国土交通省公表の「訪日クルーズ旅客数及びクルーズ船の寄港回数」(2024年速報値)によると、昨年はピーク時だった2018年の約55%まで回復。昨年12月に就航した『MITSUI OCEAN FUJI』、今年7月就航の『飛鳥Ⅲ』、そして有名な『にっぽん丸』が来年で引退と、いまクルーズ船に注目が集まっている。
クルーズ船が身近に感じられる時代へ
「60代以上の方からも多くご予約いただきますが、夏休みやゴールデンウィークなどに実施するクルーズでは3世代なども含むファミリーでのご乗船が増える傾向にあります」(商船三井クルーズ 営業戦略部マーケティンググループ)
日本発着のクルーズは、短い日程からでも利用できるのが利点。
「『飛鳥Ⅲ』が就航して、『飛鳥Ⅱ』との2隻運航になりました。『飛鳥Ⅱ』は、これまで発着機会が少なかった北海道や沖縄、金沢、名古屋などから乗船する機会が増え、短い日程のクルーズを中心に人気です」(郵船クルーズ 企画マーケティング部)
クルーズ船に乗るのは夢のまた夢、という時代は終わったようだ。
「初心者には、私はあえて1週間のクルーズをお勧めします。3日間では、やっとコツを掴んだところでもう下船ですから。外国船も含めれば予算的にも1週間で10万円台から乗船できるものもあります」と語るのは、『CRUISE Traveller』編集長の茂木政次さん。
「日本発着クルーズの旅先として熱いのは、九州です。『くまもんポート八代』と名付けられた近代的な八代港、豊富な観光素材で人気の鹿児島港など存在感があります。クルーズ参加者は目の肥えた旅行者が多いので、自治体や地域をあげて受け入れ体制を整えている港が多いですね」
来年後半には『MITSUI OCEAN SAKURA』、再来年には両備グループのRヨットによる日本初のヨットスタイルでのクルーズ船が就航する。
「これで予算、旅の目的、様々な消費者ニーズに対応できる環境が整うことになります」(茂木さん)
飛鳥Ⅲ
この夏、就航!47都道府県とのコラボ客室も

今年7月に就航した郵船クルーズの豪華客船。「お客様好みに広がる旅」をコンセプトにサービスを提供。客室全てが海側プライベートバルコニー付きで、1名利用客室もあるバルコニークラスからバトラー付きペントハウスクラスまで客室は3クラス。

47都道府県の魅力を盛り込んだミッドシップスイートの客室。

至高のイタリアンのほか、各種多彩で上質な料理が用意されている。

『CRUISE Traveller』編集長 茂木政次さん
船内には人間国宝の作品が飾られ、フラワーハウスも。海外の5つ星クラスと競えるラグジュアリーシップです
MITSUI OCEAN FUJI
昨年12月就航、ワーケーションもできる癒しの客船
商船三井クルーズの新ブランド『MITSUI OCEAN CRUISES』の第1号船舶。衛星を利用した高速インターネットサービス「スターリンク」のWi-Fiを完備。今年11月には2泊3日クルーズも実施。

全室オーシャンビューのスイートルーム。寄港地には台湾や韓国も。
にっぽん丸
来年春にラストクルーズ。リピーターの多い王道客船
1990年に就航した商船三井クルーズの『にっぽん丸』は、2026年5月横浜に帰着するクルーズをもって引退する。グランド・フィナーレのクルーズ12本の売れ行きも大好評だという。

花火大会を船上から鑑賞できるクルーズも毎年大人気。

海の豊穣を描いた陶板画が美しいメインダイニング「瑞穂」。
取材・文/インディ藤田 編集/髙栁 惠
34年ぶりの新クルーズ『飛鳥3』が就航!カジノもジャズも展望風呂も楽しめる「非日常空間」に潜入
全長230メートル、740名が乗客できる『飛鳥Ⅲ』(写真提供:郵船クルーズ) 誰もが一度は夢見たことのある“クルーズの旅”が身近になろうとしている。 昨年末に商…







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