶び申し上げます。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますので、くれぐれもご自愛くださいませ。
「寒中お伺い申し上げます」というあいさつで敬意を表し、年賀状への返信が遅れたことに対するお詫びの気持ちを伝えましょう。
■友人に返信するケース
親しい友人に送る寒中見舞いでは、堅苦しい表現よりも普段の会話に近いトーンで書くことで、温かみのあるあいさつになります。
【例文】
寒中お見舞い申し上げます。
新年のあいさつが遅くなってしまってごめんなさい。
また近いうちにゆっくり会えるのを楽しみにしています。
今年はとても寒いので〇〇さんも体調に気を付けてね。
友人に送る場合は、親しさの度合いに応じて言葉遣いや表現を変えるのがおすすめです。次に会うときの予定確認や、旧年中に関わりがあった場合はそのことに触れるのもよいでしょう。
■親族に返信するケース
親族へ送る寒中見舞いでは、年賀状が遅れたお詫びに加えて、近況報告を盛り込むことで親しみと安心感を届けられます。
【例文】
寒中お見舞い申し上げます。
しばらく留守にしており、年始のごあいさつが遅くなり申し訳ございません。
子どもたちは元気に過ごしております。
夏には実家へ帰省する予定なので、〇〇さんにもお会いできるとうれしいです。
まだまだ寒い日が続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
父母や親戚など関係性によって文面は変わりますが、年賀状の返信が遅れたお詫びや近況報告などを添え、体調を気遣う言葉も付け加えるとよいでしょう。
年賀状をいつまでに出すべきか把握しておこう

年賀状を元旦に届けるには、12月15〜25日の投函が必要で、原則1月7日までが送る期限となります。松の内明け以降は寒中見舞いへ切り替え、2月4日以降は余寒見舞いとして送りましょう。
遅れて届く場合は『元旦』『元日』の表記を避け、年賀状を出していない相手から届いた際はすぐに返信することが大切です。
喪中の人へは年賀状ではなく寒中見舞いであいさつし、相手に応じた文例を参考に丁寧な対応を心がけるようにしましょう。
構成/編集部







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